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交わる 其の五
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五
「だいたいはこれで終わりやしたかね」
そう告げた宗次郎は、修理が終わっていないいくつかの鍋を残し、使用人の女に声を掛けた。
「あら、少しのこっちゃったね。まあ、沢山あったし、仕方ないね。ご苦労さん」
その様子を見に来た女は、空を見て時刻を確認し、終わらぬ物があっても仕方ないと礼を告げた。
宗次郎は労いに軽く頭を下げる。
「終わらせられずにすんません。明日また伺いますんで」
「そうしてくださいな。明日、全ての代金を渡すわ」
その言葉に、「へい」と返事をした宗次郎は帰り支度をする。
今回残してしまったいくつかの鍋も、急げば全てを終わらせられるはずだった。
しかし、宗次郎はいくらか手を抜いてやり残しを生み出したのだ。
今回探りそびれた金魚関連の情報を得るためである。
先程の失態の後では、今日の今日でまた世間話を振っても良い情報が得られないとの判断による。
そのため、本日のところはあっさりと引き上げて明日仕切り直しとしたのだ。
これでまた担当が変わってくれれば話を聞きやすくなるという目論見もある。
ともあれ、今日の探索はこれで終わりとなった。
宗次郎は、金魚長屋へと足早に帰っていった。
※
明くる日、宗次郎は改めて石川玄蕃頭屋敷に赴くと、昨日同様に裏口から声を掛けた。
これもまた昨日と同じ使用人の女が裏口を開け、作業場所へと誘う。
そこでは、やり残しの鍋が積まれていて、すぐに作業ができるようになっていた。
「ご準備いただきまして、ありがとうございやす」
そのことに対し、宗次郎は使用人の女へ礼を言った。
すると女は、そっけなく否定する。
「大した事じゃありませんよ。すぐに取り掛かってくださいな」
昨日の聞き込みの影響か、態度が硬化している様子が見受けられる。
無言で立ち去るわけにはいかないから、一言二言は相手にするが、すぐに離れたいという感情が見え隠れしている。
そこで宗次郎は関係のない話題を振って態度を軟化させようと試みた。
「そういやあ、清次から聞きましたが、御隠居様は金魚の育成がお上手なんで?」
「あらやだ、そんな話まで知ってるの? そうなのよ、御隠居様は金魚に目がなくてね。近所でも評判になるくらい美しい金魚をお育てになってるんだって。最近は特に凄いらしいの」
雇い主を褒められて悪い気がする使用人はいない。
宗次郎の狙いの通り、そういった話であれば口を開いてくれるらしい。
この使用人の女は直接金魚を見たわけではないらしいが、金魚好きというのは聞き及んでいるようだ。
「そいつは凄えや。まさに天は二物を与えるって言葉はご隠居様にあるみてぇだ。どうやったらそんな金魚を育てられるのか、皆目検討もつかねえや」
「何でも、たくさんの卵を孵して、その中から綺麗な仔を育ててるって聞いたね」
「そうなんですかい? てっきり御大尽様のように育った金魚を買い集めているのかと思ってましたよ」
「たしかにウチならそういう事もできるだろうさ。でも御隠居様はそんな事しないんじゃないかね。人と争うなら譲っちまうようなお人だからさ」
「お殿様ってのは人間も素晴らしいってことですね!」
「そうさね。さあ、お喋りはこのくらいにして鍋の穴を塞いでおくれ」
話の切れ目を察した使用人の女は、鋳掛仕事を始めるように促した。
宗次郎にとっても、聞けることはあらかた聞いたと判断したのか、素直に返事をして、作業に没頭する。
その後、世間話をするわけでもなく仕事を終わらせ、鋳掛屋として屋敷を去っていった。
※
長屋に帰った宗次郎は、大家に挨拶と進捗の報告を済ませ、鋳掛道具を返しに清次の部屋を訪れた。
部屋の中に入ってみれば、ここ数日と変わらぬ光景。
座り込んで空の桶を眺めながらブツブツと呟いている清次が見えるのみ。
ただ、ここ数日は長屋の皆が協力し合って、清次の介護をしているため、そこまでひどい生活環境ではなくなっている。
着替えや掃除などは何とかなっている。しかし、飯を食わせるのが苦労している状況である。
それでも宥めすかして、何とか食わせていて、生命を維持しているといった状況だ。
あまりゆっくりしていると、長屋で支えるという今の状況も続けられなくなってしまう。
宗次郎は、着替えを済ますと急いで本田屋敷に戻り、侘しい夕餉を摂ると、再び屋敷を抜け出した。
向かうは金魚長屋。
先日、金魚同好会について話してくれた男に、情報共有の体裁をとった聞き込みを行うためである。
やはり、寝静まった長屋でおきた窃盗事件であるから、何かしら長屋の住人が関与した可能性が否定できない。
そう判断した宗次郎は、暗がりの道を進む。
やがて辿り着いた金魚長屋では、チラホラと明かりが漏れていた。
