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香苗、巨乳になるためがんばります3
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香苗、巨乳になるためがんばります3
午後8時、香苗がスマホを自室デスクの上に置いた。育乳ビートとかいうのを鳴らしながら、ミルフィーユの指示に従いバストアップに励もうというのだった。
「体の中心あたり、押してみたらちょっぴり痛みを感じるあたりがだん中って言うんだよ。はい、ゆっくり息を吐きながら7秒くらい間押す。で、次に息を吸いながらそっと指を離す。はい、それを何回もくり返す」
ミルフィーユの声にしたがう香苗。こんなので効くのかよ……と思ったりせず、優子に近づく! という思いで励む。
「で、つぎは?」
「つぎは天溪に行こうか」
「てんけい?」
「乳腺発達運動だよ。乳首と同じくらいの、横ラインの高さにあるよ。左右両側にあるよ。骨と骨の間かな、押したらウニュっと痛くなる場所が天渓。両方親指で押すべし!」
「ぅう……」
早くもなんとなく虚しい気がしてきた。というより面倒くさいって気がしてきた。もっと楽に夢が叶わないかなぁと甘ったれた考えに溺れたくなる。
「香苗、表情がたるんでる! もっと乙女なキモチを顔に出してキープ! 努力しない者に神さまは微笑んでくれないんだからね!」
「ぅく……」
「はい、つぎは渕腋に行こう!」
「えんえき?」
「乳頭から少し離れた真下にあるツボだよ。それを指で4秒押し、ゆっくり離すというのをくり返してちょーだい」
「わかった」
ほっこり女子を気取るような笑顔を保つ香苗だが、内心では面倒くせぇ! と嘆きたかった。されども取り組みを初めてすぐ挫折しては女の恥。だから自分は努力しかないんだと言い聞かせる。
バストアップに取り組みながら香苗は思ってみた。身内には巨乳も爆乳もいないよなぁ……と。誰かひとりいれば、その血が紛れ込んでくる可能性はあり。だけども香苗の脳内情報を引っ張り出す限り、ふっくらバストの持ち主はいない。もしかすると大昔にはいたかもしれないが、それなら大隔世に期待するしかないのかもしれない。
「これくらいでいい?」
ほんのり汗が浮かんだので香苗が手を止めた。ピンク色のティッシュ箱から紙を取ると、なかなかの美肌に浮かんだ汗を拭う。
「じゃぁ香苗、つぎはフェロモン修得を目指そうか」
「フェロモンって勝手に出てくるもんじゃないの?」
「チッチ! フェロモンは個人差があるんだけどさ、育乳のためにはフェロモンも多めに必要。香苗にはまだ色気が足りない。まずはそこにテコ入れしよう」
色気が足りないとか言われ一瞬ムカつく香苗。しかしこのとき、電球の点灯みたいにパッ! と気づく。それはけっこうな疑問だと思えたから、口から出してミルフィーユに伝えた。
「色気っていうけど……よくよく思えば優子だって色気ない。優子はかわいいし小6でEカップって巨乳だけど、だからって色気があるようにも見えない。乳の豊かさ以外は歳相応のオーラしかない。優子が色気べったりって見えたことないんだよ。だったらさ、フェロモンなんか巨乳に関係ないんじゃないの?」
どうよ? なんか言い返してみ? とミルフィーユを見る香苗。
「香苗、早くから乳に恵まれても色気は後回しってタイプはよくいるよ。それはそれでいいんだよ。でもね、乳にめぐまれない女はフェロモンの力を借りないとダメ。今はまだ早いとか、そんな寝ぼけたことを言っていると、人生の好機を逃すんだよ?」
ミルフィーユによると人生の好機とは、人に与えられた運命の流れらしい。いつでも好きなときにチャンスがあるわけではないそうだ。
