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ポニーと詩貴のデート現場。久しぶり! そして一戦
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28・ポニーと詩貴のデート現場。久しぶり! そして一戦
今宵ポニーはウッキウッキモードをまったく隠せなかった。白いドレスを身に纏い綺羅びやかにして3億円かけた馬車から下りる。すると後に続いてブルーグレードレスを着たというより着せられた詩貴が下りる。
「いやぁ、たまには場所を変えるだけでもいいもんだわぁ」
まぶしすぎる超々高級料理店を前に、周囲を召使いにガードさせながらうれしそうな声を出す。
「でも……お城のあの食堂より豪華なんてないでしょう? 別にここの店を借り切っても変わらないんじゃないかな?」
詩貴のそっけないセリフと表情にポニーはハァッとため息を落とす。一見クールに見える詩貴って女子はつまらないなぁと言いかける。でもまぁせっかくのデートだからって事で、ポンと肩を叩いて言う。
「詩貴」
「何?」
「若いのにオバさんみたいにならないで」
「お、オバさん……」
「人生はいちいちカンゲキして楽しむもんだよ。それが若さと美貌の秘訣だよ」
そして次にポニーは親衛隊の3人に声をかけた。食事が終わるまでおよそ2時間、しっかり警護するようにと。そこにエリーの姿がないのはあえて連れてこなかったのである。親衛隊の3人だけでやらせようって考えと同時に、エリーもたまには一人でゆっくりすればいいと思いやってのこと。
「まかせてください!」
3人の中でもっとも元気印なエンミは手を動かし敬礼した。そして2人プラス数人が中に入るとさっそく仲間2人に言った。
「この店の出入り口は前と後ろの2つだけ。前はわたしとイロミが守るから、イタミは後ろをよろしく」
それを聞いたイタミはちょっと怪訝な顔をする。てっきりイロミの世話を押し付けてくると思っていたからだ。
「今日はそんなに大した敵は来ないだろうってエリーから聞いた。わたしもそういう気がする。だからイロミにも出来るなら少しは活躍させたい。わたしだってあれだよ、イロミがキライってわけじゃないから、たまには面倒みなきゃいけないと思ってる。イタミだってたまには一人になりたいでしょう?」
「まぁ、それならそうさせてもらおう」
こうしてポニーと詩貴のデート時間は始まった。中でどういう料理を食べてどういう会話をしているのかわからないが、店の外には誰も入れまいとする親衛隊員が立っている。2人の食事が終わるまでは何人も入れないという任務を背負っているので、制服姿や表情には緊張感が立っている。
「あれが親衛隊かぁ」
ちょっと離れたところから夜でもばっちり見えるウルトラ高級双眼鏡を覗くホリーがつぶやいた。
「詩貴は? 詩貴は見える?」
ホリーの隣にいる多貴はウズウズしていた。とにかく妹を見たい。今はまだ奪還できないかもしれないが、見るくらいはさせて欲しいと心がジッとしていられない。
「ここからは正面しか見えないよ。それにあれ、横窓があってもカーテンで隠されているはず」
「ぅ……」
「ガマンだよ多貴、食事が終わって店から出てきたときに拝めばいいんだから」
ホリーは年下みたいな感情になっている多貴をなだめた。ところが今度はエリスがワガママっ子みたいな行動に出たがり始めた。
「わたしだったらちょっと挨拶してきてもいいでしょう?」
エリスが店に向かって歩きだそうとする。
「ちょ、ちょっとエリス、ダメです!」
慌てたポニーは顔を赤くしてエリスの前に立ちはだかり両腕を横に広げた。
「わたしもポニーに会いたい、言いたい事もある」
多貴と同じみたいな感じでちょっとワガママっぽい顔を浮かべるエリスだった。3人の中で一番年下なのに一番年上みたいに振る舞わねばならないホリー。
「エリス、今はダメです」
「どうして?」
「どうしてって……経緯とか事情はともかく、2人はデート中なんですよ? そういうのってジャマされたら腹が立つでしょう? ポニーってやさしいけど、ここは折り合いを着けましょう。せめてデートが終わって出てくるまでは待ちましょう、ね?」
まったく……この2人は子供ですか? なんて一瞬言いたくなるホリーがふぅっと呼吸する。そしてとりあえず待つって時間が流れ始める。
まず多貴にとってはとってもイライラさせられた。あの店の中に詩貴がいると思ったら、今すぐにでも突入したい。せめて一声くらい妹にかけたいと疼く。だから10分が30分ほどに感じてしまう。次にエリスだが、自分を城から追い出した妹と久しく顔を合わせたいと思う。言いたい事もあるのでおとなしくしているのがとても苦痛。
「早く敵とか来ないかなぁ」
こちら店の表出入り口に立つエンミ、なんかトラブルが起こって欲しいと思って止まない真っ最中。
「トラブルを望むなんて不謹慎!」
隣に立つイロミが呆れた顔をする。
「いやいやイロミ、トラブルはすばらしいチャンスでしょう。平和ボケしていたら成長できないじゃん。敵が現れそれを打ちのめしてこそ力が着くってもんでしょう。こんな門番だけで終わったらフラストレーションが溜まる」
エンミはほんとうに力を奮ってみたいと思っていた。それこそ適当に血を流すような戦いをしてみたいってキモチも抱いていた。だからして何にも起こらない時間流れを錆びつくようだと思ってイラつく。
(詩貴……)
多貴の胸中が揺れる。ホリーの手前ガマンだと思っても、やはり妹へのキモチが優先されるため、10分おきに意識が増大していく。それは体内から生物を吐き出したいような感覚へとつながっていく。
長い、長い、とにかく時間が長い。レストラン内にいる2人はどうかわからないが、外にいる面々の多くは時の流れを苦痛だと思うばかり。
そしてついに待っていた瞬間が来た。超々高級レストランの正面入口が開いた。そしてご満悦なポニーが最初に出てきて、少し遅れて詩貴が出てくる。ブルーグレードレスなんて格好は初見であるが、その顔や全体像にオーラは妹のモノ。だから多貴は離れ身をかくしている事も黙ってもいられなくなる。
「詩貴!」
建物から通りに出たあげく、前方にあるホテルへ向かって大声を出した。
「こら、バカ!」
慌てて多貴を引っ込めようとするホリーだったが、その手を振りほどいた多貴はまっすぐレストランに向かって歩き出す。
「うん?」
ポニーがまずピクッと反応。次に親衛隊の2人が反応。そして詩貴は今のは何? と、冷静なオーラにたっぷりと驚きを混ぜる。
「え?」
詩貴……マジでびっくり仰天。こちらに向かって歩いてくるモノのシルエットっていうのは、どう見ても自分より年下の少年。しかし月明かりによって見える部分というのが不思議となつかしい。それは現実離れしたモノであるから、魔法のワンシーンみたいに見えてならない。
「え? え? え?」
はげしくこんがらがる詩貴の意識。やってくる者を見て奇妙な感覚に激しく脳を揺さぶられていた。
「詩貴」
やや離れたところで立ち止まった者が名前を呼ぶ。月の明かりおよび周囲の街灯などによってハッキリ顔に全身が見える。
「お、お兄ちゃん?」
そう、それはまちがいなく過去の兄。以前の詩貴がこの世で一番かっこういいと信じて疑わなかった凛々しい多貴。
「あら、もしかして多貴?」
ポニーはグワーッと動き出しかけた親衛隊の2人と、大きな声を出したいって感じになりつつある詩貴の前に立つ。
「そうだ、詩貴の兄だ」
多貴が堂々と言ってみれば白いドレスのポニーはCカップの谷間に腕組みを当て愉快そうにつぶやく。
「へぇ~なるほどぉ、最初に会ったあのデブとちがって、ずいぶん可愛くて凛々しいじゃん。なるほどね、昔の詩貴がお兄ちゃん! とか言うのが分かるような気がしないでもない。でも多貴、若返ってまだそんなに時間経ってないよ? いきなりわたしと戦って勝てるとか思ってるの?」