そのうちの一つ。『た』と大きく書かれた障子戸越しに訪いを告げる。
「多吉さん、池田宗次郎だ。今、少し良いか?」
「池田様ですかい。むさ苦しい所で良ければ、どうぞお入りくだせえ」
「邪魔する。夜分にすまぬな」
「とんでもない。清次のために動いてくださってるのですから、刻限などお気になさらず」
「助かる。先程様子を見たが、清次に変化はなさそうだな」
「へい。相変わらずでさぁ。で、あっちの方はどうですかい?」
いささか不躾である質問を投げかけた多吉。
変わらぬ現状になにか変化の兆しを求めているようだ。
それが分かるのか、宗次郎は多吉の態度を特に咎めることはせず、質問に答える。
「そっちもな。そこまで大きく捗っておらん。ただ、御隠居様の情報は集まった。人柄は穏やかで、熱心に金魚を育てているような人物だそうだな」
「そうですかい。ええ、御隠居様は平民のあっしにも分け隔てなく話しかけてくれる出来たお人でさぁ。あの御方が悪さするとは考えられねえですよ」
「聞き及んだ人物像と一致するな。ただ、金魚のことにだいぶ入れ込んでいる印象ではあったが……」
「それを言っちゃあ、清次も若旦那も変わりないと思いやすよ? 愛好家と呼ばれる人間は、多かれ少なかれ同じような面があると言っても過言じゃねえ」
「それは多吉さんもか?」
「あっしは、そこまで入れ込めなくて距離を取ってましてね。金魚は好きですが、酒も女も好きなんでさあ。金魚ばかりにかまけていられねえんですよ」
正直な告白に微笑みを浮かべた宗次郎は、同意を示す。
「某もそっちの口だ。雑念が多くて困る」
「池田様は、ご立派な御方じゃねえですか。金にならねえのに、清次のために動いてくださって」
「それは多吉さんを始めとした長屋の皆も同じではないか。甲斐甲斐しく世話をしているおかげで、清次が生きていられるというものだ」
「お調子者の清次のあんな姿を見ちゃあ、じっとしていられませんや。早く戻ってくると良いんですがね、金魚の太郎次が」
「そうだな。正直、清次のあの様子は見ていられん。早くなんとかせねば」
「皆もなけなしの金を持ち寄って、清次の世話をしておりやす。だから分かるんでさあ。長屋の連中で今回の件に関わったやつはいねえですよ、池田様。清次の様子を見て、普段通りにしていられる奴なんて人間じゃねえ。御隠居様が怪しくねえんなら、若旦那が怪しい。そうじゃありやせんか?」
多吉の問いに言葉を飲み込んだように、曖昧に頷いた宗次郎。
宗次郎の胸の内は、そこまでハッキリとしたものではなかったようだ。
「だいたいはこれで終わりやしたかね」
そう告げた宗次郎は、修理が終わっていないいくつかの鍋を残し、使用人の女に声を掛けた。
「あら、少しのこっちゃったね。まあ、沢山あったし、仕方ないね。ご苦労さん」
その様子を見に来た女は、空を見て時刻を確認し、終わらぬ物があっても仕方ないと礼を告げた。
宗次郎は労いに軽く頭を下げる。
「終わらせられずにすんません。明日また伺いますんで」
「そうしてくださいな。明日、全ての代金を渡すわ」
その言葉に、「へい」と返事をした宗次郎は帰り支度をする。
今回残してしまったいくつかの鍋も、急げば全てを終わらせられるはずだった。
しかし、宗次郎はいくらか手を抜いてやり残しを生み出したのだ。
今回探りそびれた金魚関連の情報を得るためである。
先程の失態の後では、今日の今日でまた世間話を振っても良い情報が得られないとの判断による。
そのため、本日のところはあっさりと引き上げて明日仕切り直しとしたのだ。
これでまた担当が変わってくれれば話を聞きやすくなるという目論見もある。
ともあれ、今日の探索はこれで終わりとなった。
宗次郎は、金魚長屋へと足早に帰っていった。
※
明くる日、宗次郎は改めて石川玄蕃頭屋敷に赴くと、昨日同様に裏口から声を掛けた。
これもまた昨日と同じ使用人の女が裏口を開け、作業場所へと誘う。
そこでは、やり残しの鍋が積まれていて、すぐに作業ができるようになっていた。
「ご準備いただきまして、ありがとうございやす」
そのことに対し、宗次郎は使用人の女へ礼を言った。
すると女は、そっけなく否定する。
「大した事じゃありませんよ。すぐに取り掛かってくださいな」
昨日の聞き込みの影響か、態度が硬化している様子が見受けられる。
無言で立ち去るわけにはいかないから、一言二言は相手にするが、すぐに離れたいという感情が見え隠れしている。
そこで宗次郎は関係のない話題を振って態度を軟化させようと試みた。
「そういやあ、清次から聞きましたが、御隠居様は金魚の育成がお上手なんで?」
「あらやだ、そんな話まで知ってるの? そうなのよ、御隠居様は金魚に目がなくてね。近所でも評判になるくらい美しい金魚をお育てになってるんだって。最近は特に凄いらしいの」
雇い主を褒められて悪い気がする使用人はいない。
宗次郎の狙いの通り、そういった話であれば口を開いてくれるらしい。