「身長も乳の大きさも、ここぞ! というタイミングがあるんだよ。だからこそ先手必勝! 先に努力をして有意義な生活をやっていれば自ずとよくなる。でも、まだまだだいじょうぶ! とか、大人になってからでいいとか、そんな甘ったれた考えは神さまが絶対に許してくれないの」
それを聞いた香苗、クッと顔をしかめたら両手をギュッと握った。そうしてマイルームの天井を見上げて何回か同じことをつぶやいた。
「神さまってうぜぇ!」
やってらんねぇぜ! と言いたくなるハート。この世は不公平だ、くそったれ! とグレたくなる心。明日からヤンキーにでもなってやろうかと叫びたくなる。
しかし! 中野優子みたいになれたら……あの豊満でやわらかい弾力が自分の体にあったら……そう思うとなんとかこらえることができた。巨乳になれるのであれば、ヤンキーみたいなクソに転落している場合じゃないとガマンができる。
「それで何をしろっていうの?」
香苗が心を入れ替えてミルフィーユを見る。自室のベッドにかわいく座る、正直役に立たないような気がする女神に目をやる。
「香苗、わたしを男の子だと思って」
「は?」
「わたしは香苗好みの男の子。それにかわいく甘えるように接して。女の子パワー全快って感じを出すんだよ。そうすればスイッチが入ってさ、フェロモンも女性ホルモンも大放出される……はずだから」
「そ、そんなこと急に言われても……」
「じゃぁさ、初体験するんだけど動けないから、自分から動いて男の子を誘う女の子を演じてよ。それって効果テキメンのはずだから」
「ちょ、ちょっと、そんなクソ恥ずかしいのイヤだから」
「ダメだよ香苗、クソ恥ずかしいとか、そんなこと言ってると女性ホルモンは分泌されないよ? 代わりに男性ホルモンがドバドバ出てしまうよ?」
「くぅ……」
香苗の顔がストロベリー色になった。プライドってモノをガタガタ揺さぶられてしまう。腐った女になるようで許せないと思ってしまう。だからかわいく振る舞う顔面はまったく吹っ切れていない。
「ね、ねぇ……と、となりに座ってもいいかな?」
えへ♪ と不本意な笑みを浮かべる香苗。
「ダメダメ、全然ダメ! 香苗の顔には驕り高ぶりが見えるよ。なんでわたしみたいな女がクズを演じなきゃいけないの? ってプライドが浮かんでる。香苗、プライドと乳のどっちがいいの? 言っとくけどプライドではブラのサイズは上げられないんだよ?」
きびしく指摘されクッと顔をしかめる香苗。胸の内にあるプライドって4文字を、おりゃぁ! とばかり捨て去る以外になかった。
「ねぇ、となりに座ってもいい?」
「いいよ」
「ねぇ、なんか顔色が悪いよ。だいじょうぶ?」
それとなく臭い演技がいい感じで進行。ここで男子役のミルフィーユが、そっと香苗の手を握ったりする。それを感じた香苗は心の中で、おえぇ! とやりたくなる。
「香苗!」
突然にミルフィーユが動いた。目を丸くする香苗をベッドに押し倒す。
「な、なに?」
「香苗! 男の子に押し倒されたら、きゃ! ってかわいい声を出さないとダメ!」
「げぇ……」
「もう一回やり直し!」
「あぁぅ……」
「香苗!」
「キャ……」
「ダメ、香苗はプライドが高すぎ。プライドを捨てるべし! すべては乳のために!」
「わ、わかったよ……」
「香苗!」
「きゃ!」
「うん、今のはいい感じだったね。じゃぁ、つぎに行こう」
パッとベッドから飛び降りるミルフィーユ。ベッド上で悩んでいる香苗に言った。そこで色っぽい仕草をして、男の子を誘ってごらんなさいと。
「い、色っぽい仕草?」
「うつ伏せになって枕を腕の下置き、ううんぅ……って甘い声を出しながら両足をもぞもぞさせるんだよ」
「ううんぅ……」
「ダメ! それは便秘で思いつめているような声だよ。もっと甘い時間に悶える!」
「ううんぅ……」
