愛の鎖が解ける先に

赤井ちひろ

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第三章・凶器という名の愛

2  深海の淵2

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「そういう事ではないのだよ。ただ、無理やりは駄目だ。これは相性なんだ。相性=愛情だと良いなと思っているのだよ。壊したくはないんだ、葵」
「ごめんなさい。栓をはめて。嫌なんて本気じゃない。口から出ちゃっただけだから、大和さん、本気で逃げたいなんて思ってないよ」
 涙が止まらず冷や汗と涎でぐちょぐちょの顔で、一生懸命見つめてくる葵を凌辱したくて仕方が無い。
 東條は拘束具で身動きできない葵に抱き着くと、何度も可愛いよと囁いてそのままアナル栓をはめた。
 分かっていた。葵が自分を好きだと思ってくれている事。
 分かっていた。お互いに深みに嵌って行くだろう事。
 分かっていた。葵の体は自分のために今まで綺麗だった事。
 分かっていた。東條がこの先歯止めが利かなくなっていくだろう事も。
 それでもこの狂気の向く先に、愛は確かにあるのだと葵は思っていたんだ。
 そう、すべての出会いは必然のはずだった。
 それなのに東條の横には何か見えない別の存在がある……それが葵は怖かった。
「押しますよ。なるべく我慢して」
「苦しい」
「葵、苦痛に歪んだ顔が堪らないよ」
 緩急をつけて東條の大きな手で腹を押されると、漏れそうな感覚から葵は必死になってお尻の穴を締めた。
 ちろりとアナル栓の隙間から液体が漏れ出てくる。
 恥かしさに葵は顔を伏せた。
「こっちを向いてきちんと前を見なさい」
 いやいやと首を振る。
「恥ずかしい」
「そうか、ではこれ以上恥ずかしい事なんか無いようにしてあげよう」
 想像できたのだろう。葵は慌てて顔を上げてお尻の穴を締めた。
 途中まで抜いたアナル栓は少しの力ではじけ飛びそうになる。葵はガタガタと足が痙攣するように中を締め、必死になって唇を嚙んでいた。口の端が切れ滲んだ真っ赤な血が東條の中心部分を滾らせた。
 ……もうダメッ、漏れる――。
 最初こそアナルは硬かったものの、最後のはじけ飛ぶ瞬間は内壁のピンクの肉がめくれ上がりぞくぞくする快感を東條は感じていた。
「見ないで――イヤ、止まらない、出ちゃう――」
 激しい音とともに500㏄の物量がはじけ飛ぶ。
 誰にも見せたことのない恥ずかしい姿を、声に恋していた片思いの相手に見られる恥辱、恥ずかしいはずの葵は何故か歓喜のあまり前からも漏らしていた。
「良くできた、いい子だね」
 頭上から降ってくる大きな手は、葵を守る盾そのものだった。
 ――僕はこれが欲しかったんだ。
 
 
 
 
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