この使用人の女は直接金魚を見たわけではないらしいが、金魚好きというのは聞き及んでいるようだ。
「そいつは凄えや。まさに天は二物を与えるって言葉はご隠居様にあるみてぇだ。どうやったらそんな金魚を育てられるのか、皆目検討もつかねえや」
「何でも、たくさんの卵を孵して、その中から綺麗な仔を育ててるって聞いたね」
「そうなんですかい? てっきり御大尽様のように育った金魚を買い集めているのかと思ってましたよ」
「たしかにウチならそういう事もできるだろうさ。でも御隠居様はそんな事しないんじゃないかね。人と争うなら譲っちまうようなお人だからさ」
「お殿様ってのは人間も素晴らしいってことですね!」
「そうさね。さあ、お喋りはこのくらいにして鍋の穴を塞いでおくれ」
話の切れ目を察した使用人の女は、鋳掛仕事を始めるように促した。
宗次郎にとっても、聞けることはあらかた聞いたと判断したのか、素直に返事をして、作業に没頭する。
その後、世間話をするわけでもなく仕事を終わらせ、鋳掛屋として屋敷を去っていった。
※
長屋に帰った宗次郎は、大家に挨拶と進捗の報告を済ませ、鋳掛道具を返しに清次の部屋を訪れた。
部屋の中に入ってみれば、ここ数日と変わらぬ光景。
座り込んで空の桶を眺めながらブツブツと呟いている清次が見えるのみ。
ただ、ここ数日は長屋の皆が協力し合って、清次の介護をしているため、そこまでひどい生活環境ではなくなっている。
着替えや掃除などは何とかなっている。しかし、飯を食わせるのが苦労している状況である。
それでも宥めすかして、何とか食わせていて、生命を維持しているといった状況だ。
あまりゆっくりしていると、長屋で支えるという今の状況も続けられなくなってしまう。
宗次郎は、着替えを済ますと急いで本田屋敷に戻り、侘しい夕餉を摂ると、再び屋敷を抜け出した。
向かうは金魚長屋。
先日、金魚同好会について話してくれた男に、情報共有の体裁をとった聞き込みを行うためである。
やはり、寝静まった長屋でおきた窃盗事件であるから、何かしら長屋の住人が関与した可能性が否定できない。
そう判断した宗次郎は、暗がりの道を進む。
やがて辿り着いた金魚長屋では、チラホラと明かりが漏れていた。
そのうちの一つ。『た』と大きく書かれた障子戸越しに訪いを告げる。
「多吉さん、池田宗次郎だ。今、少し良いか?」
「池田様ですかい。むさ苦しい所で良ければ、どうぞお入りくだせえ」
「邪魔する。夜分にすまぬな」
「とんでもない。清次のために動いてくださってるのですから、刻限などお気になさらず」
「助かる。先程様子を見たが、清次に変化はなさそうだな」
「へい。相変わらずでさぁ。で、あっちの方はどうですかい?」
いささか不躾である質問を投げかけた多吉。
変わらぬ現状になにか変化の兆しを求めているようだ。
それが分かるのか、宗次郎は多吉の態度を特に咎めることはせず、質問に答える。
「そっちもな。そこまで大きく捗っておらん。ただ、御隠居様の情報は集まった。人柄は穏やかで、熱心に金魚を育てているような人物だそうだな」
「そうですかい。ええ、御隠居様は平民のあっしにも分け隔てなく話しかけてくれる出来たお人でさぁ。あの御方が悪さするとは考えられねえですよ」
「聞き及んだ人物像と一致するな。ただ、金魚のことにだいぶ入れ込んでいる印象ではあったが……」
「それを言っちゃあ、清次も若旦那も変わりないと思いやすよ? 愛好家と呼ばれる人間は、多かれ少なかれ同じような面があると言っても過言じゃねえ」
「それは多吉さんもか?」
「あっしは、そこまで入れ込めなくて距離を取ってましてね。金魚は好きですが、酒も女も好きなんでさあ。金魚ばかりにかまけていられねえんですよ」
正直な告白に微笑みを浮かべた宗次郎は、同意を示す。
「某もそっちの口だ。雑念が多くて困る」
「池田様は、ご立派な御方じゃねえですか。金にならねえのに、清次のために動いてくださって」
「それは多吉さんを始めとした長屋の皆も同じではないか。甲斐甲斐しく世話をしているおかげで、清次が生きていられるというものだ」
「お調子者の清次のあんな姿を見ちゃあ、じっとしていられませんや。早く戻ってくると良いんですがね、金魚の太郎次が」
「そうだな。正直、清次のあの様子は見ていられん。早くなんとかせねば」
「皆もなけなしの金を持ち寄って、清次の世話をしておりやす。だから分かるんでさあ。長屋の連中で今回の件に関わったやつはいねえですよ、池田様。清次の様子を見て、普段通りにしていられる奴なんて人間じゃねえ。御隠居様が怪しくねえんなら、若旦那が怪しい。そうじゃありやせんか?」
多吉の問いに言葉を飲み込んだように、曖昧に頷いた宗次郎。
宗次郎の胸の内は、そこまでハッキリとしたものではなかったようだ。
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