「まだダメダメ。それは眠い……って言っているようにしか聞こえないよ」
「だったらミルフィーユがお手本を聞かせてよ」
「わかった、じゃぁ行くよ。ううんぅ……ん……」
「やだ、なんでミルフィーユにそんな声が出せんの?」
「なんでとは失礼な。わたしだって年頃の女神なんだからね!」
「プッ! 年頃の女神……」
「あ、香苗、笑ったら絶対に許さない!」
「わ、笑わないって」
こんな風にして特訓は3時間くらい続いた。夜のお風呂って頃になると、香苗は心身がクタクタになっていた。鍋で煮込まれすぎた白菜みたいにぶっ倒れそうだった。
「しんど……」
体を洗ったあとの浴槽に、グデっと抱きつく香苗。40度ってほどよいお湯が、体内の疲れを溶け出させるみたいだ。今の自分はコンソメスープのブロックみたいだとか思いながら、先は遠いなぁとためいき。
「優子みたいになるのは遠いなぁ……きっと地球の裏側へ行くより大変なんだろうなぁ」
目まいすら感じそうになって風呂から上がり、やっとの思いで部屋にもどる。目覚まし時計をいつもどおりの時刻にセットしたら、自らを急かすようにしてベッドに潜り込んだ。するとどうだろう、近くに置いているキーホルダーから声がした。
「香苗、その枕を頭にしちゃダメだよ」
「は? どういうこと?」
「その枕は香苗の彼氏とか思うんだよ。だから枕を横において、甘えるようなキモチで寄り添いながら眠るんだよ。そうすれば女性ホルモンとフェロモンが新春セールのように放出されるはずだから」
「やだよ、そんなの眠りにくいじゃんか」
「巨乳になりたくないの? 大きくてやわらかいおっぱい欲しくないの?」
「わかったよもう……」
ミルフィーユの教えにしたがう香苗だったが、快眠という感じにはなれなかった。体がぐったり疲弊しているのに、それを許さないみたいな感じが眠りを妨げる。ここまでしなきゃいけないわけ? と思う香苗は、とっても疲れているのに、眠りに入るまで60分もかかってしまうのだった。
ーがんばれ香苗。次回に続くー
午後8時、香苗がスマホを自室デスクの上に置いた。育乳ビートとかいうのを鳴らしながら、ミルフィーユの指示に従いバストアップに励もうというのだった。
「体の中心あたり、押してみたらちょっぴり痛みを感じるあたりがだん中って言うんだよ。はい、ゆっくり息を吐きながら7秒くらい間押す。で、次に息を吸いながらそっと指を離す。はい、それを何回もくり返す」
ミルフィーユの声にしたがう香苗。こんなので効くのかよ……と思ったりせず、優子に近づく! という思いで励む。
「で、つぎは?」
「つぎは天溪に行こうか」
「てんけい?」
「乳腺発達運動だよ。乳首と同じくらいの、横ラインの高さにあるよ。左右両側にあるよ。骨と骨の間かな、押したらウニュっと痛くなる場所が天渓。両方親指で押すべし!」
「ぅう……」
早くもなんとなく虚しい気がしてきた。というより面倒くさいって気がしてきた。もっと楽に夢が叶わないかなぁと甘ったれた考えに溺れたくなる。
「香苗、表情がたるんでる! もっと乙女なキモチを顔に出してキープ! 努力しない者に神さまは微笑んでくれないんだからね!」
「ぅく……」
「はい、つぎは渕腋に行こう!」
「えんえき?」
「乳頭から少し離れた真下にあるツボだよ。それを指で4秒押し、ゆっくり離すというのをくり返してちょーだい」
「わかった」
ほっこり女子を気取るような笑顔を保つ香苗だが、内心では面倒くせぇ! と嘆きたかった。されども取り組みを初めてすぐ挫折しては女の恥。だから自分は努力しかないんだと言い聞かせる。
バストアップに取り組みながら香苗は思ってみた。身内には巨乳も爆乳もいないよなぁ……と。誰かひとりいれば、その血が紛れ込んでくる可能性はあり。だけども香苗の脳内情報を引っ張り出す限り、ふっくらバストの持ち主はいない。もしかすると大昔にはいたかもしれないが、それなら大隔世に期待するしかないのかもしれない。
