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二章
九幕『訣別の時』
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──フォールは異常な速度で自分のテリトリーに侵入してきたアルテミスを排除しようと、死角をついて足元から杭を出そうとするが。
「……ぬぅッ‼」
一瞬にしてフォールの心臓に二本の聖剣が交差して突き刺さる。突然の出来事に、フォールは瞠目することしかできない。
「悪辣なる下郎め、地の底まで堕ちるがいい‼」
右に立つアルトリウスは声を荒げ、聖剣を振り上げて心臓部から肩までを斬り裂く。
「邪悪な魔導士め、我が憎しみの刃を受けるがいい‼」
左に立つガウェインは声を荒げ、聖剣を振り下げて心臓部から腰までを斬り裂いく。
袈裟切りの形となったフォールは二人の騎士の姿を目視し、ようやく事態が深刻になっていたことに気づいた。
(──神よ! 我らでは守り切れませぬ!)
己が主に念話を飛ばし、二等分になったフォールは全身を数多の百足に変換して態勢を立て直すために洞窟の奥へ足早に逃げ去った。
「王よ! 我らは奴を追います!」
「分かりました! 卿らも油断なさらぬように!」
アルトリウスは後方のアルテミスにそう告げ、了承を得るなりガウェインと共に百足が逃げていった洞窟の奥へ走っていった。
「キィィイイイ‼」
体の中心から新たに生えてきた百足がモードレッドを再起させる。対し、傷だらけのウェスタを抱えたアルテミスはモードレッドに向かい合った。両手が塞がっている状態では当然聖剣を抜くことができない。
「……あ、るてみす……」
「今は口を開かずともよいですよ。どうぞ、回復に専念していてください」
かと言って現状のウェスタから目を離すことができるわけもなく、彼女が魔法による自己再生で動けるようになるまではとある戦法を取ることにしていた。
「キシャアアアア‼」
ウェスタに勝るとも劣らぬスピードでモードレッドが背後に回り込もうとする。
「【告げる。聖なる輝きの名の下に、敵を殲滅せよ】」
アルテミスの詠唱により、その上空に五本の輝ける小剣が顕現する。剣尖はモードレッドに焦点を合わせて指示を待つ。
「【神聖なる小剣】!」
一斉に放たれた小剣は二本が大剣で払い落とされたが三本が百足に命中した。百足は苦し気な鳴き声を上げたものの、モードレッドの突進は止まらない。
(……やはり、モードレッド卿の制限を解除しているようですね)
人間とは無意識のうちに脳が全力を出せないように常に制御がかけられている。恐らく百足はモードレッドの無意識にかけられていた制限を解除し、肉体の限界突破を強行しているのだろう。アルカヌムにいた頃とは比にならないほどステータスが飛躍的に向上していた。
「……ならば、貴女の技を真似させてもらいますよ」
両手が塞がっている状態のアルテミスでは今のモードレッドには敵わないだろう。しかしウェスタの回復量は凄まじく、後数分もしない内に身を護れるくらいには回復してくれるだろう。恐らく聖剣さえ握れれば、正面からの斬り合いで負けることはない。
「【戦の女神よ。汝の僕がここに希う。目下、円環を逸し邪悪との対峙。守護に求むるは其の至上の片割れなり】」
その詠唱は、神界において戦いを司ると言われる女神アテネに向けて綴られている。この瞬間、アルテミスはアテネと契約しているのだ。必ずや邪悪より彼女を護ると。
「【今一度汝の盾を我が身に下ろし、愛しき輩を護らせ給え】!」
あらゆる災厄と邪悪を跳ねのける至上の防具。アルテミスはアテネにその盾の顕現を希う。
「【貴女を護りし、我が誓いの偽盾】!」
アルテミスの眼前に魔力が働き、不可視の結界が構築されていく。それは認可され、正式な形として顕現しようとも偽りに過ぎない。故に魔力消費は激しく、永遠に留めて置くことはできない。されども敵が邪悪である限り、この盾が破壊されることも永遠にない。
「──ッ!」
アルテミスの前方で飛躍したモードレッドが大剣を振り下ろした。しかし、大剣は不可視の【アイギス】に阻まれる。理解が追い付かないモードレッドは空中で身を捻り、右足を鞭のようにして蹴撃を試みた。だがやはり攻撃は通らず、アルテミスにも一切の衝撃は伝わっていない。自棄になって頭突きをしてみるが、モードレッドの額が切れて血が出ただけの結果に終わった。
完全防御の盾を前に、モードレッドに寄生する百足は一度引いて思考を巡らせることにした。
「……アルテミス」
「──⁉ ウェスタ! ……ああ、よかった。傷はいくらか楽になったようですね」
腕の中から聞こえてきた声にアルテミスは安堵する。顔色もいくらかよくなっており、身体中の出血は止まっていた。するとウェスタは自らアルテミスの腕を下り、遠方のモードレッドを見据えた。
「なっ⁉ ダメです、ウェスタ! どうかまだ安静にしてください!」
「……だめなの。モードレッドは、私がやってあげなくちゃ……」
「それは、どういう……」
