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第四章
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ルーカスと呼ばれた少年は悠を見つめ、確かにそう聞いた。
「えーお前なに言ってんだよぉ。女しか子供は産めないんだぜ?」
「璃羅、ルーカスに何か言ってやれよ。兄ちゃんのくせに、そんな事もしんねーの?」
ルーカスは涼の側に近寄りながら話し始めた。
「世界で五人だ。まだ成功者はたった五人しかいないって昨日の新聞に書いてあった」
「何が?」
少年達と涼の声が被った。
「男が出産した例だよ」
ルーカスは続けた。
「ルーカス、お前 新聞読めんの?」
「少しなら、難しいとこは父さんに読んで貰ったんだよ。でもたった五人でもゼロじゃない」
「男が……出産……した数?」
涼の切れ長の目が大きく見開かれた。
「悠……?」
「おじさん黙ってて。僕が話している」
ルーカスは振り替えると悠に視線を移す。
「璃羅を産んだのは悠さん?」
「…………」
「そうだよ!」
変わりに答えたのは璃羅だった。
その答えに誰より驚いたのは悠だったのだろう。驚愕に満ちた顔が璃羅を見た。
「お前……なんで……知って……」
悠は璃羅を見つめると、ごくりと喉を鳴らした。
十歳とは思えない程落ち着いてる璃羅は、ゆっくり思い出すように話していた。
「なんで……俺には母さんがいないんだって、俺だって考えた事があるよ。だってさ……友達には父さんも母さんもいるんだから……ちょっと羨ましくて……」
「……璃羅……」
「で、父さんが仕事に出ている時に……、なんか、母さんの思い出でもないかなぁと家中探したんだよ」
「ん……」
「そうしたらさ……二枚の写真を見つけたんだ。引き出しの奥の方に……そっと入れてあってさぁ。でもグシャグシャになってんじゃなくてぇ、綺麗に折れないように透明なファイルに入ってた。凄い大切にしてあった。これは……勝手に見ちゃいけないって思ったから……俺、引き出しに、またしまったんだ……」
ゆっくりだけど、確かな声にハッキリした記憶。大切な父親の為に見なかったことにした……小さな天使。
「璃羅? お前……実はもっとなんか知ってんじゃねー?」
ルーカスは璃羅に聞いた。
「俺の父さんはこの人だよ。でも俺を産んだ人だ。産んだ人が母さんって呼び名なら父さんは母さんになる。で……そいつは俺のもう一人の父さん……だと思う……」
そいつ……璃羅は涼を指差した。
「えーお前なに言ってんだよぉ。女しか子供は産めないんだぜ?」
「璃羅、ルーカスに何か言ってやれよ。兄ちゃんのくせに、そんな事もしんねーの?」
ルーカスは涼の側に近寄りながら話し始めた。
「世界で五人だ。まだ成功者はたった五人しかいないって昨日の新聞に書いてあった」
「何が?」
少年達と涼の声が被った。
「男が出産した例だよ」
ルーカスは続けた。
「ルーカス、お前 新聞読めんの?」
「少しなら、難しいとこは父さんに読んで貰ったんだよ。でもたった五人でもゼロじゃない」
「男が……出産……した数?」
涼の切れ長の目が大きく見開かれた。
「悠……?」
「おじさん黙ってて。僕が話している」
ルーカスは振り替えると悠に視線を移す。
「璃羅を産んだのは悠さん?」
「…………」
「そうだよ!」
変わりに答えたのは璃羅だった。
その答えに誰より驚いたのは悠だったのだろう。驚愕に満ちた顔が璃羅を見た。
「お前……なんで……知って……」
悠は璃羅を見つめると、ごくりと喉を鳴らした。
十歳とは思えない程落ち着いてる璃羅は、ゆっくり思い出すように話していた。
「なんで……俺には母さんがいないんだって、俺だって考えた事があるよ。だってさ……友達には父さんも母さんもいるんだから……ちょっと羨ましくて……」
「……璃羅……」
「で、父さんが仕事に出ている時に……、なんか、母さんの思い出でもないかなぁと家中探したんだよ」
「ん……」
「そうしたらさ……二枚の写真を見つけたんだ。引き出しの奥の方に……そっと入れてあってさぁ。でもグシャグシャになってんじゃなくてぇ、綺麗に折れないように透明なファイルに入ってた。凄い大切にしてあった。これは……勝手に見ちゃいけないって思ったから……俺、引き出しに、またしまったんだ……」
ゆっくりだけど、確かな声にハッキリした記憶。大切な父親の為に見なかったことにした……小さな天使。
「璃羅? お前……実はもっとなんか知ってんじゃねー?」
ルーカスは璃羅に聞いた。
「俺の父さんはこの人だよ。でも俺を産んだ人だ。産んだ人が母さんって呼び名なら父さんは母さんになる。で……そいつは俺のもう一人の父さん……だと思う……」
そいつ……璃羅は涼を指差した。
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