「これくらいでいい?」
ほんのり汗が浮かんだので香苗が手を止めた。ピンク色のティッシュ箱から紙を取ると、なかなかの美肌に浮かんだ汗を拭う。
「じゃぁ香苗、つぎはフェロモン修得を目指そうか」
「フェロモンって勝手に出てくるもんじゃないの?」
「チッチ! フェロモンは個人差があるんだけどさ、育乳のためにはフェロモンも多めに必要。香苗にはまだ色気が足りない。まずはそこにテコ入れしよう」
色気が足りないとか言われ一瞬ムカつく香苗。しかしこのとき、電球の点灯みたいにパッ! と気づく。それはけっこうな疑問だと思えたから、口から出してミルフィーユに伝えた。
「色気っていうけど……よくよく思えば優子だって色気ない。優子はかわいいし小6でEカップって巨乳だけど、だからって色気があるようにも見えない。乳の豊かさ以外は歳相応のオーラしかない。優子が色気べったりって見えたことないんだよ。だったらさ、フェロモンなんか巨乳に関係ないんじゃないの?」
どうよ? なんか言い返してみ? とミルフィーユを見る香苗。
「香苗、早くから乳に恵まれても色気は後回しってタイプはよくいるよ。それはそれでいいんだよ。でもね、乳にめぐまれない女はフェロモンの力を借りないとダメ。今はまだ早いとか、そんな寝ぼけたことを言っていると、人生の好機を逃すんだよ?」
ミルフィーユによると人生の好機とは、人に与えられた運命の流れらしい。いつでも好きなときにチャンスがあるわけではないそうだ。
「身長も乳の大きさも、ここぞ! というタイミングがあるんだよ。だからこそ先手必勝! 先に努力をして有意義な生活をやっていれば自ずとよくなる。でも、まだまだだいじょうぶ! とか、大人になってからでいいとか、そんな甘ったれた考えは神さまが絶対に許してくれないの」
それを聞いた香苗、クッと顔をしかめたら両手をギュッと握った。そうしてマイルームの天井を見上げて何回か同じことをつぶやいた。
「神さまってうぜぇ!」
やってらんねぇぜ! と言いたくなるハート。この世は不公平だ、くそったれ! とグレたくなる心。明日からヤンキーにでもなってやろうかと叫びたくなる。
しかし! 中野優子みたいになれたら……あの豊満でやわらかい弾力が自分の体にあったら……そう思うとなんとかこらえることができた。巨乳になれるのであれば、ヤンキーみたいなクソに転落している場合じゃないとガマンができる。
「それで何をしろっていうの?」
香苗が心を入れ替えてミルフィーユを見る。自室のベッドにかわいく座る、正直役に立たないような気がする女神に目をやる。
「香苗、わたしを男の子だと思って」
「は?」
「わたしは香苗好みの男の子。それにかわいく甘えるように接して。女の子パワー全快って感じを出すんだよ。そうすればスイッチが入ってさ、フェロモンも女性ホルモンも大放出される……はずだから」
「そ、そんなこと急に言われても……」
「じゃぁさ、初体験するんだけど動けないから、自分から動いて男の子を誘う女の子を演じてよ。それって効果テキメンのはずだから」
「ちょ、ちょっと、そんなクソ恥ずかしいのイヤだから」
「ダメだよ香苗、クソ恥ずかしいとか、そんなこと言ってると女性ホルモンは分泌されないよ? 代わりに男性ホルモンがドバドバ出てしまうよ?」
「くぅ……」
香苗の顔がストロベリー色になった。プライドってモノをガタガタ揺さぶられてしまう。腐った女になるようで許せないと思ってしまう。だからかわいく振る舞う顔面はまったく吹っ切れていない。
「ね、ねぇ……と、となりに座ってもいいかな?」
えへ♪ と不本意な笑みを浮かべる香苗。