困惑するアルテミスを【アイギス】の結界内に残し、ウェスタは自身の宝剣を取りに行く。地面に落ちていた宝剣を手にしたウェスタは、その剣尖をモードレッドに突きつけた。
「いけません、ウェスタ! 無理をすれば傷口が開いてしまいます!」
「うん。……でも、アルテミスにやらせるわけにはいかない」
モードレッドから出る百足の視線がウェスタへ移った。
「……私、まだモードレッドの気持ちに答えられてないから」
結局、好意の有無に関しては聞きそびれてしまった。けれども伝える機会がなかっただけで、実はモードレッドが自分をそのように思っていてくれていたことには何となく気づいていた。それはもしかすると、全部ウェスタの勘違いかもしれない。それならウェスタが悶々と付き合い方に苦悶することはなかっただろう。裏庭に呼び出してアルテミスとの関係を打ち明けようか、しかしそれをしてアルテミスの威厳とか諸々に影響を与えてしまわないかなど眠れなかった日もあったのだ。
「……ね、モードレッド」
けれど、伝えるべき言葉はもう届かない。言葉を交わすこともできなくなってしまった。今は蟲に体を、意思を奪われて苦しんでいる。なれば、友として幕を下ろしてあげるべきだ。
「今日が、最後の勝負になるね」
在りし日々が脳裡に浮かぶ度、ウェスタは涙が零れそうになるのを堪えた。今告げた言葉も、モードレッドに聞こえていないことは承知している。ただ、訣別として言わねばならなかった。
百足は既にアルテミスを度外視していた。確実に攻撃が届くウェスタ一点に狙いを定め、モードレッドの体を酷使する。リミッターを外している影響により、肉が裂けて血が噴き出ている箇所もあるが、痛覚を遮断している百足は意に介さない。
アルテミスはウェスタを見守ることしかできなかった。これはウェスタとモードレッドの最後の死合。そこに水を差すようなことをすれば、ウェスタとてアルテミスを許しはしないだろう。それが分かっているアルテミスは、仮令無理をしているウェスタが吐血しようとも心配を口に出すことをしない。胸の前で手を合わせ、ウェスタの無事をひたすら祈る。そして二人の最後の死合、その最後の観戦者となる。
「決着をつけよう、モードレッド」
祖国に叛逆した後、アルカヌムに尽くした友の無念を晴らすため、ウェスタは決着を望む。
死んでいった数多の仲間の魂が、剣を握るウェスタを勝利へ導くために顕現する。それはさながら、煌めく星屑のカーテンをドレスにしているかのようだった。
「──行くよ」
ウェスタとモードレッドが同時に踏み込み【クラレント】と【スターダスト・アイテール】が衝突する。瞬きも許されない極限の瞬間。
(……見つけた)
初めてモードレッドを見た時、とても乱暴な少年だと思った。アルテミスは彼の実力のみを認めて四星騎士としての称号を与えたが、騎士とはとても思えない言動にウェスタは不服だった。
そんな事を常に思っていれば、やがてモードレッドと対決することになるのは必然だ。彼を認めたくなかった……アルテミスが気にかけていたことを妬んだウェスタは一騎打ちを申し込んだ。結果はウェスタの勝利に終わったが、アルトリウスやガウェインとは違う荒々しい業、しかしモードレッドの剣には強さがあった。熾烈なだけで、彼の中に信念はあったのだ。
以来、生来の負けず嫌いであるモードレッドとは幾たびも剣を交えた。それはウェスタにとって、初めてアルテミスと過ごす時間以外で楽しいと思える時間だった。
「──ありがとう。モードレッド」
閃光が弾ける。二人は剣を振り切っていた。
「……」
モードレッドが膝から崩れ落ちる。同時に、穿たれた心臓が血の噴水を上げた。
あの刹那でモードレッドの隙を見つけたウェスタは、大剣を空中へ弾き飛ばした。本来心臓を隙として晒す人間はいないが、モードレッドに寄生する百足は自身を『いくらでも湧き出る不死身の存在』として認識していたためにウェスタの攻撃を顧みなかったのだ。それこそが敗北の原因。ウェスタはモードレッドの心臓を穿つと共に、速攻魔法にてモードレッドの体内を焼き払った。
結果、百足は卵諸共巣を破壊され、増殖が停止したことで死滅した。
最期に言葉が交わせるかもしれない、という期待は空振りに終わった。そもそも喋る器官を全て燃やしたのは自分だ。微かな希望より、確実な死を取らねばならなかった。
「……さよなら、モードレッド」
ウェスタがそう呟くと同時、モードレッドは地に倒れた。
「……ぬぅッ‼」
一瞬にしてフォールの心臓に二本の聖剣が交差して突き刺さる。突然の出来事に、フォールは瞠目することしかできない。
「悪辣なる下郎め、地の底まで堕ちるがいい‼」
右に立つアルトリウスは声を荒げ、聖剣を振り上げて心臓部から肩までを斬り裂く。
「邪悪な魔導士め、我が憎しみの刃を受けるがいい‼」
左に立つガウェインは声を荒げ、聖剣を振り下げて心臓部から腰までを斬り裂いく。
袈裟切りの形となったフォールは二人の騎士の姿を目視し、ようやく事態が深刻になっていたことに気づいた。
(──神よ! 我らでは守り切れませぬ!)
