戦場の茶会...Rivisited

藤 和香円

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開戦

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 橙の光を放ち、陽は西の地平線にいる。
矢のような風が、木々の間を疾走する。
温もりを失った天界は、虚無と化した。
川の、鳥の声は奪われ、荒れ狂う風が聴覚を支配した。

 森は何かに憑かれ、魂の抜かれた木のもとに、枯葉が乱れ散る。
耐えかねた大木が横倒しになると、大地が大きく揺れた。
墨を落としたかの如く、辺りを暗闇が包み、上も下も無へと還った。

 山高帽子が宙を舞う。男の髪がなびき、乱れた。
「茶会は終わりだ」
轟音がその言葉をかき消した。マネキンは椅子を動かない。
「君も帰るんだ」
風にあおられ、草に転げた。
「獣は放たれた」
小声で言うと、声を張り上げて叫んだ。
「嵐がやってくるぞ」

 東国の女王が、父に言われるがまま、挙兵した。
西国の王が、母の教えに背き、采配を振った。
鋼をかぶった幾千の軍が、西を、東を、目指す。
絶好の戦地へ、出陣だ。開戦は、間もなく告げられる。
戦雲が押し寄せ、虚空こくうを、虚しく、空しく満たす。
なんと、空虚くうきょな暗雲だろう。
獣は、放たれた。
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