犯され探偵

白石潤之介

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土曜日の夜

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 土曜日の夜・・・

 といっても夕方と言った方が、正確かもしれない。


 わたしが、立川の自宅で『連続婦女暴行事件』ってミステリー小説を執筆していると優作くんから電話があり、今西武ドームで西武ライオンズvs.日本ハムファイターズを観戦しているという事だった。

 確か?優作くんは、容疑者の角田を見張っているはずだが・・・と記憶を巡らせた。

 「優作くん、角田はどうしたのよ?あなた、見張りで尾行してるハズでしょ!それにあなたは巨人ファンじゃなかった?それとも西武か日ハムのファンに、鞍替くらがえしたの?」
と優作くんに問いただすと

 「友香ちゃん、話は最後まで聞いてね!」
 「聞きますよ、早く言ってよ」
 「ここに、角田もいるんですよ。尾行して着いてきたら所沢ところざわに来ちゃったんです、ガソリン代経費で、出してくださいよ、友香さん」

 「経費の事は管爺すがじいに、言っておきます。でも、電車じゃなくてバイクで行ったんだ?」

 「角田もオートバイ持ってて、下宿の中野から電車じゃなくて、オートバイで『所沢』まで遠征って感じですね!しかも角田のヤツ生意気に、浪人の分際で限定解除の免許らしくて1100ccのバイクに乗ってるんよ・・・ムつく!」

 「優作くん、あなただって1100ccのバイクに乗ってるじゃない?」
 「友香さん、角田は浪人ですよ・・・身分不相応みぶんふそうおうだって言ってるんです」
 「優作くんだって、探偵の見習いの分際で限定解除っていう免許を取って、生意気に1100ccのバイクに乗ってたんじゃなかったっけ?」

・・・と角田の話から、どんどん脱線してゆく友香と優作であった。




 





 

   
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