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翌日。
最近先生以外とお話してないから緊張する。
もう来るかな、ほんのちょっとだけ怖い気持ちもある。
ガラガラ
「あ.......ごめん。荷物置いたらすぐ帰るから。」
僕が起きているのを見て表情を変えた皇様は荷物を置いて直ぐに帰ろうとしている。
「ま.......待ってください.......」
驚いた表情でこちらを見てくる。
「あの、少しお話しませんか....?あ、いや.......やっぱり大丈夫です......」
急に自分何言ってるんだろうって気持ちになってやっぱり取り消す。
「え、あ、もう少しここに俺がいてもいいのか...?あ、碧くん...はそれで負担にならない?大丈夫?」
初めてちゃんと僕のことを"碧"として認識されてるって感じがして少しだけ嬉しくなった。
前よりも話し方が優しい気がする....
「まだ男の人が怖いんですけど、リハビリしていきたくて...皇様は他の人よりも怖くないので....すみません、勝手にそんなことに付き合わせてしまって。お忙しいですよね、無理しなくて大丈夫です...」
自分勝手に巻き込んでる気がする。
「いや、それなら全然大丈夫。忙しくないしこれ以上に大事なことなんて何もない。碧くんさえ良ければ起きてる時に来てもいい?碧くんがキツくなったらすぐに部屋出るから....」
なんかすごくここに来たがってるように聞こえる。そんなわけないはず。でもこの間九条様もそんな感じのこと言ってた。罪悪感を感じてるのかな...?こっちが勝手にダメージ受けただけで皇様は何も悪くないのに。
「お願いしてもいいんですか...?」
「もちろん。むしろこっちからお願いしたいくらい。」
「ありがとうございます。」
「最初に碧くんに伝えたいことがあるんだけど聞いてもらってもいい...?」
「はい。」
「今まで本当にごめん。碧くんのこと何も見ずに決めつけて酷い態度をとってた。敦の方に苦い思い出があって、ずっと嫌ってたんだ。でも一緒の部屋で生活し始めて、あんなに嫌いだったはずなのに一緒にご飯食べたりするのが嫌じゃなくなって、むしろ一緒に食べたいって思うようになって。自分でも戸惑ってて。でも俺はあの日碧くんのことを信じられなくて。敦と別人だと知らなくても何か違うって分かってたはずなのに俺はあんなことを言って突き放してしまった。本当にごめん。本当に急に手のひら返しのような態度で不信感もあるだろうし、俺の勝手なわがままなんだけど少しづつ前みたいに一緒にご飯食べたりお話できるようになりたい。」
皇様は苦しそうな顔をしながらそう話した。
またご飯食べたりお話できるようになりたい、そう思ってくれてるっていうのがすごく嬉しくて少し心が元気になる。
「謝らないでください。兄の振りをしてたんだからそんなの当然の反応だし、兄が昔皇様が可愛がってたネコをいじめて死なせてしまったっていうのも九条様に聞きました。兄に代わって謝らせてください。ごめんなさい。
一緒にご飯食べてくれて、連絡先交換していただけて、色んな初めての心があったかくなることが皇様のおかげでありました。本当に感謝しているんです。あの5人のことも皇様が対応してくださったと聞きました。本当にありがとうございます。
僕もまた一緒にご飯食べたりお話したりしたいです...」
「良かった.....ありがとう.....」
その後は僕の今の体調や何か食べたいものがないか聞かれたりした。
あんまり食べれてないことを伝えると、皇様はちょっと辛そうな顔をしたあと、こんな提案をしてきた。
「もし嫌じゃなかったら、夜ご飯、一緒にここで食べたらダメかな?」
「一緒に...ですか?」
「ごめん、がっつきすぎた。今日やっと久しぶりに話せたのにさすがに一緒にご飯は早いよな。もう少し慣れたら...どうかな?」
「今日はまだちょっと分からないですけど、もう少し慣れたらぜひ一緒にご飯食べたいです。そうできるように頑張ります。」
「無理はしないでね。いくらでも待つから。」
そう言って、最初から長くいると負担になるだろうからと皇様は帰って行った。
深く息を吐く。
やっぱり少し緊張していたみたいだ。
でもそうありながらも少し気持ちが前向きになれてる自分がいる。
「碧くん、大丈夫?無理してない?少し疲れただろうから今日はご飯食べたらお休みしようね。でも表情、少し良くなってるよ。」
優木先生にそう言われ、この調子なら少しづつリハビリしていけるかもしれない、そう思った。
最近先生以外とお話してないから緊張する。
もう来るかな、ほんのちょっとだけ怖い気持ちもある。
ガラガラ
「あ.......ごめん。荷物置いたらすぐ帰るから。」
僕が起きているのを見て表情を変えた皇様は荷物を置いて直ぐに帰ろうとしている。
「ま.......待ってください.......」
驚いた表情でこちらを見てくる。
「あの、少しお話しませんか....?あ、いや.......やっぱり大丈夫です......」
急に自分何言ってるんだろうって気持ちになってやっぱり取り消す。
「え、あ、もう少しここに俺がいてもいいのか...?あ、碧くん...はそれで負担にならない?大丈夫?」
初めてちゃんと僕のことを"碧"として認識されてるって感じがして少しだけ嬉しくなった。
前よりも話し方が優しい気がする....
