翠名と椎名の恋路(恋にゲームに小説に花盛り)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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34・縁日デートしよう(女子力の補充)8

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「ふざけるな!」

 男はここで敗北しそうなになっていたフンイキを打ち破らんと大きな声を出す。そして人が困ったときは切り札とするが多い逆ギレを始めた。

「この巨乳、すごい巨乳っておっぱいの持ち主がぶつかってきたんだ。言うなればおれは被害者。なんで被害者が悪者扱いされなきゃいけないんだ。さぁ説明してみせろ、なぜ被害者がガマンせねばならないのかを」

 男、これで敗北しそうな空気を押し戻せるとニンマリ。こうなったらもう引き去るなどせず、すごい巨乳の持ち主って女子をゲットするしかないと腹をくくっている。

「あ、そう、翠名」

 椎名はクイクイっと翠名に手招きをし、一言でいいから謝ってとか、それでこの話は終わりになるからとかいう。

「ちょっと待て! 一言謝るくらいで済まないぞ」

 男は慌てた。どうももう一人の女子(椎名)とは戦いづらいと思い、なんとか状況を打破できないかと必死に考えもする。

「謝ってもダメって脅迫じゃん。ねぇ、聞いてもいい? 被害者なら脅迫してもいいっていうの? それって被害者というよりチンピラじゃん」

 男が考えている間にも椎名が攻め込む。だから男は思う、この女きらい、こういう女はたとえ巨乳でもきらいだ! と。

「ぅ……」

 負ける、このままでは押し負かされてしまう。そう思いながら男は何気に周りを見渡した。するとあるモノが目に入ったのである。だから攻め方を変更。あまりにやっかいな椎名ではなく、すごい巨乳の彼氏とかいう男子の方を見て言ってやる。

「おい、おまえ、おれと勝負しろ」

「は? 勝負?」

「そうだ、あれを見ろ」

 男はそう言って体の向きを変え、やけにデカい2つのモニターがあるところを指差して言ってやる。

「あそこはゲーミングPCが2つあって、あのデカいゲーミングモニターで対戦できるんだ。どうよ、彼氏たるおまえが責任とって勝負するっていうのは」

「責任ってなんですか? 言っている意味が分かりませんけれど」

「おまえの彼女がおれにぶつかったんだ。なのに今おれが悪者扱いされている。だったら彼氏のおまえがゲームで勝負すればいい。おまえが勝ったらおれは潔く引き下がろう。だがおれが勝ったら……」

「勝ったら……なんだって言うんですか」

「おまえの彼女はおれがもらう。そしたらおれはその巨乳女子にパイズリしてもらって、でもって生の中出しで愛し合って結婚までこぎつける」

 それはハッキリ言って逆ギレの極みみたいな申し出であった。そして望にはけっこう危険を伴う話だった。なぜなら、ゲーム好きだのプロゲーマーを目指しているだの言っても、すべてのゲームで才能が発揮されるわけではない。いまの望の実力というのは、自分が得意とする一点でしかエースになれないモノだ。

 しかし浅はかなキャラがひとりいた。それは燃得であり、ゲームと聞いただけで実直な反応に出てしまう。

「望、おまえゲーム得意じゃん、まさにおまえの出番じゃん。こんなやつコテンパンにやっつけてしまえ!」

 燃得が言ったら、望、翠名、椎名の3人はさーっと青ざめてしまった。バカかよ、おまえ単細胞かよ! と言いたくなったが、こぼした水こと発言は元に戻せない。

「うっほ! いまのは挑戦と受け取った! おい望とやら、おまえ今さら逃げるとかさせないぞ、おまえ彼女を賭けておれと勝負だ、土下座して謝っても許さないからな」

 場が男のペースになってしまった。どうやら男はゲームが好きらしく、腕にも自信があるのだろう。だからもう翠名って巨乳と愛し合う絵が頭の中でグルグル回っている。

「バカ? あんたバカ? 一回死ねば? この単細胞!」

 椎名、燃得の胸倉をつかんで揺さぶる。

「そ、そんな……おれは友人として見てきたから、だから望なら負けないだろうと確信していたから」

「ったく……」

 椎名、燃得から手を離すとものすごく速く、電気のスピードを超えるような速度で考えた。 望はゲーム好きだ、そして望がレースゲームに夢中となっていて、それなりにうまくなっているらしいんだと妹から聞いたりした。つまり、そのレースゲームなら望は勝てるかもしれない。勝負するならそれ以外でしかない。

「レースゲーム、特にデス・アスファルトとかだったら……」

 椎名、思わせぶりなセリフを意図して小さめの声でつぶやいた。翠名という巨乳女子を手に入れたい男とすれば、そのセリフを耳にすると興奮度が上がる。もし望がデス・アスファルトが苦手というなら最高だし、逆に自信があるというのであればその勝負を受けてやったってことで自分という男の面目が立つ。

「よし決まりだ! おまえ、おれとデス・アスファルトで勝負しろ」

「デス・アスファルト!」

「もうイヤとは言わせないからな。安心しろ、おれはやさしい男だから一応気を使ってやる。おまえの得意な車とステージで勝負してやる。決まりだ、もう決まりだ!」

「なにを勝手に話を決めているんですか!」

 翠名という女子をそっちのけでグイグイ話を進め決めてどうするんだよ! と望は怒った。こんな勝負をするわけがないと拒否しようとする。

「望……」
 
 ここで翠名が望の腕を軽く突いた。望は自分の彼女が、こんな勝負を受けるわけないよね? と言うのだと思った。ところが事実はちがったりする。

「わたし……望を信じているから」

「はぁ? 翠名? なに言ってるんだよ」

「だいじょうぶ、望は負けない。だって望はわたしの彼氏だもの。そうだよね? 負けないよね? あんなやつ……やっつけてくれるよね? わたし……望が勝つってところを見たい、見せて欲しい」

 翠名が心に少し無理をかけにっこり微笑んだりすると、望は生まれて初めていとしい彼女のために戦うなんて事をやらなきゃいけなくなった。責任が信じられないほど大きい、まさに命懸けの戦いだ。

「わ、わかりました……勝負します、受けて立ちます」

「よっしゃぁ! これで巨乳はおれのモノだぁ!!」

 こうして縁日の夜はまったく思いもしないバトルへと発展していった。恋の勝負というには足りないかなり重い戦いが幕を開けようとしている。
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