するとここに慌ててホリーが横入りする。顔を赤らめお久しぶりですとポニーに挨拶し、次に急いで謝る。
「ごめんなさい! 来る予定ではなかったんです」
「いいわよ、だってわたしエリーもホリーもよく知ってる。そうよね、ホリーはかわいい上にウソがヘタッピー。すぐバレるのもここに多貴が来てしまうのも当然って気がする。でもいいのよ、食事は終わったし楽しかった。これが食前だったらこんなエレガントな態度はできなかったかもしれないけどね」
「ほんとうにごめんなさい、出直してきますから、今日はこれで」
ホリーは多貴を引っ張り回れ右白と小声で言う。ところが多貴が嫌がっているその横を、スーッとエリスが通り抜けていく。
「え、エリス……」
ジッとしていてくださいと言ったのにダメなのかよ! と思ったホリーの手から力が抜けてしまう。
「あ~ら、どこの誰かと思えば、根性無しのお姉ちゃんだ」
「ひさしぶりねポニー」
「久しぶり。で、何か用?」
「ポニーに言いたいと思って。わたしも強くなるために頑張ろうと思っている最中なの。だから以前よりはマシな女になるつもり」
姉がちょっと自信を持ったような顔で言うと、妹はえぇ……って呆れた顔をまったくか隠さない。
「今さら手遅れじゃないの? お金は一杯あるんだからさ、ムダな努力はしないで贅沢に暮せば?」
ポニーにとってはマジメなキモチだった。甘ったれな姉が心を入れ替えるなら、それは評価してもいいし城に呼び戻してもいいと思っている。だがこれまで散々につよくなる努力を放棄してきた姉が、突然自信ありみたいな顔をしてもシラけるだけと思ってしまう。その年齢から始めていきなり成長できるわけがないじゃんと、やや冷たくかわいく笑って見せる。
「ま、お姉ちゃんは弱いままでいいよ。もうとうの昔に期待なんか捨てちゃったよ。だから心だけ入れ替えればいいの。肉体的な強さなんかムリなんだから、弱くエレガントしか取り柄のない女でいればいいの。そんなことより……多貴、現れたはいいけど何をしたい? 妹を返せって言う?」
ふふふと笑うポニー、詩貴の横に立つとどこからともなく手錠を取り出した。それを自分の左手首にかけ周囲を一瞬おどろかせたら、さっと風みたいな速さで反対側を詩貴の手首にかけてしまう。
「わたしは詩貴を手放したくない。それでもよかったら奪い返せば?」
そう言ってからポニーはエンミの方を見る。特に何かを言ったわけではないが、軽くうなづくだけで内容はしっかり伝わったらしい。
「じゃぁ」
グイっと手錠付きの腕を動かし愛しの詩貴をムリヤリ馬車の中に連れて行く。そして多貴の前にはやる気マンマンのエンミが立つのだった。
「わたしが相手になる」
やっと戦いが出来る! と、不敵に笑うエンミ。それを見たホリーは慌てて横入りしようとする。しかし多貴は剣を取らなかった。詩貴を返せ! とか言って暴れるように思われたが、グッとひとつ息を飲んだ顔でこう言った。
「詩貴は行っちゃった。ここで戦っても詩貴を取り戻す事にならない。ムダな戦いはしない」
このセリフはホリーを感心させエンミを失望させる。
「はぁ? この展開で戦わないとかありえないでしょう。もしかして怖いの? だったらハンデでも着けてあげようか?」
挑発するエンミだったが多貴は乗らなかった。表に出さず声にもしなかったが、相手の方がつよいのだから余計戦うだけ損だって考えがあった。だからクルっと背中を向け退散とばかり歩き出す。
「こ、こらぁ、男のくせに格好悪いぞ!」
エンミが剣を光らせ怒りを顕にしたとき、その前にホリーが立つ。かわいく両手を合わせ今日はこれでカンベンして! とウインク。
「おまえ誰?」
「わたし? えっとエリーの妹とかだったりして」
「エリーの? だったら強いわけ?」
