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第29話 アルコールを有効活用する人たち
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「驚くだろ。まだストーカーの方がましだぞ。まずく勘ぐられても、君が誘ったとかその程度だ。オレなんか元妻だ。もう、何年も会ってないのに。日記なんか残しやがって。どうせ、おれのことなんか、たいして書いていないらしいから、どうでもいいけど」
私が驚愕したのは、日記じゃない。今の言葉の意味をそのまま取ると、私が撃ったのは、バルク少佐の元の奥さんだったのか?
私はわれを忘れて、まじまじと少佐の顔を見つめた。
それから、目を逸らし、テーブルの上の料理を見つめた。
少佐の言葉の意味が理解できてくると同時に、しまったという思いにとらわれた。取り返しが付かない。なんということをしてしまったのだ。
少佐の顔を見ることが出来なかった。そんなこと、全く知らなかった。
今の話だと、少佐自身も全く知らなかったようだ。
彼の話は少しわかりにくかったが、少佐の妻はジャニスといとこ同士で、少佐と別れた後、ジャニスと暮らしていたと。そして死んだ。殺された。
少佐の顔は見えなかったが、彼の手は見えた。彼は、また飲んでいた。
そもそも、別れた妻の再婚話なんか聞きたくもないだろう。しかも、相手がジャニスとあっては、今の少佐の立場から言うと、とても都合が悪い。
一緒に狙撃に行った経緯や、そのときの少佐の態度などを勘案すると、彼は全然、こういった事情を知らなかったに違いない。
軍も知らなかったろう。でなければ、彼を狙撃チームに加えるはずがない。
「なんだか、ジャニスの日常をこまごまと記録しているらしい。おれはどうでもいいけど、どうでもいいけど、なんか嫌だよね」
彼は日記について、ぐだぐだ言っていたが、日記がショックの原因ではないだろう。
それは違う。
別れていても、元の妻だ。「殺せ」と命じたのは彼だ。不可抗力だったとしても、この結果はなんなのだろう。
「少将は、秘密にしとけって言うんだ。そうさ。よくわかってる。だけど、やりきれないんだよ」
秘密にしなければならなかった。
それは絶対だ。
だが、これは別の問題だ。
少将は、少佐との話の方に長い時間をかけたに違いない。
私は、その女が誰だか知らなかった。
実際に撃ったのは私だが、しょせん命令に従っただけだ。
現場で判断を下したのは、彼だ。
バルク少佐……。
私も、撃った方がいいと判断した。
あんな目撃者がいたら、言い訳も成り立たないからだ。
ジャニスは、グラクイに危険な武器を持たせて、人を襲うように命令した。
そのグラクイの数は不明で、人が苦手な闇の中や、土の中を移動して突然現れる。危険だ。
そのせいで、このあたり一帯は、立ち入り禁止区域に指定され、使えない土地になっている。
ジャニスを消すことには細心の注意を払った。
なのに、ほころびが出た。
あの女だ。
ほころびは繕われ、誰にも知られることはない……もう、声を出せないからだ。
もう、ワインをもらう気にもなれなかった。勝手につぶれていっている少佐を見ていると、飲む気になれなかった。これは、つぶれないほうがおかしい。
彼は、またワインに手を伸ばしていた。もう、どんな種類の酒でもいいらしかった。空なのに気がつくと、店の人を呼んで次の酒を頼んでいた。
「もう、いい加減にしたら……」
こんな酔い方はよくない。
「止めたほうがいい」
いや、これは、止めない方がいいのか。
飲んで、忘れられるというのなら、飲んだほうがましかも知れない。
(たぶん、無理だろう)
私は、彼の手を止めた。少佐はじろりとまた私を見た。酔った人間はどうしようもない。言うだけ無駄だ。わかっている。
「気の毒だと思う?」
彼は聞いた。
気の毒? そんなつもりはない。申し訳ないのか、罪悪感なのか私にはわからない。
彼は、しばらく私を見ていたが、急にごちんと音がするほど強くテーブルに頭をぶつけた。
あわてて彼の顔を覗き込むと、彼はつぶやいた。
「娘にどう説明したらいいんだ」
私は胸を衝かれた。
そうだ。娘がいるって言ってた。ああ、その分もあったんだ。
説明なんかできないだろう。一生、黙っているほかない。だけど、それもまた本人には負担だろう。
しばらく少佐を見ていたけれど、彼はじっと動かなかったので、私は彼の横に席を移動することにした。
酔っ払いの横に座りに行くなんて、ほんとは危険なことなのだけど、私はなんとか彼に償いをしたい気分だった。
撃ったのは、私なのだ。あの時に限って、あんなに見事なまでに命中させるとは皮肉なものだ。奇跡のような命中だった。
粉々に砕け散った。あれでは誰だか確認することすら難しかったかも知れない。
横に近くに座っているだけでも、気持ちが伝わるといいのだけれど。
