30 / 57
29
しおりを挟む
毎日毎日放課後呼ばれ、無理やりされ、助けを求める相手もおらず、碧は身体も心も疲弊していた。
それでも毎日勉強は続けていた。
まともに食事も取れず、前よりなんだか痩せた気がする。食べてもなんだか気持ち悪くてすぐに戻してしまう。体調も最近はずっと良くない。眠れてないせいかクマも酷い。鏡で自分の顔を見る度に生気がなくなっていってる気がする。
心を無にしていないと自分が保てなさそうで、最初は抵抗していたものの、もうこんなに汚れた自分がまた汚れようと何も変わらない、そう思うようになっていた。
お兄ちゃんが意識不明という重体の中自分が楽しんで学校生活を送ろうとした罰なのかもしれない。
皇様の顔を見ることもなくなった。こんなに汚いやつを視界に入れたくないのも当然だ。教室にも来なくなってしまったのは自分のせいかもしれない。申し訳ない気持ちにもなる。
毎日ミヤのところに行くことだけが心の救いになっていた。
気づいたらテスト前日になっていた。
学校に行かないと、そう思うのになかなかベッドから出られない。酷い頭痛もする。敦として通っている以上勝手に休むのは良くない、そう思うのに身体が動かない。
なんだか寒気もしてくる。
布団をかぶり丸まるけど全く良くならない。
気づかないうちに碧の意識は落ちていった。
------------------------
(蓮side)
遅くなった。けどなんとかテストには間に合うように戻ってこれたな。
今回は家の会社のことで想像以上に任されてしまい時間がかかってしまった。まあそれでもテスト前日に帰ってこれたから充分だろう。
あんま学校から離れたくない時期だったが最近はあの二人良さげな感じだったし俺がいない間にもっと上手くいってるかもしれない。
とりあえず悠人に後でどうなってるか聞いてみるか。
今日の午前までは休みとってるから午後授業出てその後に生徒会室にでも行くか。そこで聞けばいいだろう。
残ってたちょっとした仕事を午前中に終え、ちょうど昼休みの時間だった。
せっかくなら西園寺の方の様子も知りたいなと思い、いつものネコの所にどうせ来るだろうと思い向かった。
「ミャー!ミャー!」
あれ?西園寺がいない。俺の方が早かったか?
「おい、ネコ。西園寺はどこだ?」
なんだかネコの様子がいつもと違う。いつもは来たやつに近寄っていったりするのに茂みの入口のところに行ってすぐに座り込んでいる。
西園寺が来るのを待っているのか?
しばらく待ってみたけど来る気配がない。
なんかおかしい。胸騒ぎがする。大抵こういう嫌な予感は当たるものだ。
悠人に聞いた方が早いかもしれない。
急いで悠人に電話する。
「悠人、今どこにいる?」
「あ、蓮、生徒会室にいるけど。帰ってきたんだ?」
「ちょっと今からそっち行くから。」
テスト前だし生徒会の仕事ってなんかあったか?
ないよな?
ガチャ
「蓮、お帰り。」
「ああ。悠人、西園寺の事だけど、西園寺と最近どうだ?」
「蓮ももう話聞いたの?早いね。もう全然顔みてない。見たくもない。」
「何の話だ?」
「え、聞いたんじゃないの?」
「今日帰ってきたばっかで何も聞いてない。何があった?」
「それが...........」
悠人から聞かされた話は衝撃だった。
想像以上に胸糞悪い話だった。
嫌な予感が当たってしまった。
俺の判断ミスだ。あいつは敦じゃない、碧であって別人なんだ、そう伝えるべきだった。悠長にふたりの仲が深まっていくのを待ってる場合じゃなかった。
「悠人、てめぇ......お前なんも見えてなかったな。ほんとにあいつが好き好んでそんなことするやつだとここ何日か一緒に暮らしててそう思ったのか?お前は同じ部屋で暮らして何を見てきたんだ?」
俺の判断ミスだと思いつつ、目が曇ってなんも見えてない悠人に苛立つ。
「は?蓮、何言ってんの?」
「自分で気づけよと思って言ってなかったけど........
