本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

桜町琴音

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聖女、逃亡

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「見て、マーガレット様とアーサー王太子様よ」
と国民から歓声が上がる。

今日この国の聖女と王太子の結婚式だ。

本当の聖女が私だということは誰も知らない。

私はこのどさくさに紛れてこの国から逃亡する。

元々私の祖母が聖女だった。

だから、その能力を一番受け継いだ私が時期聖女候補だった。

しかし、父が教会側に多額の賄賂を渡し、妹のマーガレットを時期聖女候補にした。

この時はまだ父がしたことを知らなかった。

一応形だけの試験があったが他の家のご令嬢方より私の方が聖力が多かったため難なく妹を聖女することになった。

私自体手を抜いたつもりだったが、それでも選ばれてしまったからには頑張ろうと思っていた。

しかし父が「身長もデカく、気の強そうな顔のお前より小さく、可憐なマーガレットの方が聖女に向いている。お前はマーガレットの後ろに隠れ、聖力を使う時その力を使え。分かったな。」

「そういうことなの。お姉様。しっかり働いてね。」
と意地の悪い笑みを浮かべていた。

私は教会の柱の影に隠れ、マーガレットがタンタンと床を踏んだら、私は聖力を使うという生活をしていた。

ある時大きな戦争があった。
その中でも皇太子が一番ひどい怪我を負っていた。

そして、教会に運ばれた王太子をマーガレットは傷を癒やした。
助けてくれたマーガレットに惚れ込んだ皇太子はその場で求婚をした。

父も妹も大喜びで受け入れた。

私はここにいない方がいいだろうと思いふらふら教会を歩いていた。

私は味方の隣国の服を着た人が傷を負っていたのでこっそりと治した。

その人には私が聖女だということをバレたがヴェールを被っていたから大丈夫だろうと思っていたら手を掴まれた。その拍子でヴェールが落ちて顔を見られてしまった。

「君は何者なんだ? そして聖女とはどういう繋がりだ? 瞬時に傷を治せるのは聖女のみだと聞いている。なぜ君が出来る?」質問攻めにあった。

もう私の心は壊れかけいたからだろう、全てを話してしまった。

「我が国に来ないか、聖女殿。不便な思いはさせない。」と手を差し伸べてくれた。

詳しいことは秘密裏で決めた。

いよいよ、結婚式の日。

現在、結婚パレードの最中だ。
この後、二人はお城で式を挙げる。

そして、父も家の使用人達も浮かれて私がどこにいてるかも知らない。

聖女を失ったこの国はどうなるのだろうか。
まあ今の私には関係がないことだ。

これからは私のやりたいことする。自由に過ごす。

私は彼との待ち合わせをしていた所へ走って行った。

ついに最悪な日々を終えることができる。
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