黙って横にいるだけでも、せめて私のなんと言ったらいいのかわからない、この気持ちが伝われば、慰めにならないかな。
私には、何もできない。
彼はピクリともしなかった。
少佐にしてみれば、話す相手は、私しかいなかった。
そもそも誰にも話すなと箝口令を敷かれている。知っているのは、ほかには少将だけだ。少将に愚痴るわけにはいかない。大体、本来、人に知られたくないはずだ……
でも、話さないではいられなかったのだろう。
そのまま、ずいぶんたったように思った。
少佐は身動きひとつしなかった。私は思い切って、少佐に言ってみた。
「少佐、そろそろ帰りますか?」
彼はとろんとした目つきで半分寝ていた。用心深い人と言われていたのに。
「帰りましょうよ。一緒に帰りましょう」
私は店に合図した。店は心得たもので、彼を引き受けてくれた。
彼の住まいがどこだか知らなかったが、聞くと本人は酔っ払っている癖に、きちんと教えてくれた。
結局、彼のおごりではなく、私が払う羽目に陥った。そのうち返してもらえるだろう。むしろ忘れてくれたほうがいいけど。
彼を送ると、私は歩いて自分の部屋に向かった。
ひとりになると、この問題の別な側面がひたひたと私の心に迫ってきた。スナイパーが狙った標的が、いきなり血と肉をまとったのだ。
それまでただの標識だったものが、人間の形を取り、そして死んだ。痛みを伴う死。私が撃ったからだ。
誰も私に罪を問わない。バルク少佐の妻の死は誰も知らない。ジャニスのように少佐は私を恨むだろうか。
むろん、そんなことはありえなかった。
しかし、私は、暗殺者は標的を知らないからこそ、暗殺できるのだと思い知った。あの時、私は何も感じなくて、どうしてなのかと思っていた。
人は人を殺せるものではない。たとえ、任務だったとしても、そう簡単にトリガーを引けるわけではない。トリガーを引いた後で、狙った鳥が人に変身した気持ちだった。
知っていたけど、わかっていなかった。人を殺していたんだ……
腕を見込まれて、選ばれて……って、何を考えていたんだろう。
その鳥は、ひとりではなかった。いつか私も撃たれて死ぬかもしれない。その時には、私の命で許してくれるだろうか。
ささいな現実、自室のドアの前で、私は我に帰った。
何を考えてるんだ。きっと、酔っぱらっているんだ。
死ぬことで、いろんなことが綺麗になって、変わるはずが無かった。そんなことはよくわかっていた。だから私は一日一日を懸命に生きている。それはこれからも同じだ。
いや、私なんか、楽なものだ。
その人を本当には知らないからだ。
少佐は、これからどう生きていくのだろう。
なぜ、私にしゃべったのだ。知らないほうがよかった。余計な荷物を貰った気分になった。それは、かなり不幸せな種類の荷物だった。
私が驚愕したのは、日記じゃない。今の言葉の意味をそのまま取ると、私が撃ったのは、バルク少佐の元の奥さんだったのか?
私はわれを忘れて、まじまじと少佐の顔を見つめた。
それから、目を逸らし、テーブルの上の料理を見つめた。
少佐の言葉の意味が理解できてくると同時に、しまったという思いにとらわれた。取り返しが付かない。なんということをしてしまったのだ。
少佐の顔を見ることが出来なかった。そんなこと、全く知らなかった。
今の話だと、少佐自身も全く知らなかったようだ。
彼の話は少しわかりにくかったが、少佐の妻はジャニスといとこ同士で、少佐と別れた後、ジャニスと暮らしていたと。そして死んだ。殺された。
少佐の顔は見えなかったが、彼の手は見えた。彼は、また飲んでいた。
そもそも、別れた妻の再婚話なんか聞きたくもないだろう。しかも、相手がジャニスとあっては、今の少佐の立場から言うと、とても都合が悪い。
一緒に狙撃に行った経緯や、そのときの少佐の態度などを勘案すると、彼は全然、こういった事情を知らなかったに違いない。
軍も知らなかったろう。でなければ、彼を狙撃チームに加えるはずがない。
「なんだか、ジャニスの日常をこまごまと記録しているらしい。おれはどうでもいいけど、どうでもいいけど、なんか嫌だよね」
彼は日記について、ぐだぐだ言っていたが、日記がショックの原因ではないだろう。
それは違う。
別れていても、元の妻だ。「殺せ」と命じたのは彼だ。不可抗力だったとしても、この結果はなんなのだろう。
「少将は、秘密にしとけって言うんだ。そうさ。よくわかってる。だけど、やりきれないんだよ」
秘密にしなければならなかった。
それは絶対だ。
だが、これは別の問題だ。
少将は、少佐との話の方に長い時間をかけたに違いない。
私は、その女が誰だか知らなかった。
実際に撃ったのは私だが、しょせん命令に従っただけだ。
現場で判断を下したのは、彼だ。
バルク少佐……。
私も、撃った方がいいと判断した。
あんな目撃者がいたら、言い訳も成り立たないからだ。
ジャニスは、グラクイに危険な武器を持たせて、人を襲うように命令した。
そのグラクイの数は不明で、人が苦手な闇の中や、土の中を移動して突然現れる。危険だ。
