46 / 46
一件落着・めでたし、めでたし!
しおりを挟む
46・一件落着
ポニーはまず詩貴を多貴に返した。その次には長いこと城の一室に閉じ込めていた母を解放した。そしてあげくには姉のエリスを城に呼び戻す。とりあえずスッキリしたというおだやかな表情が一件落着を物語っている。
「やっと帰れる」
若返りが解けデブに戻った多貴がつぶやく。この世界と自分たちの世界を結ぶトンネルがある部屋にてぽっかり空いた穴を見つめる。
「ここに入ればこの世界に飛ばされた直後の時間に、自分たちの世界に戻れるはず。いまはそういう風にセッティングしてあるから、信じて飛び込むべし」
言いながらホリーがでっかい脚立を召使たちに運ばせてきた。これを利用し穴の中に入れば向こう側にいける。今のところ向こう側の穴はグランド内にあるものの、近いうちに多貴の部屋に移動させる予定だったりする。
「多貴、気をつけて」
まず最初にエリスが数歩進んで多貴を見た。若返りという手段を使いはしたものの、すごいスピードで成長する多貴の姿を目にしたのはいいモノだったよと顔を赤らめた後、あのかっこう多貴にもう一度会えるよね? なんて言ったりする。
「ぼくはこのみっともない見た目を終わらせる。本気で努力して、ほんとうだったら多貴はこういう男! って姿になる。もちろん外側だけのことじゃなく中身も」
そんな2人のすぐ隣では、詩貴がポニーに今度はこっちの世界に来たらいいとか、2人で遊びに行こうとか伝える。
「ま、まぁ詩貴がわたしに会いたいって言うなら行ってあげるけど」
「うん、いつでも来て、待ってる」
そう言われたらポニーの顔がトロっと赤らむ。これでめでたくハッピーエンドと、多貴がでかい脚立に上がろうとしたとき、ホリーが姉の横に立って言った。
「ほらお姉ちゃん、いまここで言わないと」
「で、でも……」
「しっかりしろエリー!」
バン! と背中を叩いてつよく押す。すると赤い顔のエリーがよろよろっと動いて多貴にぶつかる。
「うん?」
多貴が振り返ればそこには顔を赤くしたエリーがいる。ググっと胸の内に沸く緊張を隠せないって色合いだから、多貴は脚立上りを中断しエリーと向かい合う。
「多貴……」
「な、なに?」
「わ、わ、わたしも、ごくたまに……そっちの世界へ遊びに行ってもいいかな?」
「べ、べつにいいと思うけど」
「そ、そう……だ、だけど多貴……」
「はい……」
「1年くらいは待つ。その1年くらいであのかっこういい多貴の成長って姿になって。そうしたらわたしが持ってしまった恥ずかしさが報われる。もし1年くらい経っても変わらなかったら、その見苦しい姿のままだったら……そのときはわたしに斬られても仕方ないと思って」
「わかった、本気で死ぬ気で一生懸命がんばるよ」
ぎくしゃくして固い感じの2人が共に顔を赤くして見つめ合う。それを見たらもっと楽しくやれよ! と言いたくなったので、ホリーはエリーの横に立ちにっこりして多貴に言うのだった。
「多貴、お姉ちゃんってこう見て純情派。しかもおっぱいが大きい巨乳! これ絶対お得品。だから絶対にゲットしてたのしまないとね」
「こ、こらホリー、おまえは……」
「あぅん、多貴、たすけて!」
こんな風に和気藹々なフンイキを過ごしてから、多貴と詩貴は穴の中に入っていく。ひとまずの冒険を終了させ、元の平穏な世界へと帰っていく。それは異世界との交流開始であり、新しい物語の始まりでもあった。
ポニーはまず詩貴を多貴に返した。その次には長いこと城の一室に閉じ込めていた母を解放した。そしてあげくには姉のエリスを城に呼び戻す。とりあえずスッキリしたというおだやかな表情が一件落着を物語っている。
「やっと帰れる」
若返りが解けデブに戻った多貴がつぶやく。この世界と自分たちの世界を結ぶトンネルがある部屋にてぽっかり空いた穴を見つめる。
「ここに入ればこの世界に飛ばされた直後の時間に、自分たちの世界に戻れるはず。いまはそういう風にセッティングしてあるから、信じて飛び込むべし」
言いながらホリーがでっかい脚立を召使たちに運ばせてきた。これを利用し穴の中に入れば向こう側にいける。今のところ向こう側の穴はグランド内にあるものの、近いうちに多貴の部屋に移動させる予定だったりする。
「多貴、気をつけて」
まず最初にエリスが数歩進んで多貴を見た。若返りという手段を使いはしたものの、すごいスピードで成長する多貴の姿を目にしたのはいいモノだったよと顔を赤らめた後、あのかっこう多貴にもう一度会えるよね? なんて言ったりする。
「ぼくはこのみっともない見た目を終わらせる。本気で努力して、ほんとうだったら多貴はこういう男! って姿になる。もちろん外側だけのことじゃなく中身も」
そんな2人のすぐ隣では、詩貴がポニーに今度はこっちの世界に来たらいいとか、2人で遊びに行こうとか伝える。
「ま、まぁ詩貴がわたしに会いたいって言うなら行ってあげるけど」
「うん、いつでも来て、待ってる」
そう言われたらポニーの顔がトロっと赤らむ。これでめでたくハッピーエンドと、多貴がでかい脚立に上がろうとしたとき、ホリーが姉の横に立って言った。
「ほらお姉ちゃん、いまここで言わないと」
「で、でも……」
「しっかりしろエリー!」
バン! と背中を叩いてつよく押す。すると赤い顔のエリーがよろよろっと動いて多貴にぶつかる。
「うん?」
多貴が振り返ればそこには顔を赤くしたエリーがいる。ググっと胸の内に沸く緊張を隠せないって色合いだから、多貴は脚立上りを中断しエリーと向かい合う。
「多貴……」
「な、なに?」
「わ、わ、わたしも、ごくたまに……そっちの世界へ遊びに行ってもいいかな?」
「べ、べつにいいと思うけど」
「そ、そう……だ、だけど多貴……」
「はい……」
「1年くらいは待つ。その1年くらいであのかっこういい多貴の成長って姿になって。そうしたらわたしが持ってしまった恥ずかしさが報われる。もし1年くらい経っても変わらなかったら、その見苦しい姿のままだったら……そのときはわたしに斬られても仕方ないと思って」
「わかった、本気で死ぬ気で一生懸命がんばるよ」
ぎくしゃくして固い感じの2人が共に顔を赤くして見つめ合う。それを見たらもっと楽しくやれよ! と言いたくなったので、ホリーはエリーの横に立ちにっこりして多貴に言うのだった。
「多貴、お姉ちゃんってこう見て純情派。しかもおっぱいが大きい巨乳! これ絶対お得品。だから絶対にゲットしてたのしまないとね」
「こ、こらホリー、おまえは……」
「あぅん、多貴、たすけて!」
こんな風に和気藹々なフンイキを過ごしてから、多貴と詩貴は穴の中に入っていく。ひとまずの冒険を終了させ、元の平穏な世界へと帰っていく。それは異世界との交流開始であり、新しい物語の始まりでもあった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
花鳥見聞録
木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる