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第30話 婚約解消
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「ジョン・スターリンは、どうしてあれほどの権力を持ち続けることが出来たのかしら?」
アランソン姉妹が、あんなに学校で偉そうにしていたことを思うと、おばあさまの鶴の一声で簡単に退場させられるだなんて、釈然としないわ。
「まあ、アランソン公爵家はものすごく大きいからね。当然、管理も難しい」
セス様が説明してくれた。
ジョンがアランソン公爵を名乗れたのは、現場を握っているという点が大きかった。
アランソン公爵夫妻が亡くなっても、ジョンが総管理者であることに変わりはない。使用人たちから見れば、今までと何の変わりもなかった。
そのまま忠実に領地や館の管理を続けていればよかったものを、下手に親戚だったのが、野心を産んだ。
邪魔なのは、遺された私ただ一人。
しかも疫病を恐れて、今は辺境の屋敷に住んでいる。顔を見た者も少ない。このまま死んでしまえば……
「結構、実行派だったのね、彼」
おばあさまはため息をついた。
「最初は何もこなかったのにねえ」
おそらくスターリンが放ったと思われる刺客が、月一の頻度で現れたのだという。どう聞いても有罪だろう。効果がなかったとしてもだ。
「恐ろしい」
殿下がポツリと言った。
「恐ろしいというより、手間でね」
おばあさまはケロリとしていた。
「それで保護魔法をかけてしまったの。見かけを変えることで標的を見失うことと、保護魔法がかかっている間、毒も呪いも効かないの。もちろん、病気もね」
「便利ですわ、おばあさま!」
「でしょう!」
おばあさまは鼻高々だ。
「もう一度かけてもらいたいくらいですわ!」
一人殿下だけが、なぜか浮かない顔をしていた。
「別な見かけと言うわけにはいかなかったのですか?」
「あれは本人の希望よ」
「目立たなくて、とても居心地、よかったです」
私は心からそう言い、おばあさまも満足げに言った。
「目立ってしまっては、保護魔法の意味がありませんからね」
平民面とかブスとか言われたけど、その分気楽だった。
虐められた理由は、貴族の学校に平民として入学してしまったからで……
「そこそこの目立たぬ貴族の娘と言う設定で入学させてもらった方が、楽が出来たような気がしますわ」
「でも、寮を他の貴族の娘たち、特にアランソンを名乗る娘たちから離しておきたかったの。あの子たちがあなたを心理的にいじめにかかると思ったのよ。それは保護膜ではいかんともしがたいので、念のため、寮は貴族寮と別にしておいた方がいいかと思って」
それは私も猛烈に納得した。
確かに、あのご令嬢方とは同じ寮にいたくないわ。
「さすがはおばあさま!」
「そのために今年の平民の特待生希望者は、全員不合格にしたのよ。平民と同じ寮には入れられませんからね」
おばあさまはいかにも得意げだったが、私は絶句した。やることデカいな。それと、おばあさまも平民蔑視だったの?
殿下が口を挟んだ。
「それよりジョン・アランソン……いやスターリンを野放しにしない方がよかったのではないですか? 娘たちもアランソン公爵令嬢を気取ってしたい放題でしたし。あんな男に権力を握らせて……」
おばあさまは殿下を諭すような口ぶりになった。
「ジョン・スターリンは、昔からケチで財産を増やすことにかけては天才的だったのよ。領地経営をさせるにはうってつけの人物だったの」
「そんな理由で……」
「領地を他の貴族に荒らされたり、管理不行き届きで家畜をダメにするわけにはいかないわ」
その通りだわ!
「本当におばあさまは行き届いてらっしゃる!」
「でも、やっぱり人間は腐って来るものなのね。莫大な資産と権力を目の前にして邪まな野心が出たのね」
おばあさまはため息をついた。
「私に領地管理は無理なので」
「簡単にあきらめないでください、ベリー公爵夫人!」
殿下が小声で言った。
「無理なものは無理だから」
えーと、おばあさまはやる気ないから。
「そんなわけで、今回、ジョン・スターリンはクビにせざるを得なくなったので、陛下にお願いして、セスを借りたの」
セス様がビクッとしていた。
「あの、ベリー公爵夫人?」
「領地管理、お願いね」
「いや、ちょっと! あの、私は魔法塔で仕事が、あのっ……」
おばあさま、その丸投げは、いくらなんでも無責任では?
セス様が珍しく狼狽してるし。
セス様は、大魔術師ですよ? 畑違いもいいとこですよ?
「じゃー、私は陛下と晩餐の約束があるので。あとでまたね、ポーシャ」
陛下って、あの陛下?
国王陛下?
呆然と見送る私を押し退けて、殿下がおばあさまに話しかけた。
「もう一つだけ!」
「なあに? ルーカス」
おばあさま! これ、腐っても王子様なんですけど? 呼び捨て?
「ジョン・アランソン男爵の処遇についてはわかりました。セスがしっかり証拠を押さえているなら、それでいいでしょう。結果、どう言う裁定が下されるかは見守っていればいいと思います。ところで、ポーシャ嬢に、はっきりベリー公爵夫人の口から、私とポーシャ嬢との婚約について説明していただきたく! ポーシャ嬢は勘違いをしておられまして……」
「まああ……」
おばあさまは殿下の言い分を聞いて、困った顔になった。
「そうだったの? ポーシャを押し付けて悪かったわ。これまでありがとう、ルーカス殿下」
え?
「婚約者のふりをさせてしまって、申し訳なかったわ」
目に見えて焦りだした殿下が言いだした。
「そうではなくて、この婚約を公式のものとして、えーと、僕をポーシャの婚約者として……」
おばあさまが眉を下げて、優しく言いだした。
「気にしなくていいわ。おかげで助かりました、ありがとう。あなたも自由になりたいのですね。ポーシャは私に似て自由人なところがあって、これまで大変だったでしょうし、もうポーシャにあなたの邪魔はさせませんわ。婚約は解消しましょう、役目も終わったことだし」
「違います! そんなつもりではなくて! 逆です、逆!」
おばあさまは思い込みが強い。にっこり殿下に向かって笑って見せると、そのまま広間を出て行ってしまった。多くの侍従たち、貴族たちは、いかにも当然と言った様子で、きらびやかな広間を一緒に退出していった。
「ベリー公爵夫人ーッ!」
後に残ったのは、殿下とセス様と私だった。
殿下は呆然としていた。
セス様は、おばあさまの出した指令を聞いてうんざりしたような顔をしていた。
「公爵夫人の命令には逆らえない……俺のお師匠様だから」
おばあさま、ますます何者?
「……僕の大伯母様だよ」
ものすごく肩を落とした殿下が言った。
「え?」
「陛下の伯母君だ」
それは……王侯中の王侯なのでは……。
「そうだね。でもね、何が困ったって、大魔法使いなんだよ」
セス様が小さな声で言った。
「それから、勘違いが絶大で……思い込んだら修正が効かないんだ」
殿下が泣きそうな調子で言った。
アランソン姉妹が、あんなに学校で偉そうにしていたことを思うと、おばあさまの鶴の一声で簡単に退場させられるだなんて、釈然としないわ。
「まあ、アランソン公爵家はものすごく大きいからね。当然、管理も難しい」
セス様が説明してくれた。
ジョンがアランソン公爵を名乗れたのは、現場を握っているという点が大きかった。
アランソン公爵夫妻が亡くなっても、ジョンが総管理者であることに変わりはない。使用人たちから見れば、今までと何の変わりもなかった。
そのまま忠実に領地や館の管理を続けていればよかったものを、下手に親戚だったのが、野心を産んだ。
邪魔なのは、遺された私ただ一人。
しかも疫病を恐れて、今は辺境の屋敷に住んでいる。顔を見た者も少ない。このまま死んでしまえば……
「結構、実行派だったのね、彼」
おばあさまはため息をついた。
「最初は何もこなかったのにねえ」
おそらくスターリンが放ったと思われる刺客が、月一の頻度で現れたのだという。どう聞いても有罪だろう。効果がなかったとしてもだ。
「恐ろしい」
殿下がポツリと言った。
「恐ろしいというより、手間でね」
おばあさまはケロリとしていた。
「それで保護魔法をかけてしまったの。見かけを変えることで標的を見失うことと、保護魔法がかかっている間、毒も呪いも効かないの。もちろん、病気もね」
「便利ですわ、おばあさま!」
「でしょう!」
おばあさまは鼻高々だ。
「もう一度かけてもらいたいくらいですわ!」
一人殿下だけが、なぜか浮かない顔をしていた。
「別な見かけと言うわけにはいかなかったのですか?」
「あれは本人の希望よ」
「目立たなくて、とても居心地、よかったです」
私は心からそう言い、おばあさまも満足げに言った。
「目立ってしまっては、保護魔法の意味がありませんからね」
平民面とかブスとか言われたけど、その分気楽だった。
虐められた理由は、貴族の学校に平民として入学してしまったからで……
「そこそこの目立たぬ貴族の娘と言う設定で入学させてもらった方が、楽が出来たような気がしますわ」
「でも、寮を他の貴族の娘たち、特にアランソンを名乗る娘たちから離しておきたかったの。あの子たちがあなたを心理的にいじめにかかると思ったのよ。それは保護膜ではいかんともしがたいので、念のため、寮は貴族寮と別にしておいた方がいいかと思って」
それは私も猛烈に納得した。
確かに、あのご令嬢方とは同じ寮にいたくないわ。
「さすがはおばあさま!」
「そのために今年の平民の特待生希望者は、全員不合格にしたのよ。平民と同じ寮には入れられませんからね」
おばあさまはいかにも得意げだったが、私は絶句した。やることデカいな。それと、おばあさまも平民蔑視だったの?
殿下が口を挟んだ。
「それよりジョン・アランソン……いやスターリンを野放しにしない方がよかったのではないですか? 娘たちもアランソン公爵令嬢を気取ってしたい放題でしたし。あんな男に権力を握らせて……」
おばあさまは殿下を諭すような口ぶりになった。
「ジョン・スターリンは、昔からケチで財産を増やすことにかけては天才的だったのよ。領地経営をさせるにはうってつけの人物だったの」
「そんな理由で……」
「領地を他の貴族に荒らされたり、管理不行き届きで家畜をダメにするわけにはいかないわ」
その通りだわ!
「本当におばあさまは行き届いてらっしゃる!」
「でも、やっぱり人間は腐って来るものなのね。莫大な資産と権力を目の前にして邪まな野心が出たのね」
おばあさまはため息をついた。
「私に領地管理は無理なので」
「簡単にあきらめないでください、ベリー公爵夫人!」
殿下が小声で言った。
「無理なものは無理だから」
えーと、おばあさまはやる気ないから。
「そんなわけで、今回、ジョン・スターリンはクビにせざるを得なくなったので、陛下にお願いして、セスを借りたの」
セス様がビクッとしていた。
「あの、ベリー公爵夫人?」
「領地管理、お願いね」
「いや、ちょっと! あの、私は魔法塔で仕事が、あのっ……」
おばあさま、その丸投げは、いくらなんでも無責任では?
セス様が珍しく狼狽してるし。
セス様は、大魔術師ですよ? 畑違いもいいとこですよ?
「じゃー、私は陛下と晩餐の約束があるので。あとでまたね、ポーシャ」
陛下って、あの陛下?
国王陛下?
呆然と見送る私を押し退けて、殿下がおばあさまに話しかけた。
「もう一つだけ!」
「なあに? ルーカス」
おばあさま! これ、腐っても王子様なんですけど? 呼び捨て?
「ジョン・アランソン男爵の処遇についてはわかりました。セスがしっかり証拠を押さえているなら、それでいいでしょう。結果、どう言う裁定が下されるかは見守っていればいいと思います。ところで、ポーシャ嬢に、はっきりベリー公爵夫人の口から、私とポーシャ嬢との婚約について説明していただきたく! ポーシャ嬢は勘違いをしておられまして……」
「まああ……」
おばあさまは殿下の言い分を聞いて、困った顔になった。
「そうだったの? ポーシャを押し付けて悪かったわ。これまでありがとう、ルーカス殿下」
え?
「婚約者のふりをさせてしまって、申し訳なかったわ」
目に見えて焦りだした殿下が言いだした。
「そうではなくて、この婚約を公式のものとして、えーと、僕をポーシャの婚約者として……」
おばあさまが眉を下げて、優しく言いだした。
「気にしなくていいわ。おかげで助かりました、ありがとう。あなたも自由になりたいのですね。ポーシャは私に似て自由人なところがあって、これまで大変だったでしょうし、もうポーシャにあなたの邪魔はさせませんわ。婚約は解消しましょう、役目も終わったことだし」
「違います! そんなつもりではなくて! 逆です、逆!」
おばあさまは思い込みが強い。にっこり殿下に向かって笑って見せると、そのまま広間を出て行ってしまった。多くの侍従たち、貴族たちは、いかにも当然と言った様子で、きらびやかな広間を一緒に退出していった。
「ベリー公爵夫人ーッ!」
後に残ったのは、殿下とセス様と私だった。
殿下は呆然としていた。
セス様は、おばあさまの出した指令を聞いてうんざりしたような顔をしていた。
「公爵夫人の命令には逆らえない……俺のお師匠様だから」
おばあさま、ますます何者?
「……僕の大伯母様だよ」
ものすごく肩を落とした殿下が言った。
「え?」
「陛下の伯母君だ」
それは……王侯中の王侯なのでは……。
「そうだね。でもね、何が困ったって、大魔法使いなんだよ」
セス様が小さな声で言った。
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