疑りと期待とコーフンがごちゃ混ぜスープって感じでエンミが身構える。仕方ないなぁという事でホリーも剣を取る。そして表情からスーッとにっこりって表現を消していった。すると浮かび上がるオーラも変わる。
「え?」
エンミが突然ギョッとした。それもそのはず向き合う相手がいきなり大きいとか重たいって風に見える。直感とかいうより本能が格のちがいっていうのを受け取り、心臓に緊張を与える。
「エンミ、どうしたの?」
固まるリーダーに苛ついたイロミが横から声をかけ、なんならわたしが行こうか? なんて勇ましい事を言う。
「ば、バカ、ムリムリ、イロミではムリ。こうなったらイタミを呼んできて、わたしとイタミで戦う」
「わかった」
2人のこのやり取りを見ていたホリー、誰かが来るわけ? しかも2対1で戦うの? と面倒くさそうな顔をする。この場は戦わず引かせて欲しいと思うので、裏口へ向かおうとするイロミを見てグッと深く構えてから、大きな声といっしょに気合をひとつぶっ放した。
「ジェットストリーム!」
ブン! と太い音がして見えない空気が歪んだ。そしてイロミの背中に当たったと思ったら打撲ではなく制服を切り裂くって現象を生んだ。
「あぅ!」
ドキッとしたイロミの色白むっちりなボディーが登場。Hカップってグラマーサイズブラの白い背面が浮かぶ。何を! と怒ったイロミが思わず振り返ると、ボワン! とフルカップのふくらみや谷間が揺れ動く。それを見たエンミは顔を赤くし、不本意ながら言わずにいられなかった。
「く……わかっているとはいえデカい……爆乳……」
そう言われたらイロミも顔を赤くし両腕で胸を隠ししゃがみ込んでしまった。そしてエンミがハッと気がつけば、ホリーはもう随分と離れたところにいる。多貴とエリスを引き連れ逃げながら、ごめんね! って感じで手を振っている姿が見えたりする。
「あぁクソ! 逃げられた……やり方間違えたかなぁ……わたしより先にイロミを出し、おっぱい要員って色気で引き付け打ちのめせばよかったのかなぁ」
悔しそうに腕組みをするエンミ。
「エンミ……なんか服を貸してよぉ」
立ち上がれずに困るイロミ。
「あ、あぁ……」
エンミは仕方なく制服のブレザーを貸してやる。そしてさすがエリーの妹と感心したり、今度会ったら多貴とは絶対戦わなきゃいけないなぁと思ってみたりするのだった。
「いやぁ、お疲れさん」
超々高級レストランからだいぶ離れたところで立ち止まる。暗い中で電気をつけ黙って仕事をしている自販機にお金を食わせると、3本のジュースを買い2人に渡してから自分もゴクゴクとやり、苦笑しながらつぶやく。
「後でお姉ちゃんから怒りのメールが来るだろうなぁ……」
それを聞いたら心苦しそうにエリスが謝った。久しぶりにポニーと話がしたいってキモチを抑えられなかったと言って申し訳なさそうに唇を噛む。
「いいんです、いいんです。元々バラしてしまったわたしが悪いんですから。それにわたしがエリスだったら、やっぱり黙ってられないですよね」
ニコっと笑ってエリスを許したホリー、その顔を今度は多貴に向ける。多貴はエリスとちがい、悪いことをしたと思っていない! と言いた気な顔をしている。
「多貴」
「なに?」
「あそこで戦わずに引いたのはえらい。今の時点ではあっちの方が上だったもんね。しかも戦って勝ったとしても妹を取り戻せるわけではない。そうそうムダな戦いはできるだけ避けるのも重要だよ」
言ったホリーの片目ウインクを見て、なんか言おうとしたけどタイミングを外してしまう多貴だった。でもその代わり……頭や胸の中は詩貴の事で埋め尽くされていく。
(詩貴……)
久しぶりに見た妹の顔とか全体に窶れみたいなモノはなかった。どういう生活をさせられているのかはわからないが、暗く冷たく辛いってモノではないだろうと思えたのを良しとする。そして一刻も早く詩貴を助け出したいと胸に誓う。
