ヒトコイラヴァーズ 悪魔の女との青春物語

赤坂皐月

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第1部 青春の始まり篇

プロローグ

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 この様な例え話を突然するのも可笑しな話だが、人間には天使と悪魔の両方を飼っているという話を聞いた事は無いだろうか?

 悪い事を考えると、それは悪魔の囁きと言われ、良い事を考えると、天使の囁きだと言われる。俺達人間ってのはその二つの囁きを天秤に掛け、どちらを選ぶべきか取捨選択していくのだろう。
 
 さて、では大抵においてどちらを選択したいと思うだろうか?
 悪魔?or天使?
 
 そう、正解は時と場合によるだ。まかりなりにも、俺ならそう言うね。

 天使の囁きばかりを選択してると、それはそれで精神的に辛くなる部分もありそうだし、なんせ八方美人だと思われそうで嫌になる。対して悪魔の囁きばかりを選択していると、罪悪感に押しつぶされそうだし、周囲の印象も冷え切ったアイスノンみたいな視線をぶつけて来そうでそれはそれで嫌である。

 ようはケースバイケース、その時の状況、その時の気分で決めれば良いものなのだこういうのは。どちらにせよ、それは俺の考えになってしまうのだからな。
 
 して……何故俺がこのような事を冒頭で話したかと言うと、それは隣の席の奴。まあ女なんだが、そいつの事をここで語っておきたかったからである。

 所謂、前座と言うやつだな。

 今日も今日とて俺は現在通っている県立高等学校、東高校の長い廊下を歩き、自分のクラスである一年五組の教室へと入り、これまた自分の座席にどっこいせと着いて机の鞄掛けに通学鞄を掛けようとしたまさにその時だった。
 
岡崎おかざき君、このガムあげるわよ」

 この女……俺が語りたかったのは、学校に来て早々、如何にも怪しい仕掛けが施してありそうな板ガムを、これでもかと言う程平然に俺に差し向けている、天地魔白あまちましろという女について言いたかったのである。
 
 差し出された手前、俺も受け取らざるを得ないだろう。どうせ何か目論んでるに決まってら。

 俺は板ガムに触れる。その刹那、板ガムからは軽い静電気程の電流が流れ、俺は板ガムから即座に手を払いのけたのだ。

「いってぇっ!」

 声をあげると、天地はニヤニヤと、してやったりといった顔付きでその電流装置付き板ガムを自分の机の中に隠し入れる。そんなツラしてるけどな、俺は最初から分かって、敢えて乗ってやったんだありがたく思え。

 そう、以下でも分かる通りこの天地魔白という女、もし人間に天使と悪魔がいるとするならば純度百パーセントの悪魔女なのだ。

 えっ?この程度のイタズラで悪魔と決めつけるのは速決過ぎないかって?

 ……確かにそうかもしれないな。では、もっと語る必要があるのだろう。

 それは俺と天地が出会った最初の日、まだ桜が並木道に咲いていた四月の高校入学式にまで遡る……。
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