アーティファクト

〜神歌〜

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✯第一章 西の国〜前編〜✯

✯プロローグ✯

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「回復魔法……?うーん治療魔法覚えないとなぁ」
「セリア、とにかく今はここを離れよう疫病が広まり過ぎてて危ないよ」
「うん……」


セリアは魔導師で姉のセリエと旅に出ていた、セリエは剣が得意で細身の剣を操る速さで一流の剣士である、セリアの魔法で髪を銀色に染めてもらい『白銀はくぎん』と呼ばれ始めていた。
 セリアは一流の魔導師で、氷と炎を操るのが得意で攻撃魔法と少しの回復魔法を使う。
金色きんいろの髪が特徴的でセリアは『金色こんじき』と名が通り始めていた。

二人は小さな町に産まれ、二人のセンスに気付いた両親がそれぞれに合った教育を、高い学費を払って学ばせてくれたのだ。
でもその両親は町を襲った盗賊に殺されてしまい、みなしごになり旅に出たのだ。

 二人とも剣と魔法を使えるので魔物相手に、村を守ったりして旅費を稼いでいた。
 今かなり広い範囲で疫病が広がっている。
旅に出てる二人は疫病が広がっていない地域を目指していた。

 その日の夕方街からだいぶ離れた場所で、テントをはり焚き火を焚き夕食を取っていた。
 星空が綺麗な夜で夜空を見上げてセリアが呟く。
「なんで魔物っているのかな?」
「?そんなの解らないよ」
 セリエがナイフを四本取り出して周りを囲む様に地面に正方形に突き刺して回る。


「セリアお願いね」
「うん」
 セリアは立ち上がり杖を持ち呪文を唱えながら瞳をつぶり、深く呼吸して瞳を見開いた。
 その瞬間杖から光が放たれ、その光は四本に分かれて地面に刺されたナイフに当たると、ナイフはふわっとした優しい光を放ち始める、寝込みを襲われない様に結界を張ったのだ。


「セリエ?今の疫病魔物が振り撒いたって噂本当だと思う?」
「うん?最初はマタンゴが疫病を撒いたって噂だったけど……」
「うーん……」
「とりあえずさ、東のネフタに行こうよ疫病を治せるアーティファクトがあるみたいだからさ」
「ほんとに?それ何処で聞いたの?」
「今日の街で食料買い出してた時に、お客さんが噂してたの、本当か解らないけどネフタは疫病が広がって無いから、本当かも知れないよ」
「そっか、じゃ行ってみよう、とりあえずもう眠いから寝るね、お休みなさい」
「うん、お休み」

 セリアは眠そうにテントに入り、セリエは少しゆっくりしてからテントに入り床についた。
 翌朝は澄み切った青空で小鳥達の声でセリアは目を覚ました。
 セリエはまだ寝ている、セリアはテントから出て朝の気持ちいい空気を胸一杯に吸い込みセリエを起こした。

 二人は森に入りネフタに向かう、鬱蒼とした森で人は居ない、普通は危険な森を迂回して街道を通るが二人は剣と魔法も一流なので、怖い物知らずで森を突っ切ろうとしたのだ。
 道はなく獣がうろついている、遠くに鹿を見かけ木の上にはリスがいるのにも気付く、二人はそんな森を楽しむ様に奥へ進んでいく、本当に人が入らない様で時折全く警戒しない狐までいる。
 二人はおかしいと思い始める、これだけ獣が居る森に猟師すら入らないのかと……


(百年ぶりかしら……人が私の森に来るなんて)
 森の奥に古びた小屋があり、そこで水晶を眺めながら、白い肌の美しい女性が心で囁く。
白いローブを纏いベールを身につけている、金色の瞳と金色の髪をしている。
(まぁいいわ、私の小屋を見つけられるはずは無いし、動物達にも危害は加え無さそうですし通してあげるわ)
そう心で言いながら机に向かい何かを作り始めた。


