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二章
十一幕『来訪者との対峙』
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「……行きましょう、ウェスタ。モードレッド卿は逝きました」
「……うん」
アルテミスの手を借りたウェスタは、生まれたての小鹿のように立ち上がる。本当はここで、モードレッドの亡骸の前でずっと泣いていたい。しかし先行したアルトリウスとガウェインに加勢するためにも追わなければならないのだ。ここは敵の本拠地といって差し支えない。先ほどのグウィンのように奇襲を受けることもあるのだ。
故にウェスタはなけなしの気合で立ち上がる。モードレッドの無念、必ずフォールに償わせてやらねばならない。
「……行こう、アルテミス」
左目から零れた最後の一滴を拭い、ウェスタは前を向いた。
「──っ!」
「ウェスタ、どうしましたか⁉」
突如包帯に包まれた右目の奥に疼きを覚え、ウェスタは目眩に襲われた。まるで潰れた右目が何かに共鳴しているようだった。
「……く、る……!」
ウェスタは接近してくるそれを感知し、疼きに堪えながら宝剣を構える。アルテミスもその存在に気づき、ウェスタより一歩前に歩み出て聖剣を抜いた。
「……なんだ。二人いるとは想定外だな」
奥の暗闇からのっそりと亡霊の如く現れた男は、不思議な風体をしていた。
その衣装は東国と呼ばれるこの世界で最東端に位置する、独自の文化を確立している国だ。男が着用しているものは『キモノ』という東国在来の衣服であり、その腰には人間が製造する中で世界最高の強度と切れ味を持つと謳われている打刀を差している。『キモノ』の上に羽織った外套は、男のぼさぼさに伸びた黒髪と鷹のように鋭い目つきが相まって一段と不気味に見せていた。
そしてウェスタとの共通点が一つ。男の右目はウェスタと同じく一文字が刻まれ、開いていなかった。
「悪いな。どうも俺の近くにいるやつは何でか傷が疼くらしい」
右目を押さえているウェスタを見つめた男はそう言い放ち、腰の打刀を抜いた。
「……金髪と黒髪の騎士が先へ向かっている。貴様は二人を殺してきたのか?」
高圧的なアルテミスの問いかけに怯む様子をみせない男は、鼻で笑い飛ばして首を振った。
「いや、あのごっつい二人は見送った。……俺が戦いたかったのは、そこのあんただからな」
切っ先でウェスタを差した男は、舌なめずりをして挑発的に振る舞った。アルテミスは湧き出る憤怒を抑制し、ウェスタを男から庇うように前に出る。
「貴様の相手は私が務めよう」
しかしそれを受けた男は首を振ってアルテミスの申し出を拒絶した。
「おいおい、冗談はよしてくれ。俺はただそこの副団長さんと戦いたいだけだ。……それに、俺は手前に勝てないのは自明の理だろ? 頼むから譲ってくれよ」
「ほう、ウェスタを軽んじているのか。だが、負傷しているとはいえ貴様程度ではウェスタに一太刀浴びせることすらかなうかどうか」
一瞬で敵意が雲散した男に向かい、アルテミスも警戒を緩めた。無論登場時は不気味な雰囲気に気圧されて怯んだが、その寒気もすぐに収まった。
何故なら、この男は強くないのだ。それは今までの経験から来る直感だったが、アルテミスは確信に近いものを抱いていた。
「……いいでしょう。その申し出、お受けします」
ウェスタは疼きを紛らわせるために残っている右手で宝剣をより強く握りしめる。その反応を見た男はにたりと不敵に笑い、再び切っ先をウェスタへ向けた。
「ウェスタ! 貴女はまだ傷が……」
「いいの、アルテミス。彼は正々堂々勝負してくれるよ。何となくだけど、分かるんだ。……彼は、戦うことだけを生き甲斐にしてる戦闘狂なんだ」