そのせいで、このあたり一帯は、立ち入り禁止区域に指定され、使えない土地になっている。
ジャニスを消すことには細心の注意を払った。
なのに、ほころびが出た。
あの女だ。
ほころびは繕われ、誰にも知られることはない……もう、声を出せないからだ。
もう、ワインをもらう気にもなれなかった。勝手につぶれていっている少佐を見ていると、飲む気になれなかった。これは、つぶれないほうがおかしい。
彼は、またワインに手を伸ばしていた。もう、どんな種類の酒でもいいらしかった。空なのに気がつくと、店の人を呼んで次の酒を頼んでいた。
「もう、いい加減にしたら……」
こんな酔い方はよくない。
「止めたほうがいい」
いや、これは、止めない方がいいのか。
飲んで、忘れられるというのなら、飲んだほうがましかも知れない。
(たぶん、無理だろう)
私は、彼の手を止めた。少佐はじろりとまた私を見た。酔った人間はどうしようもない。言うだけ無駄だ。わかっている。
「気の毒だと思う?」
彼は聞いた。
気の毒? そんなつもりはない。申し訳ないのか、罪悪感なのか私にはわからない。
彼は、しばらく私を見ていたが、急にごちんと音がするほど強くテーブルに頭をぶつけた。
あわてて彼の顔を覗き込むと、彼はつぶやいた。
「娘にどう説明したらいいんだ」
私は胸を衝かれた。
そうだ。娘がいるって言ってた。ああ、その分もあったんだ。
説明なんかできないだろう。一生、黙っているほかない。だけど、それもまた本人には負担だろう。
しばらく少佐を見ていたけれど、彼はじっと動かなかったので、私は彼の横に席を移動することにした。
酔っ払いの横に座りに行くなんて、ほんとは危険なことなのだけど、私はなんとか彼に償いをしたい気分だった。
撃ったのは、私なのだ。あの時に限って、あんなに見事なまでに命中させるとは皮肉なものだ。奇跡のような命中だった。
粉々に砕け散った。あれでは誰だか確認することすら難しかったかも知れない。
横に近くに座っているだけでも、気持ちが伝わるといいのだけれど。
黙って横にいるだけでも、せめて私のなんと言ったらいいのかわからない、この気持ちが伝われば、慰めにならないかな。
私には、何もできない。
彼はピクリともしなかった。
少佐にしてみれば、話す相手は、私しかいなかった。
そもそも誰にも話すなと箝口令を敷かれている。知っているのは、ほかには少将だけだ。少将に愚痴るわけにはいかない。大体、本来、人に知られたくないはずだ……
でも、話さないではいられなかったのだろう。
そのまま、ずいぶんたったように思った。
少佐は身動きひとつしなかった。私は思い切って、少佐に言ってみた。
「少佐、そろそろ帰りますか?」
彼はとろんとした目つきで半分寝ていた。用心深い人と言われていたのに。
「帰りましょうよ。一緒に帰りましょう」
私は店に合図した。店は心得たもので、彼を引き受けてくれた。
彼の住まいがどこだか知らなかったが、聞くと本人は酔っ払っている癖に、きちんと教えてくれた。
結局、彼のおごりではなく、私が払う羽目に陥った。そのうち返してもらえるだろう。むしろ忘れてくれたほうがいいけど。
彼を送ると、私は歩いて自分の部屋に向かった。
ひとりになると、この問題の別な側面がひたひたと私の心に迫ってきた。スナイパーが狙った標的が、いきなり血と肉をまとったのだ。
それまでただの標識だったものが、人間の形を取り、そして死んだ。痛みを伴う死。私が撃ったからだ。
誰も私に罪を問わない。バルク少佐の妻の死は誰も知らない。ジャニスのように少佐は私を恨むだろうか。
むろん、そんなことはありえなかった。
しかし、私は、暗殺者は標的を知らないからこそ、暗殺できるのだと思い知った。あの時、私は何も感じなくて、どうしてなのかと思っていた。
人は人を殺せるものではない。たとえ、任務だったとしても、そう簡単にトリガーを引けるわけではない。トリガーを引いた後で、狙った鳥が人に変身した気持ちだった。
知っていたけど、わかっていなかった。人を殺していたんだ……
腕を見込まれて、選ばれて……って、何を考えていたんだろう。
その鳥は、ひとりではなかった。いつか私も撃たれて死ぬかもしれない。その時には、私の命で許してくれるだろうか。
ささいな現実、自室のドアの前で、私は我に帰った。
何を考えてるんだ。きっと、酔っぱらっているんだ。
死ぬことで、いろんなことが綺麗になって、変わるはずが無かった。そんなことはよくわかっていた。だから私は一日一日を懸命に生きている。それはこれからも同じだ。
いや、私なんか、楽なものだ。
その人を本当には知らないからだ。
少佐は、これからどう生きていくのだろう。
なぜ、私にしゃべったのだ。知らないほうがよかった。余計な荷物を貰った気分になった。それは、かなり不幸せな種類の荷物だった。
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