 セリアとセリエは森をずんずん奥に向かって行く、ふとセリアが魔力を感じた。
「?お姉ちゃん、あっちからちょっとだけど魔力を感じるんだけど行ってみない?」
「?また魔嗅覚使ってるの?いいよ行ってみよう」
 セリアは魔力を感じる事が出来る、それは魔導師なら誰でも出来る事だが、セリアは意識せずに魔力の波動を伝い探るのだ、無意識で長距離でもたぐる様に感じ取っている、その結果、犬の様に探し当てるので魔嗅覚と呼ばれ始めている……

「セリアどんな魔力なの?」
「うーん、なんかちょっと違うんだよね。
隠そうとしてるんだけど……精気を感じないの、でもアンデットじゃないんだよね。
なんだろコレ?」
「ふーん……って何か来る!」

 セリエが気配を感じた、殺気を放ち何かが走って来る、セリエは剣を抜いた、細身で手入れが行き届いた美しい剣で刃に光があたり輝いている。

 すぐにセリアが迫って来るものの魔力を読み取り呟く……
「ボストロール……三匹?」
「三匹も?」
「デスグリズリー……五匹……なんでこんなに?」
「ちょっとそんなに?」
「逃げよう!」

 セリアが叫び二人は走り出した、相手に出来なくはない、むしろ余裕である、でも森の木が邪魔で戦いづらいのだ。
 二人は必死に走る、さっき感じた魔力の事を忘れ、その方向に向かって行った。
 追って来る魔物は咆哮を上げ、細めの木は薙ぎ倒されていく、その破壊と咆哮は森に響き渡って行く。


「シャルル様、お茶が入りました。」
先程の小屋で使い魔の可愛らしい、妖精が先程の女性が何かを作っている机にティーカップを置く。
(ありがとう)
優しく微笑みながらシャルルは心で答える。
「森が騒がしいですね、どうしたんでしょう」
(気にする事はありません、私の結界は完璧ですから)
シャルルはそう心で答え、優雅にお茶を口にする。



「ちょっとお姉ちゃん!魔物増えてない⁈戦った方が良かったんじゃない⁈」
「逃げようって言ったのはあんたでしょ!」
 二人は必死であった、街に住んでいた時にダイエットで走った時の数倍は既に汗をかいている。
 既に魔物の数は群れと言っても過言ではない、何故これだけの魔物が集まったのかも二人は解らずにいた。
「いやー!恋愛も彼氏も知らないで魔物のお腹に入りたくなーい!」
セリアが叫ぶセリエは冷静に無視する。
 そして進行方向に結界で空間が歪んでるのにセリアが気付いた。
「あぁきっとあの先が天国なんだぁ」
セリアがそう言いながら振り向く……背後はまさに地獄である。
「天国がいぃぃーーー‼︎」
「ちょっとなに訳のわかんない事叫ばないで!」
セリエが叫ぶが既にセリアは凄まじい加速を見せて突っ走って行った。
「ちょっと!」
セリエは置いて行かれそうになるが、必死に加速してついて行く。
 そしてセリアは結界の歪みに到達し、条件反射でその結界にありったけの魔力をぶつけた。
「天国に入れてーーーー‼︎」
セリアが叫ぶ!


(天国?)
その声はシャルルに聞こえていた。
(勝手に行きなさい、私は忙しいのです)
シャルルは一瞬止めた手を動かし、何かを作ろうとした、それは淡いほのかな美しい輝きを帯びていた。


ドーーーーーーーン‼︎
バギバギィィィ!ザン……


 凄まじい轟音が鳴り響き結界が吹き飛ばされ、周辺の木々を薙ぎ倒しシャルルの優雅な空気まで吹き飛ばされる。
「えっ?なに?なにがあったの⁈」
シャルルは思わず声を出してしまった、ハッと手元を見ると作っていた物から魔力が漏れてしまい輝きを失っていく。
「キャーーーーーーー‼︎」
シャルルが悲鳴を上げる、その悲鳴は絶望感に満ち溢れていた。

 その悲鳴を聞いてセリアは驚く。
「魔女⁈」
そこにセリエが走り込んで来た、広場に小屋がある、その広場は十分な広さがあり多数の魔物と戦うには十分であった、直ぐにセリエは戦うために殺気を放つ、結界が吹き飛ばされたのは一部分で、そこからしか魔物は入って来れない。