今宵ポニーはウッキウッキモードをまったく隠せなかった。白いドレスを身に纏い綺羅びやかにして3億円かけた馬車から下りる。すると後に続いてブルーグレードレスを着たというより着せられた詩貴が下りる。
「いやぁ、たまには場所を変えるだけでもいいもんだわぁ」
まぶしすぎる超々高級料理店を前に、周囲を召使いにガードさせながらうれしそうな声を出す。
「でも……お城のあの食堂より豪華なんてないでしょう? 別にここの店を借り切っても変わらないんじゃないかな?」
詩貴のそっけないセリフと表情にポニーはハァッとため息を落とす。一見クールに見える詩貴って女子はつまらないなぁと言いかける。でもまぁせっかくのデートだからって事で、ポンと肩を叩いて言う。
「詩貴」
「何?」
「若いのにオバさんみたいにならないで」
「お、オバさん……」
「人生はいちいちカンゲキして楽しむもんだよ。それが若さと美貌の秘訣だよ」
そして次にポニーは親衛隊の3人に声をかけた。食事が終わるまでおよそ2時間、しっかり警護するようにと。そこにエリーの姿がないのはあえて連れてこなかったのである。親衛隊の3人だけでやらせようって考えと同時に、エリーもたまには一人でゆっくりすればいいと思いやってのこと。
「まかせてください!」
3人の中でもっとも元気印なエンミは手を動かし敬礼した。そして2人プラス数人が中に入るとさっそく仲間2人に言った。
「この店の出入り口は前と後ろの2つだけ。前はわたしとイロミが守るから、イタミは後ろをよろしく」
それを聞いたイタミはちょっと怪訝な顔をする。てっきりイロミの世話を押し付けてくると思っていたからだ。
「今日はそんなに大した敵は来ないだろうってエリーから聞いた。わたしもそういう気がする。だからイロミにも出来るなら少しは活躍させたい。わたしだってあれだよ、イロミがキライってわけじゃないから、たまには面倒みなきゃいけないと思ってる。イタミだってたまには一人になりたいでしょう?」
「まぁ、それならそうさせてもらおう」
こうしてポニーと詩貴のデート時間は始まった。中でどういう料理を食べてどういう会話をしているのかわからないが、店の外には誰も入れまいとする親衛隊員が立っている。2人の食事が終わるまでは何人も入れないという任務を背負っているので、制服姿や表情には緊張感が立っている。
「あれが親衛隊かぁ」
ちょっと離れたところから夜でもばっちり見えるウルトラ高級双眼鏡を覗くホリーがつぶやいた。
「詩貴は? 詩貴は見える?」
ホリーの隣にいる多貴はウズウズしていた。とにかく妹を見たい。今はまだ奪還できないかもしれないが、見るくらいはさせて欲しいと心がジッとしていられない。
「ここからは正面しか見えないよ。それにあれ、横窓があってもカーテンで隠されているはず」
「ぅ……」
「ガマンだよ多貴、食事が終わって店から出てきたときに拝めばいいんだから」
ホリーは年下みたいな感情になっている多貴をなだめた。ところが今度はエリスがワガママっ子みたいな行動に出たがり始めた。
「わたしだったらちょっと挨拶してきてもいいでしょう?」
エリスが店に向かって歩きだそうとする。
「ちょ、ちょっとエリス、ダメです!」
慌てたポニーは顔を赤くしてエリスの前に立ちはだかり両腕を横に広げた。
「わたしもポニーに会いたい、言いたい事もある」
多貴と同じみたいな感じでちょっとワガママっぽい顔を浮かべるエリスだった。3人の中で一番年下なのに一番年上みたいに振る舞わねばならないホリー。
「エリス、今はダメです」
「どうして?」
「どうしてって……経緯とか事情はともかく、2人はデート中なんですよ? そういうのってジャマされたら腹が立つでしょう? ポニーってやさしいけど、ここは折り合いを着けましょう。せめてデートが終わって出てくるまでは待ちましょう、ね?」
