本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

桜町琴音

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「陛下っ!!」

「どうした? シュテルン何かあったのか? 」

「それが、王国の奴らが来てアイシャ様を探しているそうです」

「どの辺りまで来ているっ! 」

「それが、もう城下町まで来ていてもうすぐお城に来るそうです。」

「どこまで、無礼な奴らなんだっ!」

「とにかく、アイシャ様を隠さなくちゃいけないのでは?」

「どうするべきか……」

「あのっ!!」

♦︎♦︎♦︎
ルフト様に質問をしようと執務室に来たらシュテルンとルフト様が何か慌てている様子だったのでドアの前で立っていると、王国が私を探しに来ている。

私は頭の中が真っ白になった。

もし見つかったら、あの地獄へ戻るのは嫌だ。

せっかく皆と仲良くなって、美味しいものや綺麗な服も着させて貰えた恩を返せていないのに……。

居ても立っても居られないと思いドアを開けた。

「あのっ!私をルフト様の婚約者かここの聖女にしてください。」

「へ?」

シュテルンが驚き過ぎてルフト様に口を押さえられている。

「どうして、そのようになったか聞かせてもらえるか?」

「はい。ルフト様には婚約者がいてないと前に聞いてまして、ここの王族になるのなら簡単に向こうも手を出せないと思ったからです。婚約者は無理でも、聖女になっても同じかなと思ったからです。」

「君はそれで良いのか?」

「はい。あんなところに帰るなんて絶対に嫌です。ここの皆やルフト様に何もしてあげれてないのに……」

「わかった。」

ルフト様が頭を掻きながら考えて何かを考えてから私と向き合った。

「アイシャ殿。私ルフト・ヴォルフと婚約して頂けますか?」

「はい。喜んで。」

「えーー。陛下ロマンのかけらもございませんね。」

「うるさい。シュテルン。」

ルフト様が顔を真っ赤になっていたので私もつられて顔を真っ赤になってしまった。

シュテルンは執事長に報告して来ます。と言って部屋を後にしてしまった。

二人きりで少し気まずい空気がしばらく流れていた。

一つ疑問が上がってきた。
一応未婚の女性は家の家長の許しがなければ婚約が成立ができない。
まだ、私はお父様の戸籍から抜かれていない状態だから正式には婚約ができないはず……? 

「あのルフト様……」
私は気になった疑問を聞いてみたら、ルフト様はそれはもう少し練ってから伝えるとおしゃったのでしばらくは待つことに。

今回王国がやってきても、友好国であるこの国の時期王が気に入った娘を簡単に取り返すことは政治的に関わってくるから今回は穏便に済むだろうとルフト様の考えだ。

行方不明の理由は家庭環境が原因ということにするらしい。
着てきたドレスと靴、私が前から付けていた日記が証拠として提出をするそう。

話をしているうちに執事長がもうすぐ、王国の近衛兵がやってくると伝えてくれた。

気を引き締めなきゃ。
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