「まだ男の人が怖いんですけど、リハビリしていきたくて...皇様は他の人よりも怖くないので....すみません、勝手にそんなことに付き合わせてしまって。お忙しいですよね、無理しなくて大丈夫です...」
自分勝手に巻き込んでる気がする。
「いや、それなら全然大丈夫。忙しくないしこれ以上に大事なことなんて何もない。碧くんさえ良ければ起きてる時に来てもいい?碧くんがキツくなったらすぐに部屋出るから....」
なんかすごくここに来たがってるように聞こえる。そんなわけないはず。でもこの間九条様もそんな感じのこと言ってた。罪悪感を感じてるのかな...?こっちが勝手にダメージ受けただけで皇様は何も悪くないのに。
「お願いしてもいいんですか...?」
「もちろん。むしろこっちからお願いしたいくらい。」
「ありがとうございます。」
「最初に碧くんに伝えたいことがあるんだけど聞いてもらってもいい...?」
「はい。」
「今まで本当にごめん。碧くんのこと何も見ずに決めつけて酷い態度をとってた。敦の方に苦い思い出があって、ずっと嫌ってたんだ。でも一緒の部屋で生活し始めて、あんなに嫌いだったはずなのに一緒にご飯食べたりするのが嫌じゃなくなって、むしろ一緒に食べたいって思うようになって。自分でも戸惑ってて。でも俺はあの日碧くんのことを信じられなくて。敦と別人だと知らなくても何か違うって分かってたはずなのに俺はあんなことを言って突き放してしまった。本当にごめん。本当に急に手のひら返しのような態度で不信感もあるだろうし、俺の勝手なわがままなんだけど少しづつ前みたいに一緒にご飯食べたりお話できるようになりたい。」
皇様は苦しそうな顔をしながらそう話した。
またご飯食べたりお話できるようになりたい、そう思ってくれてるっていうのがすごく嬉しくて少し心が元気になる。
「謝らないでください。兄の振りをしてたんだからそんなの当然の反応だし、兄が昔皇様が可愛がってたネコをいじめて死なせてしまったっていうのも九条様に聞きました。兄に代わって謝らせてください。ごめんなさい。
一緒にご飯食べてくれて、連絡先交換していただけて、色んな初めての心があったかくなることが皇様のおかげでありました。本当に感謝しているんです。あの5人のことも皇様が対応してくださったと聞きました。本当にありがとうございます。
僕もまた一緒にご飯食べたりお話したりしたいです...」
「良かった.....ありがとう.....」
その後は僕の今の体調や何か食べたいものがないか聞かれたりした。
あんまり食べれてないことを伝えると、皇様はちょっと辛そうな顔をしたあと、こんな提案をしてきた。
「もし嫌じゃなかったら、夜ご飯、一緒にここで食べたらダメかな?」
「一緒に...ですか?」
「ごめん、がっつきすぎた。今日やっと久しぶりに話せたのにさすがに一緒にご飯は早いよな。もう少し慣れたら...どうかな?」
「今日はまだちょっと分からないですけど、もう少し慣れたらぜひ一緒にご飯食べたいです。そうできるように頑張ります。」
「無理はしないでね。いくらでも待つから。」
そう言って、最初から長くいると負担になるだろうからと皇様は帰って行った。
深く息を吐く。
やっぱり少し緊張していたみたいだ。
でもそうありながらも少し気持ちが前向きになれてる自分がいる。
「碧くん、大丈夫?無理してない?少し疲れただろうから今日はご飯食べたらお休みしようね。でも表情、少し良くなってるよ。」
優木先生にそう言われ、この調子なら少しづつリハビリしていけるかもしれない、そう思った。
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