あいつは西園寺敦じゃねぇ。あいつは双子の弟の西園寺碧だ。本物の敦は階段から落ちたあと今もまだ意識が戻ってなくて代わりに弟の碧が敦に成り代わって学校に来てるんだ。」
「え・・・・・・」
悠人の顔から表情が抜け落ちた。
「え、そんな、え、俺が一緒に過ごしてたのは別人ってこと....?」
「そうだよ。てめぇ、西園寺は今どうしてる?」
「最近全然見てないから分からない....」
「まずいぞ、昼だしあのネコんとこにいるかと思って行ったけどいなかった。とりあえず教室に行ってみるぞ。」
「あぁ......」
「そんな...別人だなんて....俺、色々言っちゃいけないこと言ってしまった....」
「後悔してる場合じゃねぇよ。早く行くぞ。」
急いで教室に向かう。
ガラガラガラッ
いねぇな。
「なぁ、西園寺って今日学校来てたか?」
近くにいたクラスメイトに聞く。
「あ、九条様......いや、今日は来てないです。あの......最近様子が変で、それでも昨日までは学校来てたんですけど今日来てなくて.....なんかちょっと心配で.......」
「分かった、ありがとう。」
西園寺のことを心の中では心配してるクラスメイトもいるということに進歩を感じるが今の状況の不味さに苛まれる。
「寮の部屋に行くぞ。」
学校休んでるってことは寮にいるはずだ。あの西園寺が学校休むって相当だ。かなりまずい状況が予想される。
隣の悠人の表情も固い。とにかく急いで俺らは寮に向かった。
それでも毎日勉強は続けていた。
まともに食事も取れず、前よりなんだか痩せた気がする。食べてもなんだか気持ち悪くてすぐに戻してしまう。体調も最近はずっと良くない。眠れてないせいかクマも酷い。鏡で自分の顔を見る度に生気がなくなっていってる気がする。
心を無にしていないと自分が保てなさそうで、最初は抵抗していたものの、もうこんなに汚れた自分がまた汚れようと何も変わらない、そう思うようになっていた。
お兄ちゃんが意識不明という重体の中自分が楽しんで学校生活を送ろうとした罰なのかもしれない。
皇様の顔を見ることもなくなった。こんなに汚いやつを視界に入れたくないのも当然だ。教室にも来なくなってしまったのは自分のせいかもしれない。申し訳ない気持ちにもなる。
毎日ミヤのところに行くことだけが心の救いになっていた。
気づいたらテスト前日になっていた。
学校に行かないと、そう思うのになかなかベッドから出られない。酷い頭痛もする。敦として通っている以上勝手に休むのは良くない、そう思うのに身体が動かない。
なんだか寒気もしてくる。
布団をかぶり丸まるけど全く良くならない。
気づかないうちに碧の意識は落ちていった。
------------------------
(蓮side)
遅くなった。けどなんとかテストには間に合うように戻ってこれたな。
今回は家の会社のことで想像以上に任されてしまい時間がかかってしまった。まあそれでもテスト前日に帰ってこれたから充分だろう。
あんま学校から離れたくない時期だったが最近はあの二人良さげな感じだったし俺がいない間にもっと上手くいってるかもしれない。
とりあえず悠人に後でどうなってるか聞いてみるか。
今日の午前までは休みとってるから午後授業出てその後に生徒会室にでも行くか。そこで聞けばいいだろう。
残ってたちょっとした仕事を午前中に終え、ちょうど昼休みの時間だった。
せっかくなら西園寺の方の様子も知りたいなと思い、いつものネコの所にどうせ来るだろうと思い向かった。
「ミャー!ミャー!」
あれ?西園寺がいない。俺の方が早かったか?
「おい、ネコ。西園寺はどこだ?」
なんだかネコの様子がいつもと違う。いつもは来たやつに近寄っていったりするのに茂みの入口のところに行ってすぐに座り込んでいる。
西園寺が来るのを待っているのか?
しばらく待ってみたけど来る気配がない。
なんかおかしい。胸騒ぎがする。大抵こういう嫌な予感は当たるものだ。
悠人に聞いた方が早いかもしれない。
急いで悠人に電話する。
「悠人、今どこにいる?」
「あ、蓮、生徒会室にいるけど。帰ってきたんだ?」
「ちょっと今からそっち行くから。」
テスト前だし生徒会の仕事ってなんかあったか?
ないよな?
ガチャ
「蓮、お帰り。」
「ああ。悠人、西園寺の事だけど、西園寺と最近どうだ?」
「蓮ももう話聞いたの?早いね。もう全然顔みてない。見たくもない。」
「何の話だ?」
「え、聞いたんじゃないの?」
「今日帰ってきたばっかで何も聞いてない。何があった?」
「それが...........」
悠人から聞かされた話は衝撃だった。
想像以上に胸糞悪い話だった。
嫌な予感が当たってしまった。
俺の判断ミスだ。あいつは敦じゃない、碧であって別人なんだ、そう伝えるべきだった。悠長にふたりの仲が深まっていくのを待ってる場合じゃなかった。
「悠人、てめぇ......お前なんも見えてなかったな。ほんとにあいつが好き好んでそんなことするやつだとここ何日か一緒に暮らしててそう思ったのか?お前は同じ部屋で暮らして何を見てきたんだ?」
俺の判断ミスだと思いつつ、目が曇ってなんも見えてない悠人に苛立つ。
「は?蓮、何言ってんの?」
「自分で気づけよと思って言ってなかったけど........
あいつは西園寺敦じゃねぇ。あいつは双子の弟の西園寺碧だ。本物の敦は階段から落ちたあと今もまだ意識が戻ってなくて代わりに弟の碧が敦に成り代わって学校に来てるんだ。」
「え・・・・・・」
悠人の顔から表情が抜け落ちた。
「え、そんな、え、俺が一緒に過ごしてたのは別人ってこと....?」
「そうだよ。てめぇ、西園寺は今どうしてる?」
「最近全然見てないから分からない....」
「まずいぞ、昼だしあのネコんとこにいるかと思って行ったけどいなかった。とりあえず教室に行ってみるぞ。」
「あぁ......」
「そんな...別人だなんて....俺、色々言っちゃいけないこと言ってしまった....」
「後悔してる場合じゃねぇよ。早く行くぞ。」
急いで教室に向かう。
ガラガラガラッ
いねぇな。
「なぁ、西園寺って今日学校来てたか?」
近くにいたクラスメイトに聞く。
「あ、九条様......いや、今日は来てないです。あの......最近様子が変で、それでも昨日までは学校来てたんですけど今日来てなくて.....なんかちょっと心配で.......」
「分かった、ありがとう。」
西園寺のことを心の中では心配してるクラスメイトもいるということに進歩を感じるが今の状況の不味さに苛まれる。
「寮の部屋に行くぞ。」
学校休んでるってことは寮にいるはずだ。あの西園寺が学校休むって相当だ。かなりまずい状況が予想される。
隣の悠人の表情も固い。とにかく急いで俺らは寮に向かった。
63
あなたにおすすめの小説
【完結】それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は未定
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
・本格的に嫌われ始めるのは2章から
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる