壮大な世界の物語

おう

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プロローグ

始まり3

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灰と化した王都能力大学で二人の男が対峙する。
片方の黒いローブを羽織った男は「大罪教」傲慢担当の司教。
数百年前から存在している組織で、大罪者を崇拝し、大罪者を、、、の座に座らすために活動している。
もう片方の男はである。現ギルドマスターである
ギルドは人間界の平和を維持するための組織で、自らの目的のためなら人殺しをためらわない大罪教を対立している。
その二人の男の近くに、倒れている虫の息の少年はユダ。今回のアアル王国の王都で行われた忌々しい出来事の数少ない生き残りの一人である。
「まだ生き残っていたんだな、ギルドマスターさん」
「目的を達成するまでは死ぬことはできないんでな」
「その目的が、これか?」
司教が倒れているユダを指差して言う。
「だったら悪いが、こいつは俺たち大罪教にとっての目標でもあるからな」
「人が死んでいるかを心配するよりも自分の目の心配の方がいいぞ」
「お前はこれがあのお方の器ではないと言うのか」
「ああ、そうだ」
「これは俺の支配者の権能を使っても支配されなかったんだぞ。俺の権能は権能を持っているものと自分より格上の存には効かない、故に権能が効かないこれは権能持ちだろ」
「権能持ちだからといってお前たちの探している存在とは限らない」
「なら貴様はこれをなんだという」
「何を言っているんだ、こいつらは」
地面に倒れているユダの前で理解不能な会話が繰り広げられ、声がこぼれた。大罪教とギルドの存在は知っているが、奴らの言う「権能」と言うものは分からない。しかし、理解不能なユダに理解するための時間は与えられずに会話が続く。
「あの人が何も残さずに死んだと思うのか?司教」
ギルド会長が言う
「まさか、あいつがあのお方と同じことをしたというのか」
「あぁそうだ司教。あの人は俺たちにお前らと対抗する為の人を用意してくれた。それがあいつだ!」
「なら俺はお前らの希望を打ち砕くまでだ」
現人間界最強同士の戦いが、灰と化した王都能力大学で行われる。
それは数多の戦闘の歴史を持っている、壮大な世界の物語においても中々見ることが出来ないものだ。
大罪教傲慢担当の司教と現ギルドマスターがぶつかり世界を割る衝撃が出る。
その衝撃により壮大な世界の物語の主人公である、ユダは気絶する。
次に目覚めた時はアアル王国にあるギルド本部であった。
ユダという重要な存在がギルド側に渡ったことにより、壮大な世界の物語の中の物語の一つは幕を上げたのであった。


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