欠乏霊媒師

やと

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鬱々

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「急に来れたって言うことは君は随分と暇なんだね」

「暇ってせっかく来てあげたのにその言い草は無いんじゃない?それに万年学校で暇そうにしてる安倍君に言われたくないな」

そう随分と不服そうに言って来た

「失敬だな、僕は好きで一人でいるのにそんな風に見えているのか?」

「当たり前じゃんだって、花の高校生活が始まって二、三ヶ月経っているのに誰とも話さないし友達もいないんだから当たってるじゃん」

「誰とも話さない訳じゃないよ、必要最低限の会話はするよただ皆が思っているより僕の学生生活に少し華がないだけだよ」

「少しって、」

小鳥遊が何か言いかけたがそんなことは知らない

「此処だね、怪奇現象が起きているマンションは」



今回の依頼は都内のマンションの管理人からで二十歳を少し超えた女性が住んでいる部屋だった。

マンションの管理人さんに鍵を開けてもらい中に入った

「あのさ怪奇現象って何が起きてるの?」

「深夜になったら女性のすすり泣きだったり金縛りだったりが起きるらしいんだ」

「そうなんだ、この部屋にすんでる人に何かあったりはしてないの?」

「それは今のとこただ、怖がっているだけだね」

「ねぇ、変なところ無くない?」

「いや、お風呂場を見てないよ」

「お風呂場?なんかあるの?」

「見れば分かる」

お風呂場に移動すると、そんなに広くないお風呂場の浴槽の中に女性の霊が立っている。

「ねぇ、あれ大丈夫なの?」

「ああまだ悪霊化してないから僕らには危害を加えて来ないよ」

そう言い安倍は女性の霊に向かって手のひらを向けるそうした途端、女性の霊は小さい黒の砂嵐を起こして消えていった。」





「ねぇ、なんで私を呼んだの?」

そう帰り道を歩きながら聞いてきた

「僕の仕事を知って欲しくてね」

「仕事って、あそこの管理人さんって幽霊とか信じてるの?」

「いいやほとんど半信半疑だよ、それに僕に仕事を頼んでくる人はほとんどが信じてないかもね」

そう答えると小鳥遊は難しそうな顔を作って聞いてきた

「信じて無いのに何で?」

「おおかた怪奇現象が起きて困る前は信じずそう言う類いのものからかけ離れる生活を送っていたのだろうけど現象が起きてしまっては信じないのは難しいからね」

「ふーん、依頼してくる人はどこで安倍君を見つけてるの?」

「そう言う怪奇現象を集めるサイトを叔父がやっててね」

「叔父さん?」

「そう、叔父には僕も頭が上がらなくてね」

「そうなんだ、ところでさっきの怪奇現象はあの幽霊仕業だよね?」

「そうだね、ただ金縛りだけは違うよ」

「え?どういうこと?」

「本来そこまで幽霊は僕たちに干渉できないんだよ一部を除いてだけど、金縛りについてはおそらくあそこに住んでいる女子大生の緊張、ストレス、不規則な睡眠それらが原因になって睡眠麻痺が起きていたんだと思うよ」

へーっときちんと理解できているが謎だが会話が途切れた。

「ねぇ、今日ここに私を呼んだって事は近々私の依頼に取りかかってくれるって事?」

「よく分かったな、来週地方の方に部活の合宿にに行くよ」

「やっと部活らしくなったね」
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