 最初の魔物が入った来た、ボストロールだったが素早くセリエが斬り込み、腕を斬り落とし首を斬り裂き瞬殺する。
 そしてそのボストロールが倒れた時、小屋の扉が静かに開いた。
 中からシャルルがゆっくりと現れる、その瞳からは悲しみが容易に解るそして……

「……」
シャルルは無言で結界に手を向け魔力を高め、結界を修復して行く。
とてつもない強力な魔力の持ち主だと、セリアは一瞬で理解し瞬時に誤解する。
「神様……天国に来れたんだ……」
セリアが呟いたのをシャルルが聞いていた。
(まさかこの子が私の結界を……こんな子が……ってこんな子に邪魔されたの⁈)
シャルルは一瞬で魔力を高め、瞬時に結界を修復した、追ってきた魔物が結界の突破を図るが、破壊出来そうに無い。

「魔物達よ私のアトリエに踏み込む事、それは死に繋がる事を今一度教えましょうか?」
シャルルが優しい声で魔物達に警告すると、それと同時にセリエも見たことの無い剣をその手の平から出した。
 刀身はやや太く、細かい歯車が刀身の中で幾つも回っている、その刃から魔力が発せられているのが解るが、それは無機質な魔力であった。

「あれは……アーティファクト?」
セリエが呟く。
 シャルルの剣が光だし歯車が高速で回転し光線を発し魔物達を貫いて行く!
貫かれた魔物は次々と風化して砂になり、風で吹き飛ばされて行く、やがて魔物達は恐れをなして散り散りになり逃げて行った。


 あっと言う間に魔物達は居なくなり、平穏が訪れた。
「神様、救って下さりありがとうございます!」
「ここが天国でしたらいいですね。
二人ともいらっしゃい」
シャルルは微笑みながら二人に言う。

「ちょっとセリア、天国な訳ないでしょ、いつまで現実逃避してるの?」
「えっ?お姉ちゃんだって神様が……」
「神様がアーティファクト使う?使う必要ないでしょ」
「そう言えば……じゃ!魔女⁈」
「かも知れないね……」
 その会話を聞いてシャルルは拳を力強く握り締め苛立ちを押さえていた。

 小屋の中に入ると中は綺麗に整えられていて、温かい飲みかけの紅茶が入ったティーカップが吹き飛ばされた優雅な一時を思わせる。
 奥のテーブルに何か組み立てられている、途中の様なペンダントがある、赤い宝石と青い宝石がはめ込まれ、小さな歯車ががいくつも組み合わされている。

「私はマエストロのシャルル、魔女だったのはもう千年も前の話ね……」
「マエストロ……ってアーティファクトの職人さん!神様じゃないのですね……
って魔女だった……千年前⁈」
セリアがあからさまに驚く、セリエは冷静さを保つ。
「これを見て」

 シャルルが微笑みながら、その組み立て途中のアーティファクトを二人に見せる、セリアはそれを見て魔力を感じなかった。
「これは……魔力を感じませんが……」
「えぇ、このアーティファクトは疫病を治すための呪文と魔力、そして傷も癒す呪文も追加したとても高価なアーティファクトになるはずだったの……」
「だった……」
セリエが呟く……
「えぇ、そうよ」
 シャルルはそう言い落ち着く為だろうか、飲みかけの紅茶を一口上品に飲み……

「このアーティファクトはね作るのに、半年かかるの、相性のいい宝石を探して呪文を注ぎ、一つ一つの部品に魔力を注いで丁寧に魔法のメッキをして魔力が逃げない様にするの……」
 シャルルが作り方を説明してくれる、セリアはなる程と言う様子で唾を飲みながら聞いていた、シャルルは落ち着く為にまた紅茶を優雅にすする、そしてセリアは疑問に思った事を聞いた。


「それで……何故、魔力を感じないのですか?」


 それを聞きシャルルの顔が明らかに引きつる、手がわなわなと震えだしいきなりティーカップをテーブルに叩きつける様に置く!
ティーカップに一筋のヒビが入る、セリアとセリエは本気で驚く!