「ダメダメ、全然ダメ! 香苗の顔には驕り高ぶりが見えるよ。なんでわたしみたいな女がクズを演じなきゃいけないの? ってプライドが浮かんでる。香苗、プライドと乳のどっちがいいの? 言っとくけどプライドではブラのサイズは上げられないんだよ?」
きびしく指摘されクッと顔をしかめる香苗。胸の内にあるプライドって4文字を、おりゃぁ! とばかり捨て去る以外になかった。
「ねぇ、となりに座ってもいい?」
「いいよ」
「ねぇ、なんか顔色が悪いよ。だいじょうぶ?」
それとなく臭い演技がいい感じで進行。ここで男子役のミルフィーユが、そっと香苗の手を握ったりする。それを感じた香苗は心の中で、おえぇ! とやりたくなる。
「香苗!」
突然にミルフィーユが動いた。目を丸くする香苗をベッドに押し倒す。
「な、なに?」
「香苗! 男の子に押し倒されたら、きゃ! ってかわいい声を出さないとダメ!」
「げぇ……」
「もう一回やり直し!」
「あぁぅ……」
「香苗!」
「キャ……」
「ダメ、香苗はプライドが高すぎ。プライドを捨てるべし! すべては乳のために!」
「わ、わかったよ……」
「香苗!」
「きゃ!」
「うん、今のはいい感じだったね。じゃぁ、つぎに行こう」
パッとベッドから飛び降りるミルフィーユ。ベッド上で悩んでいる香苗に言った。そこで色っぽい仕草をして、男の子を誘ってごらんなさいと。
「い、色っぽい仕草?」
「うつ伏せになって枕を腕の下置き、ううんぅ……って甘い声を出しながら両足をもぞもぞさせるんだよ」
「ううんぅ……」
「ダメ! それは便秘で思いつめているような声だよ。もっと甘い時間に悶える!」
「ううんぅ……」
「まだダメダメ。それは眠い……って言っているようにしか聞こえないよ」
「だったらミルフィーユがお手本を聞かせてよ」
「わかった、じゃぁ行くよ。ううんぅ……ん……」
「やだ、なんでミルフィーユにそんな声が出せんの?」
「なんでとは失礼な。わたしだって年頃の女神なんだからね!」
「プッ! 年頃の女神……」
「あ、香苗、笑ったら絶対に許さない!」
「わ、笑わないって」
こんな風にして特訓は3時間くらい続いた。夜のお風呂って頃になると、香苗は心身がクタクタになっていた。鍋で煮込まれすぎた白菜みたいにぶっ倒れそうだった。
「しんど……」
体を洗ったあとの浴槽に、グデっと抱きつく香苗。40度ってほどよいお湯が、体内の疲れを溶け出させるみたいだ。今の自分はコンソメスープのブロックみたいだとか思いながら、先は遠いなぁとためいき。
「優子みたいになるのは遠いなぁ……きっと地球の裏側へ行くより大変なんだろうなぁ」
目まいすら感じそうになって風呂から上がり、やっとの思いで部屋にもどる。目覚まし時計をいつもどおりの時刻にセットしたら、自らを急かすようにしてベッドに潜り込んだ。するとどうだろう、近くに置いているキーホルダーから声がした。
「香苗、その枕を頭にしちゃダメだよ」
「は? どういうこと?」
「その枕は香苗の彼氏とか思うんだよ。だから枕を横において、甘えるようなキモチで寄り添いながら眠るんだよ。そうすれば女性ホルモンとフェロモンが新春セールのように放出されるはずだから」
「やだよ、そんなの眠りにくいじゃんか」
「巨乳になりたくないの? 大きくてやわらかいおっぱい欲しくないの?」
「わかったよもう……」
ミルフィーユの教えにしたがう香苗だったが、快眠という感じにはなれなかった。体がぐったり疲弊しているのに、それを許さないみたいな感じが眠りを妨げる。ここまでしなきゃいけないわけ? と思う香苗は、とっても疲れているのに、眠りに入るまで60分もかかってしまうのだった。
ーがんばれ香苗。次回に続くー
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