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なんだかんだでお兄様は優しい
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私が弱音を吐ける相手は、いつだってお兄様だけだった。
私は見栄っ張りだから、弟や妹たちには弱いところを見せたくない。
何を言われたって気にしない、何事にも毅然とした姿勢で立ち向かう、そんな姉でいたかったのだ。
今回も、毅然とした態度を取り続けることが出来るだろうか?
「お兄様……お誕生日おめでとうございます……」
結局勇者様には何一つ言えずに、お兄様の『妖精王との約束の日』がやってきた。
「おう、ありがとう……でもなセリーヌ。俺は今着替えているんだ」
「大丈夫です。そのまま聞いてください」
「お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃないんだが、まぁいい。聞こう」
現在地はお兄様のお部屋。
私は勝手にお兄様のお部屋のソファに居座っていて、お兄様が使用人たちの手によって着飾られているところを眺めている。
「私、結局勇者様に何一つとして言えませんでした」
「そのようだな」
私の闇夜よりも暗い表情を見て察してくれたようだ。
「私は、失望されるのが怖いのです」
「うん」
「私は、今の、勇者様との関係が心地よいのです」
「はいはい」
「もしも勇者様が本当の私を知って失望して、この関係が壊れたら……立ち直れないかもしれません」
「なるほど」
お兄様も慣れたもので、私がぐずぐず言っていても適当な相槌で流してくれる。
適当過ぎてちょっと腹が立ちそうだけれど、相槌を打ってくれるだけでもありがたいので話を続けることにする。
「私、先日聞いてしまったんです。勇者様が『本当に結婚してもいいのかな』と零していたのを」
「うん?」
「だから、もしかしたら勇者様は別に好きな人がいらっしゃるんじゃないのかなって、思っていて」
「うん……」
「もしそうなら、その好きな人と結婚してほしいし、身を引けと言われれば喜んで身を引きましょう。でも……失望されて嫌われるのは、嫌」
「うーん」
あ、前髪を後ろに流してもらってるお兄様素敵。似合う。勇者様の次くらいにカッコイイ。
「ところでセリーヌ。そのドレスは?」
「ドレス? 勇者様が用意してくださったものです」
「セリーヌの瞳の色と、差し色は勇者の髪色か?」
「はい、そうです。勇者様の色のみだと真っ黒になるから、と」
「ふーん」
「……似合います?」
「良く似合ってる」
既製品に手を加えただけだって言ってたけど、サイズも普通にしっくりきているし、ちょっと大人っぽくて綺麗なドレスなのでとっても気に入っている。
ただ勇者様があれこれ考えてくれたドレスなので着てしまうのが勿体ないとも思ったけれど。出来れば綺麗なまま宝物として飾っておきたかった気もする。
「まぁ、それはともかくとして、アレは来るらしいぞ」
「アレ……」
アレこと元婚約者が、今日の夜会に来るらしい。
アレと私との婚約が立ち消えた後、アレがどうなったのかは知らない。
私と勇者様との婚約が決まったあの日、アレは心底嬉しそうな顔をしていたので、あの時一緒にいた女性と改めて婚約したのかもしれない。
だとしたら、今日の夜会にはあの女性をエスコートしてくるのだろう。それを見せびらかしに来たりするのかな。
でもこっちには勇者様がいるし、見せびらかされても私の表情筋はなんの仕事もしないかもしれないな。……っていうかよく考えたらこっちには着飾った勇者様がいるってことでしょ? え、私着飾った勇者様にエスコートしてもらえるの? これは表情筋どころか心臓が仕事を辞めるかもしれないな!?