まったく……この2人は子供ですか? なんて一瞬言いたくなるホリーがふぅっと呼吸する。そしてとりあえず待つって時間が流れ始める。
まず多貴にとってはとってもイライラさせられた。あの店の中に詩貴がいると思ったら、今すぐにでも突入したい。せめて一声くらい妹にかけたいと疼く。だから10分が30分ほどに感じてしまう。次にエリスだが、自分を城から追い出した妹と久しく顔を合わせたいと思う。言いたい事もあるのでおとなしくしているのがとても苦痛。
「早く敵とか来ないかなぁ」
こちら店の表出入り口に立つエンミ、なんかトラブルが起こって欲しいと思って止まない真っ最中。
「トラブルを望むなんて不謹慎!」
隣に立つイロミが呆れた顔をする。
「いやいやイロミ、トラブルはすばらしいチャンスでしょう。平和ボケしていたら成長できないじゃん。敵が現れそれを打ちのめしてこそ力が着くってもんでしょう。こんな門番だけで終わったらフラストレーションが溜まる」
エンミはほんとうに力を奮ってみたいと思っていた。それこそ適当に血を流すような戦いをしてみたいってキモチも抱いていた。だからして何にも起こらない時間流れを錆びつくようだと思ってイラつく。
(詩貴……)
多貴の胸中が揺れる。ホリーの手前ガマンだと思っても、やはり妹へのキモチが優先されるため、10分おきに意識が増大していく。それは体内から生物を吐き出したいような感覚へとつながっていく。
長い、長い、とにかく時間が長い。レストラン内にいる2人はどうかわからないが、外にいる面々の多くは時の流れを苦痛だと思うばかり。
そしてついに待っていた瞬間が来た。超々高級レストランの正面入口が開いた。そしてご満悦なポニーが最初に出てきて、少し遅れて詩貴が出てくる。ブルーグレードレスなんて格好は初見であるが、その顔や全体像にオーラは妹のモノ。だから多貴は離れ身をかくしている事も黙ってもいられなくなる。
「詩貴!」
建物から通りに出たあげく、前方にあるホテルへ向かって大声を出した。
「こら、バカ!」
慌てて多貴を引っ込めようとするホリーだったが、その手を振りほどいた多貴はまっすぐレストランに向かって歩き出す。
「うん?」
ポニーがまずピクッと反応。次に親衛隊の2人が反応。そして詩貴は今のは何? と、冷静なオーラにたっぷりと驚きを混ぜる。
「え?」
詩貴……マジでびっくり仰天。こちらに向かって歩いてくるモノのシルエットっていうのは、どう見ても自分より年下の少年。しかし月明かりによって見える部分というのが不思議となつかしい。それは現実離れしたモノであるから、魔法のワンシーンみたいに見えてならない。
「え? え? え?」
はげしくこんがらがる詩貴の意識。やってくる者を見て奇妙な感覚に激しく脳を揺さぶられていた。
「詩貴」
やや離れたところで立ち止まった者が名前を呼ぶ。月の明かりおよび周囲の街灯などによってハッキリ顔に全身が見える。
「お、お兄ちゃん?」
そう、それはまちがいなく過去の兄。以前の詩貴がこの世で一番かっこういいと信じて疑わなかった凛々しい多貴。
「あら、もしかして多貴?」
ポニーはグワーッと動き出しかけた親衛隊の2人と、大きな声を出したいって感じになりつつある詩貴の前に立つ。
「そうだ、詩貴の兄だ」
多貴が堂々と言ってみれば白いドレスのポニーはCカップの谷間に腕組みを当て愉快そうにつぶやく。
「へぇ~なるほどぉ、最初に会ったあのデブとちがって、ずいぶん可愛くて凛々しいじゃん。なるほどね、昔の詩貴がお兄ちゃん! とか言うのが分かるような気がしないでもない。でも多貴、若返ってまだそんなに時間経ってないよ? いきなりわたしと戦って勝てるとか思ってるの?」
するとここに慌ててホリーが横入りする。顔を赤らめお久しぶりですとポニーに挨拶し、次に急いで謝る。
「ごめんなさい! 来る予定ではなかったんです」