モードレッドも似たような性格であった。ひたすら強い敵と剣を交え、打ち破り、己を高めていきたいという欲求を持つ戦士は珍しくない。ウェスタの剣の腕は騎士団内でも随一で、世界に広くその名は知れ渡っている。眼前の男もまた、己の業がどこまで通じるかを確かめてみたいのだ。それに答える義理はないが、ウェスタは腕と目を失ったことでどれほど自身の立ち回りが難しくなったかを把握してみようと思い、一騎打ちを承諾した。
(……でも本当は、貴女は彼にモードレッド卿の名残を投影しているだけなのです)
その事実にアルテミスだけが気づいていた。当のウェスタは目を逸らし、それらしい理由を口実にしているに過ぎない。
「……ああ。この世界に来てから何度か死に目に遭ってきたが……どうやら今日が俺の正真正銘の命日になるな、これは」
「その言い方だと、まるで昔は別の世界にいたかのように聞こえますが……?」
「実際いたんだが、証明することはできない。日本史じゃなく物理を専攻してれば、未知の科学技術をもたらす、なんて面白そうなことができたんだがな……。生憎、俺が持ってたのは漠然とした外装の情報のみで、再現できるほどの知識はなかったんだよ」
哀愁を漂わせる言動をウェスタは訝しんだが、それも些細なことだろうと思考から切り離す。男がもし本当に異世界からやってきたとなれば詳しい話を聞いてみたかったが、それは向こうが拒否するだろう。
男が求めているのは殺し合いであり、想い出話を共有する団欒ではないのだ。
「我が名はウェスタ・アイテール! アルカヌム騎士団副団長にして天空神ゼウスの血を継ぐ者なり! 数多の戦を勝利に収めてきた星屑を宿し我が刃、その身に刻んで逝くがいい!」
一騎打ちの作法である『名乗り』を済ませ、ウェスタは視界から男以外の存在を排する。意識を極限まで高め、至高の剣戟を提供する。その一点に全霊を注ぐ気概だ。
「……まじか。あんた神様だったのかよ……」
名乗りを聞いた男は高揚のあまり口端を吊り上げる。
「我が名はキクチ・マコト! 東方の島国日本の生まれにして、剣に生き、剣に死す者なり! 血に濡れた罪深き我が刃を以て、女神への叛逆とする!」
「いざ!」
「いざ!」
互いの高まった剣気が交錯し、大気を震わせる。
マコトは三歩先が間合いであるのに対し、ウェスタは既にマコトを間合いに捉えていた。今までの全ての敵を凌駕するウェスタを前に、マコトは武者震いが止まらない。百合交わしたい、その衝動に駆られていた。
「尋常に!」
ウェスタが左足を半歩下げた。一合で決着をつける。仲間の魂を纏わぬ、純粋な剣技における一撃必殺の一振り。ウェスタはマコトの呼吸に耳を澄ませ、一挙手一投足に目を凝らす。
「──勝負!」
始まりを告げたと同時にマコトが踏み出す。この世界に降り立ち早六年。生前、そして死後に経験した全てを出し尽くすため、マコトは最後の大勝負に出た。
「──はああッ!」
「──でやぁあああああッ‼」
剣が衝突し、擦れ弾き合う音は刹那も聞き取れなかった。しかし、その光景をアルテミスは確と見届けた。
一秒も経たぬ間に、二人は立ち位置を逆転していた。両者ともに剣を振りかぶっていたが、当の本人はその感覚を得ていた。──斬られた。己の刃は、高みへ届かなかったと彼は嘆く。
「──ぐぼっ」
打刀を離し、傷口を押さえたマコトが崩れ落ちる。口からも吐血しているが、斬り裂かれた腹部からの出血はもっとひどかった。晒を巻いていたことで内臓が零れ落ちる心配はなかったが、刻まれた傷は予想以上に深かった。
「……見事、なり……」
マコトは地面に倒れながらウェスタを称えた。感謝と畏敬の念を込め、武運を祈る。
しかし本当の敵は、まだ姿を見せていない。果たして彼女らは勝てるだろうか。
(……たわけ。勝てるに決まってるだろ……)
マコトは今日のために生きてきたのだと強く実感した。死は恐ろしいことではない。寧ろ、今まで根を詰めすぎていたのかもしれない。これで終わりだと気を抜くと、急激に力が抜けていく。
