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勇者が優子のブラジャー外しに挑む!

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 勇者が優子のブラジャー外しに挑む!


「やっと……ブラジャー外しを極めた!」

 この言葉は昨日の夕方、学校の裏庭で放たれた。そこにいたのは6年の男子3人、「情熱のレッド」と「クールなブルー」そして「あまり目立たないグリーン」という3人。いずれも中野優子と同じクラスに身を置いている。

「小1の時から努力を積み重ね、やっと極めたんだ」

 ヒューッと吹いた風に前髪を撫でられるレッド。長い苦労を経てたどり着いたのだと、芽生えた自信を誇るように腕を組む。

「小1のときから努力していたのすごいけど、ほんとうに出来んの?」

 グリーンは地面に自分が持たされているモノを赤い顔で見つめる。それは何かと言えば、レッドが母から失敬したAカップのブラジャーをまとった薄い板。

「一瞬で外せるっていうのは……どうなんだろう……」

 ブルーはレッドが放つ自信をすごいと思いつつ、一瞬の神業とかいうのを疑ってしまう。

「おれの右手には情熱って魔物が宿っているんだ。おれが長年積み重ねた努力を信じる限り、その魔物はおれの実力へと変換されるんだ」

 そう言ったレッド、右手の薬指と小指を折り曲げる。中指、人差し指、親指の3本だけを立てたら、ジリジリっとグリーンが持つ板に近づく。息が詰まるようなキンチョーがただよう中、かけ声と共に右手を振った。

「必殺、ツバメ返し!」

 シュパ! っと高速で動くレッドの右手。それはマッハ25みたいな速度だった。ビデオで撮影しても手は映らないかもしれない。

 プチ! っとブラジャーの背中、つまりホックが外れた。手で触って外したなんて見えなかったのに、ほんとうに0.2秒ほどのスピードでやってのけた。

「すげぇ! つばめ返しってすげぇ!」

 グリーンは手に持つ板を裏返し、ホックが外れていることに衝撃を受ける。

「いや、まだだ、それじゃぁダメだ!」

 冷静な顔したブルーが、盛り上がりかけたフンイキに水を差す。でも彼の言い分はもっともな正論に他ならない。

「たしかにツバメ返しはすごい。ほんとうに一瞬だったものな。でもレッド、相手は服を着ているんだぞ? 下着姿で歩いている女なんかいないぞ? つまり服の上からでもできなければ、ツバメ返しも所詮はジョークで終わってしまうって事なんだ」

 冷静なブルーに指摘されたレッドだったが、フッと憎たらしい笑みを浮かべた。まぁ見てろ! とか言って、カバンから黒いTシャツを取り出す。板にまとわせているブラジャーのホックを綴ると、その板にTシャツを着せてグリーンにもたせる。そして力強く言い放った。

「小1の頃から努力を積み重ねてきたんだ。それこそ雨が降っても風が吹いても、インフルエンザで寝込んでも努力を怠りはしなかった。その実力はホンモノだって、目にもの見せてやる!」

 身構えるレッドの体から情熱の炎が立ち上がる。いかなる困難も、いかなる強敵も、極めたおれの敵ではないと自信が燃えている。

「今こそほえろ、このおれのツバメ返し!」

 一瞬の中に詰め込まれる情熱のうごき。それは黒いTシャツなんて、内側のブラジャーが今一つ見えにくいとか関係ない。

 プチ! っと背中のホックが外された。レッドの手の動きはまったく見えなかったが、たしかにブラジャーのホックを外したのだ。所要時間は先とかわらぬ0.2秒ほど。

「すご!」

 またまた感激するグリーン。

「レッド……おまえの実力はホンモノなんだな。疑ったりして悪かった」

 ブルーに認められると満足したって顔になるレッド。今や神の手とも言える右手をギュッとにぎったら、2人の前で明確に宣言した。

「おれは中野のブラジャーを外す。あいつの巨乳を拝んでやる!」

 その宣言する姿の男らしいこと、長年かけて身に付けた自信がレッドを映えさせている。同時にその姿は、中野優子の乳を拝んでみたいという男子の代表でもあった。

「レッド、おまえなら出来るよ」

 ブルーはレッドとつよい握手を交わす。

「レッド、おまえこそ本当の勇者だよ」

 グリーンもレッドとアツい握手を交わした。明日は焼けた一日になるぜ! と、3人は自信や期待を持って同じことをつぶやいたのであった。

ーそして迎えた本日ー

「優子、ちょっと」

 昼休みになったら、佳苗が教室の外に出ようと手招き。ずっと座ってばかりでは健康に悪いとし、廊下で立ち話をしようと誘った。

「お、中野が立ち話を始めたぞ」

「やるか? やるのか? レッド?」

 ブルーとグリーンがレッドに目を向ける。

「やる。おれは勇者だから、決して逃げたりしない。そして自分の実力を信じる」

 スクっと立ち上がるレッド、自ら築き上げたバックボーンを信じて教室の外に出る。それから深呼吸してキモチを整えた。

 ターゲットはクラスで……というより、学年でも別格的におっぱいが豊かな中野優子。本日はブラックTシャツを着ているが、極めし者にとっては問題ではない。そしていま、廊下に出た優子は香苗と共に窓の近くに立っている。

 まっすぐ歩いていけば、レッドの右手側に優子がいるわけだ。これはまさに狙った獲物は逃さないってお膳立てである。

(よし、行くぞ!)