「いいわよ、だってわたしエリーもホリーもよく知ってる。そうよね、ホリーはかわいい上にウソがヘタッピー。すぐバレるのもここに多貴が来てしまうのも当然って気がする。でもいいのよ、食事は終わったし楽しかった。これが食前だったらこんなエレガントな態度はできなかったかもしれないけどね」
「ほんとうにごめんなさい、出直してきますから、今日はこれで」
ホリーは多貴を引っ張り回れ右白と小声で言う。ところが多貴が嫌がっているその横を、スーッとエリスが通り抜けていく。
「え、エリス……」
ジッとしていてくださいと言ったのにダメなのかよ! と思ったホリーの手から力が抜けてしまう。
「あ~ら、どこの誰かと思えば、根性無しのお姉ちゃんだ」
「ひさしぶりねポニー」
「久しぶり。で、何か用?」
「ポニーに言いたいと思って。わたしも強くなるために頑張ろうと思っている最中なの。だから以前よりはマシな女になるつもり」
姉がちょっと自信を持ったような顔で言うと、妹はえぇ……って呆れた顔をまったくか隠さない。
「今さら手遅れじゃないの? お金は一杯あるんだからさ、ムダな努力はしないで贅沢に暮せば?」
ポニーにとってはマジメなキモチだった。甘ったれな姉が心を入れ替えるなら、それは評価してもいいし城に呼び戻してもいいと思っている。だがこれまで散々につよくなる努力を放棄してきた姉が、突然自信ありみたいな顔をしてもシラけるだけと思ってしまう。その年齢から始めていきなり成長できるわけがないじゃんと、やや冷たくかわいく笑って見せる。
「ま、お姉ちゃんは弱いままでいいよ。もうとうの昔に期待なんか捨てちゃったよ。だから心だけ入れ替えればいいの。肉体的な強さなんかムリなんだから、弱くエレガントしか取り柄のない女でいればいいの。そんなことより……多貴、現れたはいいけど何をしたい? 妹を返せって言う?」
ふふふと笑うポニー、詩貴の横に立つとどこからともなく手錠を取り出した。それを自分の左手首にかけ周囲を一瞬おどろかせたら、さっと風みたいな速さで反対側を詩貴の手首にかけてしまう。
「わたしは詩貴を手放したくない。それでもよかったら奪い返せば?」
そう言ってからポニーはエンミの方を見る。特に何かを言ったわけではないが、軽くうなづくだけで内容はしっかり伝わったらしい。
「じゃぁ」
グイっと手錠付きの腕を動かし愛しの詩貴をムリヤリ馬車の中に連れて行く。そして多貴の前にはやる気マンマンのエンミが立つのだった。
「わたしが相手になる」
やっと戦いが出来る! と、不敵に笑うエンミ。それを見たホリーは慌てて横入りしようとする。しかし多貴は剣を取らなかった。詩貴を返せ! とか言って暴れるように思われたが、グッとひとつ息を飲んだ顔でこう言った。
「詩貴は行っちゃった。ここで戦っても詩貴を取り戻す事にならない。ムダな戦いはしない」
このセリフはホリーを感心させエンミを失望させる。
「はぁ? この展開で戦わないとかありえないでしょう。もしかして怖いの? だったらハンデでも着けてあげようか?」
挑発するエンミだったが多貴は乗らなかった。表に出さず声にもしなかったが、相手の方がつよいのだから余計戦うだけ損だって考えがあった。だからクルっと背中を向け退散とばかり歩き出す。
「こ、こらぁ、男のくせに格好悪いぞ!」
エンミが剣を光らせ怒りを顕にしたとき、その前にホリーが立つ。かわいく両手を合わせ今日はこれでカンベンして! とウインク。
「おまえ誰?」
「わたし? えっとエリーの妹とかだったりして」
「エリーの? だったら強いわけ?」
疑りと期待とコーフンがごちゃ混ぜスープって感じでエンミが身構える。仕方ないなぁという事でホリーも剣を取る。そして表情からスーッとにっこりって表現を消していった。すると浮かび上がるオーラも変わる。
「え?」
エンミが突然ギョッとした。それもそのはず向き合う相手がいきなり大きいとか重たいって風に見える。直感とかいうより本能が格のちがいっていうのを受け取り、心臓に緊張を与える。
