デビル・フレンズ

魔王なおチュウ(魔闇直樹)

文字の大きさ
7 / 9
第1章 偽りの天使

第3話 自分の正義の為に 虹夜VS光

しおりを挟む
 虹夜たちは、戦う前に近くにある広い公園へと移動した。

「早く始めようよ。君が僕に勝てるとは思わないけど」

 光は虹夜を強い敵意で睨みつけ距離をあける。

「あの場所で戦うと周りの建物とかが壊れるかも知らないから場所を変えただけなのに、天心君は随分とせっかちなんだね」

 虹夜も距離を後ろ歩きであける。

「亜使君、そろそろいいかな?」

「うん、始めよう」

 虹夜は頷く。

「それじゃあ、行くよ!!」

 光は、自身の魔法遺伝子の光属性の魔法を放つ。

「閃光弾!!」

 レンガブロックサイズの十数個の光の弾丸が相手の方へ飛んでいく。

「属性変化・闇」

 虹夜は、身体自体を闇属性する。そして右手を前に出し黒い瘴気を目の前に展開する。

闇瘴気の盾ダーク・オーロラ・プロテクト

 それにより光の放った光魔法を闇で消し去っていく。

 そのまま展開した黒い瘴気で相手を包むように飛ばす。

[あの量の閃光弾を全て消した!? しかもそれを飛ばしてくるなんて!!]

輝きの大剣シャイニング・ラージソード

 光は、光属性の魔法で大剣を生み出し近づいてきた瘴気を振り下ろす。

 大剣は瘴気から光を吸収され消えかかる。

 光は強い形相をしながら大剣に魔力を込める。

 黒い瘴気は、限界まで吸収して消滅する。

[亜使虹夜君……相当な魔力が無いとあんな強固な瘴気を出せない筈だ……一体彼は何者なんだ?]

 呼吸が荒くなるほど光は追い詰められる。

[いや、待てよ!? さっきの瘴気で魔力をかなり使ったはずだから今一気に攻撃すれば勝てる!!]

「おい、光野郎!」

 2人の戦いを見ていたビルファは光に声をかける。

「お前じゃ虹夜に勝てねぇ」

 ビルファは顔を横に振る。

「そんなのわからない! 何でそんなことが言えるんだ!?」

 光はゼェゼェと呼吸し怒鳴り声を上げる。

「今、虹夜の闇瘴気の盾ダーク・オーロラ・プロテクトにお前の剣を不良かざしたが、お前は瘴気を切り裂き消滅させたわけじゃなく、魔力を限界まで吸わせて消したって訳だ!」

「それがどうした!!」

 光はビルファを睨みつける。

「お前の魔力の大半は消えたっつうことだ。魔力があったところで瘴気を切り裂けなかった。そんな奴が虹夜の他の魔法を捌き切れるのか? しかも魔力もかなり消耗している」

「これなら亜使君も同じだろう!!」

 彼は説明をする悪魔を強い殺意と形相で睨みつけ叫ぶ。

「フッ……グハハハハッ!!」

 ビルファはあまりの可笑しさに笑い声を上げる。

「お前! 虹夜が本気だと思ってんのか!? お前が瘴気に剣の魔力を吸っている間に虹夜が攻撃してたらどうするつもりだったんだ!?」

「え……?」

 光はよく考えたらその通りだと思い口を開く。

「だ……だとしても亜使君もさっきの魔法で魔力を使っている筈だ!!」

 光は焦りつつ諦められず虹夜に今自分が出せる最大の魔法を繰り出す。

「いくら魔力を消費したとしても、この魔法を使うくらいは残ってる!」

輝かしい爆光線シャイニング・エクス・バースト!!」

 強い光で地面を焼きながら光線が虹夜を襲う。

闇の腕鎧ダークネス・アーム

 虹夜の右腕を黒い鎧が巻き付きそれで光線を受け止める。

闇の光線ダーク・ビーム

 闇の腕鎧を纏った手から光線を放つ。

 虹夜の光線が光の光線を押していく。

「嘘だ! 嘘だ! 僕の魔法が僕よりも下位の魔法に負ける訳ない!! しかもこんなに魔力が残ってる何て!!」

「光野郎、お前に1ついいことを教えてやる」

 ビルファは怖い笑みを浮かべて一言伝える。

「虹夜の魔力量は、勇者に匹敵する」

「うわーーー!!」

 虹夜の闇の光線が光の光線を破り、直撃する。

 そして、光は膝から崩れ落ち地面にうつ伏せで倒れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...