己が主に念話を飛ばし、二等分になったフォールは全身を数多の百足に変換して態勢を立て直すために洞窟の奥へ足早に逃げ去った。
「王よ! 我らは奴を追います!」
「分かりました! 卿らも油断なさらぬように!」
アルトリウスは後方のアルテミスにそう告げ、了承を得るなりガウェインと共に百足が逃げていった洞窟の奥へ走っていった。
「キィィイイイ‼」
体の中心から新たに生えてきた百足がモードレッドを再起させる。対し、傷だらけのウェスタを抱えたアルテミスはモードレッドに向かい合った。両手が塞がっている状態では当然聖剣を抜くことができない。
「……あ、るてみす……」
「今は口を開かずともよいですよ。どうぞ、回復に専念していてください」
かと言って現状のウェスタから目を離すことができるわけもなく、彼女が魔法による自己再生で動けるようになるまではとある戦法を取ることにしていた。
「キシャアアアア‼」
ウェスタに勝るとも劣らぬスピードでモードレッドが背後に回り込もうとする。
「【告げる。聖なる輝きの名の下に、敵を殲滅せよ】」
アルテミスの詠唱により、その上空に五本の輝ける小剣が顕現する。剣尖はモードレッドに焦点を合わせて指示を待つ。
「【神聖なる小剣】!」
一斉に放たれた小剣は二本が大剣で払い落とされたが三本が百足に命中した。百足は苦し気な鳴き声を上げたものの、モードレッドの突進は止まらない。
(……やはり、モードレッド卿の制限を解除しているようですね)
人間とは無意識のうちに脳が全力を出せないように常に制御がかけられている。恐らく百足はモードレッドの無意識にかけられていた制限を解除し、肉体の限界突破を強行しているのだろう。アルカヌムにいた頃とは比にならないほどステータスが飛躍的に向上していた。
「……ならば、貴女の技を真似させてもらいますよ」
両手が塞がっている状態のアルテミスでは今のモードレッドには敵わないだろう。しかしウェスタの回復量は凄まじく、後数分もしない内に身を護れるくらいには回復してくれるだろう。恐らく聖剣さえ握れれば、正面からの斬り合いで負けることはない。
「【戦の女神よ。汝の僕がここに希う。目下、円環を逸し邪悪との対峙。守護に求むるは其の至上の片割れなり】」
その詠唱は、神界において戦いを司ると言われる女神アテネに向けて綴られている。この瞬間、アルテミスはアテネと契約しているのだ。必ずや邪悪より彼女を護ると。
「【今一度汝の盾を我が身に下ろし、愛しき輩を護らせ給え】!」
あらゆる災厄と邪悪を跳ねのける至上の防具。アルテミスはアテネにその盾の顕現を希う。
「【貴女を護りし、我が誓いの偽盾】!」
アルテミスの眼前に魔力が働き、不可視の結界が構築されていく。それは認可され、正式な形として顕現しようとも偽りに過ぎない。故に魔力消費は激しく、永遠に留めて置くことはできない。されども敵が邪悪である限り、この盾が破壊されることも永遠にない。
「──ッ!」
アルテミスの前方で飛躍したモードレッドが大剣を振り下ろした。しかし、大剣は不可視の【アイギス】に阻まれる。理解が追い付かないモードレッドは空中で身を捻り、右足を鞭のようにして蹴撃を試みた。だがやはり攻撃は通らず、アルテミスにも一切の衝撃は伝わっていない。自棄になって頭突きをしてみるが、モードレッドの額が切れて血が出ただけの結果に終わった。
完全防御の盾を前に、モードレッドに寄生する百足は一度引いて思考を巡らせることにした。
「……アルテミス」
「──⁉ ウェスタ! ……ああ、よかった。傷はいくらか楽になったようですね」
腕の中から聞こえてきた声にアルテミスは安堵する。顔色もいくらかよくなっており、身体中の出血は止まっていた。するとウェスタは自らアルテミスの腕を下り、遠方のモードレッドを見据えた。
「なっ⁉ ダメです、ウェスタ! どうかまだ安静にしてください!」
「……だめなの。モードレッドは、私がやってあげなくちゃ……」
「それは、どういう……」
困惑するアルテミスを【アイギス】の結界内に残し、ウェスタは自身の宝剣を取りに行く。地面に落ちていた宝剣を手にしたウェスタは、その剣尖をモードレッドに突きつけた。
「いけません、ウェスタ! 無理をすれば傷口が開いてしまいます!」
