上 下
2 / 9
第0章 出会い

第2話 悪魔との出会い2

しおりを挟む
「お前、今何つった?」

 怖い笑みを浮かべて、悪魔は、彼の発言をもう一度聞く。

「え? あっごめんなさい……友達になりたいって……言いました……」

 少年はビクビクしながら答える。

「…………」

「あっごめんなさい! 嫌ならいいんです。忘れて下さい」

 口を開いて無言の悪魔に、つい謝罪する。

「何謝ってるんだ?」

 悪魔は強い口調で大きな声を出す。

「ひぃっ!!」

 悪魔の怒鳴ったような声を聞きビグッ驚く。[終わりだ! 終わってしまった!]と心で叫ぶ。

「良いに決まってるじゃねーかぁ!! まさか、みたいな奴と出会えるとはな!」

「え?」

 予想とは良い意味で違ったことに驚く。

「俺は、ビルファ! お前の名前は?」

「僕は、亜使あつか 虹夜にじや……です……」

「そうか、虹夜か。よろしくな、俺の友達!」

「えっ? 友達?」

「お前が頼んだんだろ! 何戸惑ってるんだ?」

「ご……ごめんなさい…………」

 ビルファの圧に萎縮し、つい謝る」

「そうじゃねーだろ! 謝ってんじゃねーよ!」

 彼は、虹夜の謝罪を注意する。

「そういう時は、言うことがあるだろ? 敬語も、そう言うキャラなら構わねぇが、別にしなくても良いんだよ! 今なったばかりでも、俺たちはもう友達だ!」

「そう……だよね」

 虹夜は、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

「よろしくね! ビルファ」

「ああ、俺からもよろしくな! 虹夜!」

 優しい笑顔で虹夜が、悪魔らしい笑みを浮かべてビルファが、握手を交わす。

「折角、友達になったんだから、友好の儀式的なやつしようよ!」

「なんだそれ、やってみろ!」

「ビルファ、手を貸して」

「ん」

 彼は、ビルファの右手を開いて自分と同じ方の手の平で叩《はた》き、2人は拳を握り、左右にたたく、最後に拳同士を合わせ上に上げて離す。

「こういうのも、良いものだな!」

「でしょ! 人にもよるけど、友達とこういうのもやったりするんだ! 友情の儀っていうの」

「友情の儀か、なら俺は、お前と友人としてを結びてぇんだが、良いか?」

「契約? どういうこと?」

 ビルファの契約という言葉に、彼は少し戸惑った。
しおりを挟む

処理中です...