あぁヤバい。アレのことを考えている場合ではない。
「極力勇者と離れるなよ、セリーヌ」
「え、あ、はい」
私が返事をしたその時だった。
ノックの音とほぼ同じくらいのタイミングでお兄様の部屋のドアが開く。
「セリーヌ様! 準備も終わっていないのにうろちょろしないでください!」
私の侍女だった。めっちゃ怒ってる。
「まだ終わってなかったかしら」
「髪がまだです! 仕方がないのでここでちゃちゃっとやりましょうね」
どうやらこのソファに座ったままでやってくれるらしい。
お兄様の「ここは俺の部屋だぞ」という言葉を聞き流しながら、私は大人しく座っていた。
「そんな髪飾り持っていたかしら?」
「さっき勇者様付きの使用人が届けてくれたんですよ」
はい、と渡された髪飾りは、丁寧な銀細工で作られた薔薇の形の物だった。花びらの部分には黒い宝石と青い宝石が嵌めこまれている。
「モリオンとサファイアか」
いつの間にか準備を終えていたらしいお兄様が覗きに来た。
「綺麗」
「セリーヌの瞳の色と勇者の瞳の色だろうな」
「あ」
本当だ、と呟きかけた時、私の髪を整えている侍女が笑いながら言うのだ。
「愛ですねぇ」
と。
照れ散らかすからやめてほしい。いやしかし勇者様は他に好きな人がいるかもしれないのだから浮かれすぎてはいけない。心の準備心の準備……。
「よし、セリーヌの準備も整ったようだな」
「はい」
「じゃあ俺は俺の婚約者のところに行くから、セリーヌも勇者のところへ行け」
「お兄様も婚約者様とお揃いの衣装なのですか?」
「お揃い? 色を合わせてある程度でお揃いってほどではないな」
「……そうですか」
私のふわっとした相槌を聞いたお兄様が、こちらを生暖かい目で見てきた。あぁお前のとこはお揃いなんだぁ、みたいな。
やだ照れるー! と騒ぎたいところだったが、お兄様に早く行けと言われて部屋から追い出されてしまった。
仕方がないので腹を括って勇者様の元へ行こう。
まだ見ていないけれど着飾った勇者様は絶対に素敵なので、見た瞬間心臓を止めないように気を付けなければ。
勇者様とは王宮の一角で待ち合わせているので、私は急ぎつつも優雅な足さばきを心掛けながらそこに向かう。もちろん心臓はバクバクである。着飾った勇者様を想像しただけで心臓がバクバクなのである。
そんな中、勇者様のところに辿り着いた私の心臓をもっとバクバクにさせてくる出来事が起きた。
勇者様の側に女性がいる。先日の魔術師様じゃない、別の女性。……どこか見覚えのある女性。
あれは確か、あの日私の元婚約者と一緒にいた女性だ。
私は見栄っ張りだから、弟や妹たちには弱いところを見せたくない。
何を言われたって気にしない、何事にも毅然とした姿勢で立ち向かう、そんな姉でいたかったのだ。
今回も、毅然とした態度を取り続けることが出来るだろうか?
「お兄様……お誕生日おめでとうございます……」
結局勇者様には何一つ言えずに、お兄様の『妖精王との約束の日』がやってきた。
「おう、ありがとう……でもなセリーヌ。俺は今着替えているんだ」
「大丈夫です。そのまま聞いてください」
「お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃないんだが、まぁいい。聞こう」
現在地はお兄様のお部屋。
私は勝手にお兄様のお部屋のソファに居座っていて、お兄様が使用人たちの手によって着飾られているところを眺めている。
「私、結局勇者様に何一つとして言えませんでした」
「そのようだな」
私の闇夜よりも暗い表情を見て察してくれたようだ。
「私は、失望されるのが怖いのです」
「うん」
「私は、今の、勇者様との関係が心地よいのです」
「はいはい」
「もしも勇者様が本当の私を知って失望して、この関係が壊れたら……立ち直れないかもしれません」
「なるほど」
お兄様も慣れたもので、私がぐずぐず言っていても適当な相槌で流してくれる。
適当過ぎてちょっと腹が立ちそうだけれど、相槌を打ってくれるだけでもありがたいので話を続けることにする。
「私、先日聞いてしまったんです。勇者様が『本当に結婚してもいいのかな』と零していたのを」
「うん?」
「だから、もしかしたら勇者様は別に好きな人がいらっしゃるんじゃないのかなって、思っていて」
「うん……」