──お疲れ様。
優しく包み込むような慈愛の響き。それは、あの日自分をこの世界へ送ってくれたとある女神の声だった。
「……うん」
アルテミスの手を借りたウェスタは、生まれたての小鹿のように立ち上がる。本当はここで、モードレッドの亡骸の前でずっと泣いていたい。しかし先行したアルトリウスとガウェインに加勢するためにも追わなければならないのだ。ここは敵の本拠地といって差し支えない。先ほどのグウィンのように奇襲を受けることもあるのだ。
故にウェスタはなけなしの気合で立ち上がる。モードレッドの無念、必ずフォールに償わせてやらねばならない。
「……行こう、アルテミス」
左目から零れた最後の一滴を拭い、ウェスタは前を向いた。
「──っ!」
「ウェスタ、どうしましたか⁉」
突如包帯に包まれた右目の奥に疼きを覚え、ウェスタは目眩に襲われた。まるで潰れた右目が何かに共鳴しているようだった。
「……く、る……!」
ウェスタは接近してくるそれを感知し、疼きに堪えながら宝剣を構える。アルテミスもその存在に気づき、ウェスタより一歩前に歩み出て聖剣を抜いた。
「……なんだ。二人いるとは想定外だな」
奥の暗闇からのっそりと亡霊の如く現れた男は、不思議な風体をしていた。
その衣装は東国と呼ばれるこの世界で最東端に位置する、独自の文化を確立している国だ。男が着用しているものは『キモノ』という東国在来の衣服であり、その腰には人間が製造する中で世界最高の強度と切れ味を持つと謳われている打刀を差している。『キモノ』の上に羽織った外套は、男のぼさぼさに伸びた黒髪と鷹のように鋭い目つきが相まって一段と不気味に見せていた。
そしてウェスタとの共通点が一つ。男の右目はウェスタと同じく一文字が刻まれ、開いていなかった。
「悪いな。どうも俺の近くにいるやつは何でか傷が疼くらしい」
右目を押さえているウェスタを見つめた男はそう言い放ち、腰の打刀を抜いた。
「……金髪と黒髪の騎士が先へ向かっている。貴様は二人を殺してきたのか?」
高圧的なアルテミスの問いかけに怯む様子をみせない男は、鼻で笑い飛ばして首を振った。
「いや、あのごっつい二人は見送った。……俺が戦いたかったのは、そこのあんただからな」
切っ先でウェスタを差した男は、舌なめずりをして挑発的に振る舞った。アルテミスは湧き出る憤怒を抑制し、ウェスタを男から庇うように前に出る。
「貴様の相手は私が務めよう」
しかしそれを受けた男は首を振ってアルテミスの申し出を拒絶した。
「おいおい、冗談はよしてくれ。俺はただそこの副団長さんと戦いたいだけだ。……それに、俺は手前に勝てないのは自明の理だろ? 頼むから譲ってくれよ」
「ほう、ウェスタを軽んじているのか。だが、負傷しているとはいえ貴様程度ではウェスタに一太刀浴びせることすらかなうかどうか」
一瞬で敵意が雲散した男に向かい、アルテミスも警戒を緩めた。無論登場時は不気味な雰囲気に気圧されて怯んだが、その寒気もすぐに収まった。
何故なら、この男は強くないのだ。それは今までの経験から来る直感だったが、アルテミスは確信に近いものを抱いていた。
「……いいでしょう。その申し出、お受けします」
ウェスタは疼きを紛らわせるために残っている右手で宝剣をより強く握りしめる。その反応を見た男はにたりと不敵に笑い、再び切っ先をウェスタへ向けた。
「ウェスタ! 貴女はまだ傷が……」
「いいの、アルテミス。彼は正々堂々勝負してくれるよ。何となくだけど、分かるんだ。……彼は、戦うことだけを生き甲斐にしてる戦闘狂なんだ」
モードレッドも似たような性格であった。ひたすら強い敵と剣を交え、打ち破り、己を高めていきたいという欲求を持つ戦士は珍しくない。ウェスタの剣の腕は騎士団内でも随一で、世界に広くその名は知れ渡っている。眼前の男もまた、己の業がどこまで通じるかを確かめてみたいのだ。それに答える義理はないが、ウェスタは腕と目を失ったことでどれほど自身の立ち回りが難しくなったかを把握してみようと思い、一騎打ちを承諾した。
