翠名と椎名の恋路(恋にゲームに小説に花盛り)

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46・女の子を運ぶのは男の仕事なんだ!3

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「ぶふぉ!」

 剛速球のボールが翠名の顔面にドストライク! と直撃した。だから翠名は声を出すと同時に勢いよくひっくり返ってしまった。

「翠名!!」

 途端にドッジボールの場は騒然となる。女子たちはぶっ倒れてしまった翠名に駆け寄り、翠名、翠名、死んだらダメ! と必死に言う。この学校が始まって以来の初めて、体育の授業で死人が出たのか! と、大きな不安がグランド中に広がる。

「翠名、死んだらダメ、翠名!」

「やだ、学校で死人が出るなんてそんなのって……」

 女子たちが泣きだし始めた。と、そういう光景を少し離れたところから、やっとこさ腹痛が収まって戻ってきた望が見る。

「なんだ……なんかあったのか……」

 ただ事ではないって感じにドキッとした望だったが、その存在に気付いた女子のひとりが振り返る。その目には涙がいっぱい浮かんでいて望を驚かせる。

「翠名が、翠名が……」

 その声と涙を受け取った望はダッシュでその場に駆け寄る。すると体操着にトレパンという格好の佐藤翠名っていとしい彼女が、つめたいグランドに仰向けで倒れている。苦痛って表情にはかなり痛い思いをしたのであろうハレがあったりする。

「おれが保健室に連れて行く!」

 望はとっさに力強くそう言い切った。他の誰か、たとえそれが先生でもダメ、佐藤翠名を抱えて保健室に運ぶのは自分でなければならないと表情を引き締める。

「ん……」

 まずは彼女の真横にかがみ、内心ちょいドキドキしつつ……今は非常事態なんだぞ! と自分の心を律する。そして少しばかり彼女に顔を近づけると、ムワーっと不思議すぎるほどいいニオイが浮かび上がってくる。

(ぅ……)

 翠名のものすごくいいニオイにドキドキを高めながら、まずは体操着と地面の下に手を入れる。するとどうだ、手の甲はつめたく固いって感覚にさみしさを覚えるのに、手の平の方はとっても温かくてやわらかいって情報にしびれる。

(あ、あったかい……)

 ドギマギしながらもう少し手を奥に突っ込むが、すると今度は体操着の下にあるモノに触れる。それはF80ってブラのバックであり、触れる指先がなんとも言えないキモチへとつながっていく。

「ん!」

 気合と共に気絶している翠名を抱え立ち上がる。すると体操着にスポーツブラってふくらみがユッサっとやわらかく揺れ動く。

「保健室に連れて行きます」

 望はそう言うと男らしくクルっと回れ右して校舎方面に歩き出す。おぉ、望がかっこういい! とか、彼氏なんだから彼女のために動くのは当然だよとか、そういう声が後ろから聞こえたりした。

(み、見たらダメだ……)

 望、まるでロボットのごとくまっすぐ前を見て無表情で歩き続ける。でもそれは仕方のない事だった。いま、目を下に向けたらすぐそこに翠名の豊かでやわらかそうってふくらみ具合があって、それは歩行の振動でフルフルっと揺れる。しかも抱いている今は翠名のやわらかさや熱や良いニオイがぜいたくなほど伝わる。だから翠名を見ない、見たら邪念に溺れそうで怖いとして。

「先生、先生、開けてください」

 やっと保健室についたので内にいるであろう先生にドアを開けて欲しいと思った。でもいくら呼んでも返事がないから出払い中とし判断するしかない。

「ぅ……」

 つめたく汚い廊下に最愛の彼女を寝かせるわけにはいかない。だから翠名をだいたまま肩をドアにつけると必死になって動けとがんばる。そうやって中に入ったら、誰もいない聖域の奥に進んでベッドにたどり着く。

「よいしょっと……」

 ゆっくりと翠名をベッドに寝かせた。するとどうだ、翠名って彼女を抱いていたゆえに味わっていた温かさや良いニオイ、その他モロモロが哀しい感じで消えてしまった。幸せから不幸に転落したみたいと言っても過言ではないその感覚を持って、眠っている翠名を見ると透き通るみたいなドキドキが沸いてしまう。

「す、翠名……」

 望、ブルブルっと震える手を動かしかけた。さすがに、眠っているからと豊満でやわらかそうってふくらみを触るわけにはいかないし、そんな事をしたら自己嫌悪に陥る。されど手の平を頬にそっと当てるくらいなら……とやりたくなる。でも結局はそれをやらなかった。眠っているときにやるのではなく、彼女が起きているときにちゃんと正面から向き合ってそれをやりたいと思ったから。

(戻るか……)

 望が動きだす。ところが数歩歩いた所で突然に後ろから翠名の声がした。

「ん……望……」

 それを聞いた望、目が覚めたのか? と振り返った。すると寝返りを打ち左肩を下にした翠名は眠ったままだ。体操着にスポーツブラって豊かなふくらみは、肩を下にして寝ることですごいボリューム増しという絵になっている。そして翠名は寝言を津続けるのだった。

「ん……望の甘えん坊……そんなにおっぱいチュッチュしてもミルクなんか出ないんだからね」

 どうやらピンク色な夢を見ているらしい。だから翠名の顔はちょっとえへえへっと嬉しそうな感じになっていたりする。

「ね、寝言か……」

 真っ赤な顔をして出口に向かい歩き出す望、まぁ、だいじょうぶだろうとか、彼女に大ごとがなくてよかったとか思った。でももうひとつ思った事もあった。それは翠名が見ている夢の中に登場しているのであろう自分、それがちょっとうらやましい……と。
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