「もしそうなら、その好きな人と結婚してほしいし、身を引けと言われれば喜んで身を引きましょう。でも……失望されて嫌われるのは、嫌」
「うーん」
あ、前髪を後ろに流してもらってるお兄様素敵。似合う。勇者様の次くらいにカッコイイ。
「ところでセリーヌ。そのドレスは?」
「ドレス? 勇者様が用意してくださったものです」
「セリーヌの瞳の色と、差し色は勇者の髪色か?」
「はい、そうです。勇者様の色のみだと真っ黒になるから、と」
「ふーん」
「……似合います?」
「良く似合ってる」
既製品に手を加えただけだって言ってたけど、サイズも普通にしっくりきているし、ちょっと大人っぽくて綺麗なドレスなのでとっても気に入っている。
ただ勇者様があれこれ考えてくれたドレスなので着てしまうのが勿体ないとも思ったけれど。出来れば綺麗なまま宝物として飾っておきたかった気もする。
「まぁ、それはともかくとして、アレは来るらしいぞ」
「アレ……」
アレこと元婚約者が、今日の夜会に来るらしい。
アレと私との婚約が立ち消えた後、アレがどうなったのかは知らない。
私と勇者様との婚約が決まったあの日、アレは心底嬉しそうな顔をしていたので、あの時一緒にいた女性と改めて婚約したのかもしれない。
だとしたら、今日の夜会にはあの女性をエスコートしてくるのだろう。それを見せびらかしに来たりするのかな。
でもこっちには勇者様がいるし、見せびらかされても私の表情筋はなんの仕事もしないかもしれないな。……っていうかよく考えたらこっちには着飾った勇者様がいるってことでしょ? え、私着飾った勇者様にエスコートしてもらえるの? これは表情筋どころか心臓が仕事を辞めるかもしれないな!?
あぁヤバい。アレのことを考えている場合ではない。
「極力勇者と離れるなよ、セリーヌ」
「え、あ、はい」
私が返事をしたその時だった。
ノックの音とほぼ同じくらいのタイミングでお兄様の部屋のドアが開く。
「セリーヌ様! 準備も終わっていないのにうろちょろしないでください!」
私の侍女だった。めっちゃ怒ってる。
「まだ終わってなかったかしら」
「髪がまだです! 仕方がないのでここでちゃちゃっとやりましょうね」
どうやらこのソファに座ったままでやってくれるらしい。
お兄様の「ここは俺の部屋だぞ」という言葉を聞き流しながら、私は大人しく座っていた。
「そんな髪飾り持っていたかしら?」
「さっき勇者様付きの使用人が届けてくれたんですよ」
はい、と渡された髪飾りは、丁寧な銀細工で作られた薔薇の形の物だった。花びらの部分には黒い宝石と青い宝石が嵌めこまれている。
「モリオンとサファイアか」
いつの間にか準備を終えていたらしいお兄様が覗きに来た。
「綺麗」
「セリーヌの瞳の色と勇者の瞳の色だろうな」
「あ」
本当だ、と呟きかけた時、私の髪を整えている侍女が笑いながら言うのだ。
「愛ですねぇ」
と。
照れ散らかすからやめてほしい。いやしかし勇者様は他に好きな人がいるかもしれないのだから浮かれすぎてはいけない。心の準備心の準備……。
「よし、セリーヌの準備も整ったようだな」
「はい」
「じゃあ俺は俺の婚約者のところに行くから、セリーヌも勇者のところへ行け」
「お兄様も婚約者様とお揃いの衣装なのですか?」
「お揃い? 色を合わせてある程度でお揃いってほどではないな」
「……そうですか」
私のふわっとした相槌を聞いたお兄様が、こちらを生暖かい目で見てきた。あぁお前のとこはお揃いなんだぁ、みたいな。
やだ照れるー! と騒ぎたいところだったが、お兄様に早く行けと言われて部屋から追い出されてしまった。
仕方がないので腹を括って勇者様の元へ行こう。
まだ見ていないけれど着飾った勇者様は絶対に素敵なので、見た瞬間心臓を止めないように気を付けなければ。
勇者様とは王宮の一角で待ち合わせているので、私は急ぎつつも優雅な足さばきを心掛けながらそこに向かう。もちろん心臓はバクバクである。着飾った勇者様を想像しただけで心臓がバクバクなのである。
そんな中、勇者様のところに辿り着いた私の心臓をもっとバクバクにさせてくる出来事が起きた。
勇者様の側に女性がいる。先日の魔術師様じゃない、別の女性。……どこか見覚えのある女性。
あれは確か、あの日私の元婚約者と一緒にいた女性だ。
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