「エンミ、どうしたの?」
固まるリーダーに苛ついたイロミが横から声をかけ、なんならわたしが行こうか? なんて勇ましい事を言う。
「ば、バカ、ムリムリ、イロミではムリ。こうなったらイタミを呼んできて、わたしとイタミで戦う」
「わかった」
2人のこのやり取りを見ていたホリー、誰かが来るわけ? しかも2対1で戦うの? と面倒くさそうな顔をする。この場は戦わず引かせて欲しいと思うので、裏口へ向かおうとするイロミを見てグッと深く構えてから、大きな声といっしょに気合をひとつぶっ放した。
「ジェットストリーム!」
ブン! と太い音がして見えない空気が歪んだ。そしてイロミの背中に当たったと思ったら打撲ではなく制服を切り裂くって現象を生んだ。
「あぅ!」
ドキッとしたイロミの色白むっちりなボディーが登場。Hカップってグラマーサイズブラの白い背面が浮かぶ。何を! と怒ったイロミが思わず振り返ると、ボワン! とフルカップのふくらみや谷間が揺れ動く。それを見たエンミは顔を赤くし、不本意ながら言わずにいられなかった。
「く……わかっているとはいえデカい……爆乳……」
そう言われたらイロミも顔を赤くし両腕で胸を隠ししゃがみ込んでしまった。そしてエンミがハッと気がつけば、ホリーはもう随分と離れたところにいる。多貴とエリスを引き連れ逃げながら、ごめんね! って感じで手を振っている姿が見えたりする。
「あぁクソ! 逃げられた……やり方間違えたかなぁ……わたしより先にイロミを出し、おっぱい要員って色気で引き付け打ちのめせばよかったのかなぁ」
悔しそうに腕組みをするエンミ。
「エンミ……なんか服を貸してよぉ」
立ち上がれずに困るイロミ。
「あ、あぁ……」
エンミは仕方なく制服のブレザーを貸してやる。そしてさすがエリーの妹と感心したり、今度会ったら多貴とは絶対戦わなきゃいけないなぁと思ってみたりするのだった。
「いやぁ、お疲れさん」
超々高級レストランからだいぶ離れたところで立ち止まる。暗い中で電気をつけ黙って仕事をしている自販機にお金を食わせると、3本のジュースを買い2人に渡してから自分もゴクゴクとやり、苦笑しながらつぶやく。
「後でお姉ちゃんから怒りのメールが来るだろうなぁ……」
それを聞いたら心苦しそうにエリスが謝った。久しぶりにポニーと話がしたいってキモチを抑えられなかったと言って申し訳なさそうに唇を噛む。
「いいんです、いいんです。元々バラしてしまったわたしが悪いんですから。それにわたしがエリスだったら、やっぱり黙ってられないですよね」
ニコっと笑ってエリスを許したホリー、その顔を今度は多貴に向ける。多貴はエリスとちがい、悪いことをしたと思っていない! と言いた気な顔をしている。
「多貴」
「なに?」
「あそこで戦わずに引いたのはえらい。今の時点ではあっちの方が上だったもんね。しかも戦って勝ったとしても妹を取り戻せるわけではない。そうそうムダな戦いはできるだけ避けるのも重要だよ」
言ったホリーの片目ウインクを見て、なんか言おうとしたけどタイミングを外してしまう多貴だった。でもその代わり……頭や胸の中は詩貴の事で埋め尽くされていく。
(詩貴……)
久しぶりに見た妹の顔とか全体に窶れみたいなモノはなかった。どういう生活をさせられているのかはわからないが、暗く冷たく辛いってモノではないだろうと思えたのを良しとする。そして一刻も早く詩貴を助け出したいと胸に誓う。
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彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
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