 いま勇者が高鳴る心臓を持って歩き出した。中野優子っていうのはカンペキな大物だ。どう考えても小物ではない。この学校で一番の巨乳女子であることはまちがいのだから、レッドの心にかかるプレッシャーは想像以上にデカい。

(き、緊張するな……お、おれだって思いつきで行動しているわけじゃないんだ。おれの右手には養ってきた実力がある。そいつはもう魔物なんだ。おれの右手は魔物レベルにあるんだ。信じろ、自分を信じろ。できる……おれなら……)

 いよいよ優子の後ろ姿が近づいてくる。レッドに出来ることはただひとつ。魔物レベルの右手に最高の仕事をさせるだけ。

(行け! おれの右手!)

 シュパッと俊敏に動く右手。それは職人を通り越してエスパー技みたいなモノ。確実に、そしてたしかに優子ブラのホックを外した。

(ん?)

 通り過ぎる時、レッドはちょっとした違和感におどろく。立ち止まり自分の右手を見ながら、今のはなんだ? と振り返る。

(たしかに外したはず……このおれがしくじるなんてありえない。でも同時に……外せていないって感じもした。なんだ、これは、これは……)

 少し考えた後、レッドは香苗と会話する優子を見て気づいた。

(そ、そうか……中野は乳がデカいからブラジャーもデカい……だ、だったらホックがひとつじゃないのか? ま、まさかひとつじゃないのみならず2段とか3段とかいうのか!)

 レッドの顔が青ざめる。これは予期しない事だった。成功するか失敗するかの2択ならわかるが、成功はしてるけど何回もやらねばならないとは思いもしない。

 皮肉だった……母のひとつ一段なんてブラでしか練習していなかったら、それに対してだけ才能が開花した。でも優子ブラジャーにとって、その実力は甘ちゃんレベルだったのだ。

(く、くそ……手強い)
 
 レッドから一気に自信が流れ出ていく。表情が沈んでいく。浮かび上がるテンションがドーンと下がっていく。そんなレッドを仲間2人が励ます。

「レッド、高みを目指すのが情熱だろう? そのための赤色なんだろう?」

 大人っぽくレッドのやる気を引き上げようとするブルー。

「レッド、勇者は……勇者はでっかいドラゴンを倒すまであきらめたりしないんだ。そうだろう?」

 何がなんでも優子の乳を拝みたいグリーン、何回も勇者とか言ってレッドを後押しする。

「そうだな……もうすこしでくじけるところだった。それじゃぁダメなんだよな。情熱は……赤色はいつだって燃えなきゃいけないんだよな」

 そうして行われる2回目の挑戦。たしかにレッドの手は優子ブラのホックまで行く。だが優子の愛用するE80ってブラは、3つ3段ホックと難攻不落な城みたいだった。母親のブラでしか練習したことのないレッドにしてみれば、いかな技術を駆使しても一発ですべてを外せない。

「レッド、あきらめるなよ……おまえはおれたちのヒーローなんだ。絶対成功させてくれよ。中野の乳を拝ませてくれよ」

 グリーンは両手をしっかり合わせて応援し続ける。表向きは仲間の勇ましい行動に心を砕いている。でも本当のところでは、優子に異変が生じることを望んでいる。きゃ! とか言いながら、ブラが外れて優子の乳が揺れ動くような、そういう絵を見たい。

「あん?」

 香苗と話をしていた優子が、ここでちょっと背中に違和感をおぼえた。ちょっと緩んでいる? もしかしてホックがちょっと外れたりしている? と不安になる。いくらTシャツを着ていても、背中のホックが外れたら無様が確定する。小6でEカップの優子にしてみれば、そんな恥さらしは絶対に許されないのだった。

「香苗、わたしちょっとトイレ」

 突然に優子が動き出した。

(あ……)

 優子のブラを外すため何回もトライしていた勇者、手を伸ばそうとした所で優子が動いたからたまらない。今さら伸ばそうとした手は引っ込められない。

 タッチ!

 レッドの手が香苗の胸に触れてしまった。触りたいと思ってやったわけじゃない。それどころか、はっきり言ってアウト・オブ・眼中でさえあったのに……

「こら、あんた何してんよ!」

 怒り心頭の香苗はレッドの胸ぐらをグッとつかむ。

「ち、ちがう……」

 慌てて言い訳しようとするレッド。でもこうなると天才もしょせんはただのクズって事になる。とっても気の毒な姿になるほかない。

「ふざけんな!」

 ビッシャーン! それは落雷かと思うほどの爆音。誰かが死んだのか? と心配して教室の外に出てくる者多し。

そこには自分のTシャツを塗り替えるほど鼻血ブーなレッドがいた。

「ダメ……だったか……」

 離れたところで見ていたブルーが、とても残念そうな顔をする。しかしとなりにいるグリーンは、レッドならやってくれると期待してから、この結果には残念では済まない。両目にうっすら涙を浮かべたら、天井を見上げて哀しく叫んでしまう。

「どうなってんだよ……どうなってんだよぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」
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