「うん。……でも、アルテミスにやらせるわけにはいかない」
モードレッドから出る百足の視線がウェスタへ移った。
「……私、まだモードレッドの気持ちに答えられてないから」
結局、好意の有無に関しては聞きそびれてしまった。けれども伝える機会がなかっただけで、実はモードレッドが自分をそのように思っていてくれていたことには何となく気づいていた。それはもしかすると、全部ウェスタの勘違いかもしれない。それならウェスタが悶々と付き合い方に苦悶することはなかっただろう。裏庭に呼び出してアルテミスとの関係を打ち明けようか、しかしそれをしてアルテミスの威厳とか諸々に影響を与えてしまわないかなど眠れなかった日もあったのだ。
「……ね、モードレッド」
けれど、伝えるべき言葉はもう届かない。言葉を交わすこともできなくなってしまった。今は蟲に体を、意思を奪われて苦しんでいる。なれば、友として幕を下ろしてあげるべきだ。
「今日が、最後の勝負になるね」
在りし日々が脳裡に浮かぶ度、ウェスタは涙が零れそうになるのを堪えた。今告げた言葉も、モードレッドに聞こえていないことは承知している。ただ、訣別として言わねばならなかった。
百足は既にアルテミスを度外視していた。確実に攻撃が届くウェスタ一点に狙いを定め、モードレッドの体を酷使する。リミッターを外している影響により、肉が裂けて血が噴き出ている箇所もあるが、痛覚を遮断している百足は意に介さない。
アルテミスはウェスタを見守ることしかできなかった。これはウェスタとモードレッドの最後の死合。そこに水を差すようなことをすれば、ウェスタとてアルテミスを許しはしないだろう。それが分かっているアルテミスは、仮令無理をしているウェスタが吐血しようとも心配を口に出すことをしない。胸の前で手を合わせ、ウェスタの無事をひたすら祈る。そして二人の最後の死合、その最後の観戦者となる。
「決着をつけよう、モードレッド」
祖国に叛逆した後、アルカヌムに尽くした友の無念を晴らすため、ウェスタは決着を望む。
死んでいった数多の仲間の魂が、剣を握るウェスタを勝利へ導くために顕現する。それはさながら、煌めく星屑のカーテンをドレスにしているかのようだった。
「──行くよ」
ウェスタとモードレッドが同時に踏み込み【クラレント】と【スターダスト・アイテール】が衝突する。瞬きも許されない極限の瞬間。
(……見つけた)
初めてモードレッドを見た時、とても乱暴な少年だと思った。アルテミスは彼の実力のみを認めて四星騎士としての称号を与えたが、騎士とはとても思えない言動にウェスタは不服だった。
そんな事を常に思っていれば、やがてモードレッドと対決することになるのは必然だ。彼を認めたくなかった……アルテミスが気にかけていたことを妬んだウェスタは一騎打ちを申し込んだ。結果はウェスタの勝利に終わったが、アルトリウスやガウェインとは違う荒々しい業、しかしモードレッドの剣には強さがあった。熾烈なだけで、彼の中に信念はあったのだ。
以来、生来の負けず嫌いであるモードレッドとは幾たびも剣を交えた。それはウェスタにとって、初めてアルテミスと過ごす時間以外で楽しいと思える時間だった。
「──ありがとう。モードレッド」
閃光が弾ける。二人は剣を振り切っていた。
「……」
モードレッドが膝から崩れ落ちる。同時に、穿たれた心臓が血の噴水を上げた。
あの刹那でモードレッドの隙を見つけたウェスタは、大剣を空中へ弾き飛ばした。本来心臓を隙として晒す人間はいないが、モードレッドに寄生する百足は自身を『いくらでも湧き出る不死身の存在』として認識していたためにウェスタの攻撃を顧みなかったのだ。それこそが敗北の原因。ウェスタはモードレッドの心臓を穿つと共に、速攻魔法にてモードレッドの体内を焼き払った。
結果、百足は卵諸共巣を破壊され、増殖が停止したことで死滅した。
最期に言葉が交わせるかもしれない、という期待は空振りに終わった。そもそも喋る器官を全て燃やしたのは自分だ。微かな希望より、確実な死を取らねばならなかった。
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