(……でも本当は、貴女は彼にモードレッド卿の名残を投影しているだけなのです)
その事実にアルテミスだけが気づいていた。当のウェスタは目を逸らし、それらしい理由を口実にしているに過ぎない。
「……ああ。この世界に来てから何度か死に目に遭ってきたが……どうやら今日が俺の正真正銘の命日になるな、これは」
「その言い方だと、まるで昔は別の世界にいたかのように聞こえますが……?」
「実際いたんだが、証明することはできない。日本史じゃなく物理を専攻してれば、未知の科学技術をもたらす、なんて面白そうなことができたんだがな……。生憎、俺が持ってたのは漠然とした外装の情報のみで、再現できるほどの知識はなかったんだよ」
哀愁を漂わせる言動をウェスタは訝しんだが、それも些細なことだろうと思考から切り離す。男がもし本当に異世界からやってきたとなれば詳しい話を聞いてみたかったが、それは向こうが拒否するだろう。
男が求めているのは殺し合いであり、想い出話を共有する団欒ではないのだ。
「我が名はウェスタ・アイテール! アルカヌム騎士団副団長にして天空神ゼウスの血を継ぐ者なり! 数多の戦を勝利に収めてきた星屑を宿し我が刃、その身に刻んで逝くがいい!」
一騎打ちの作法である『名乗り』を済ませ、ウェスタは視界から男以外の存在を排する。意識を極限まで高め、至高の剣戟を提供する。その一点に全霊を注ぐ気概だ。
「……まじか。あんた神様だったのかよ……」
名乗りを聞いた男は高揚のあまり口端を吊り上げる。
「我が名はキクチ・マコト! 東方の島国日本の生まれにして、剣に生き、剣に死す者なり! 血に濡れた罪深き我が刃を以て、女神への叛逆とする!」
「いざ!」
「いざ!」
互いの高まった剣気が交錯し、大気を震わせる。
マコトは三歩先が間合いであるのに対し、ウェスタは既にマコトを間合いに捉えていた。今までの全ての敵を凌駕するウェスタを前に、マコトは武者震いが止まらない。百合交わしたい、その衝動に駆られていた。
「尋常に!」
ウェスタが左足を半歩下げた。一合で決着をつける。仲間の魂を纏わぬ、純粋な剣技における一撃必殺の一振り。ウェスタはマコトの呼吸に耳を澄ませ、一挙手一投足に目を凝らす。
「──勝負!」
始まりを告げたと同時にマコトが踏み出す。この世界に降り立ち早六年。生前、そして死後に経験した全てを出し尽くすため、マコトは最後の大勝負に出た。
「──はああッ!」
「──でやぁあああああッ‼」
剣が衝突し、擦れ弾き合う音は刹那も聞き取れなかった。しかし、その光景をアルテミスは確と見届けた。
一秒も経たぬ間に、二人は立ち位置を逆転していた。両者ともに剣を振りかぶっていたが、当の本人はその感覚を得ていた。──斬られた。己の刃は、高みへ届かなかったと彼は嘆く。
「──ぐぼっ」
打刀を離し、傷口を押さえたマコトが崩れ落ちる。口からも吐血しているが、斬り裂かれた腹部からの出血はもっとひどかった。晒を巻いていたことで内臓が零れ落ちる心配はなかったが、刻まれた傷は予想以上に深かった。
「……見事、なり……」
マコトは地面に倒れながらウェスタを称えた。感謝と畏敬の念を込め、武運を祈る。
しかし本当の敵は、まだ姿を見せていない。果たして彼女らは勝てるだろうか。
(……たわけ。勝てるに決まってるだろ……)
マコトは今日のために生きてきたのだと強く実感した。死は恐ろしいことではない。寧ろ、今まで根を詰めすぎていたのかもしれない。これで終わりだと気を抜くと、急激に力が抜けていく。
──お疲れ様。
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