「いい⁈アーティファクトを作ってる時は一切声を出しちゃいけないの!
作業してない時も!ご飯食べる時も!お風呂入ってる時も!好きな人を見た時も‼︎
ずーっとよ‼︎
声をだしたら魔力が逃げちゃうの!

半年よ!半年!
あとは蓋をしめてネジで止めるだけだったの!
私の作る最高傑作よ!

そこに貴方達が来て結界を吹っ飛ばして!
驚いて声を出しちゃったじゃない!
どーしてくれるの⁈
西の国から頼まれてたの!
なんで結界を無理やり通ろうとしたの?
普通に魔導師なら、魔力でノックすれば良いじゃない!

あんた達のおかげで全部台無しよ‼︎」

 シャルルの怒りは最もだ、既に先程の優雅さは微塵も感じられ無い、マエストロとして作品を作ってる時にあと少し、ほんの後少しのところで全てを台無しにされたのだ……激怒するはずである。
 その声は周辺まで響き、逃げ出した魔物達も恐れ更に遠くへ全速力で離れていく程であった。

(こ……怖い……)
冷静なセリエすら恐れた、だが……
「なるほろ~ごめんなさい、少し見せてくれませんか?」
 セリアは恐れずにそれに歩み寄ると……
「貴女死にたいの?」
うっすらと笑みを浮かべシャルルが言う。
「シャルルさんは魔女に戻りたいのですか?魔女の呪いから解放されるのは大変な事、千年前に魔女の呪いをどうやって解かれたのかは知らないけど、また戻りたく無いですよね?」
 セリアは笑顔でそう言い返した。
(なっ……この子なんなの?)
シャルルはそう思いつつ思わず後退りする。

 セリアはその失敗したアーティファクトを見つめて、一個のネジにまだ魔力が残ってる事に気付いた、そして手をかざし唱える。
「偉大なる炎の神よ、その溢れる生命の躍動を力に……
偉大なる水の女神よ、その慈しみ育む愛を力に……」
セリアの炎と水の魔力が凄まじい共鳴を始め爆発的に増幅されていく……

「そんな炎と水、反する属性の魔力を使えると言うの⁉︎」
「セリアは共鳴させる事が得意なの、どんな力でも二つを仲良くさせる事が出来るの、魔法学校の先生も記録を抹消して極秘扱いする程稀な能力を持ってるの」

 セリアは優しい笑顔をしたまま唱える。
「静寂を愛する魂無き魔力を蘇らせよ、我が血と我が魂を糧に」

 その瞬間、輝きを失ったアーティファクトが再び輝きだした。
シャルルはハッとして、それを確かめる。
 宝石に込めた呪文も元に戻り、全ての歯車が魔力を共有し生み出し続けている。

「ふー……なおっ……」
(喋らないで!)
シャルルの声が二人の心に響いた、セリエが口の前に人差し指を立ててシーッとしている。
 シャルルは静かに丁寧に動きだしたアーティファクトに蓋をしてネジを止める……
「出来た……」
シャルルが声を出した、完成した様だ……

 そしてセリエがセリアの背中をツンツンして、その横で深々とお辞儀をしている。
(あっそっか)
セリアもお辞儀をしてからセリエが言う。
「本当にお騒がせして申し訳ありませんでした。私達も魔物に追われていたとは言え、妹のセリアが大変な事をしてしまい、申し訳ありません」
「ごめんなさい……」

 シャルルはセリアの、あっそっかも聞こえていたが、セリエも質の良い魔力を持ってる事に気付いた、そして……
「もういいわ治癒の星も出来たし、良かったらうちでアーティファクト作り手伝ってみない?」
「えっ……いいのですか?」
(ただし、心伝の魔法を覚えて貰うわよ……これが出来ないと何も会話出来ないからね)
(心伝……ってなんですか?)
「セリアさん、ふざけてるの?もう使ってるじゃない、本当に凄いね……」
(これの事ですか?)
セリエも心で話してきた。
(えっ二人とも使えるの?)
(うん、いつも二人でコソコソ話す時に言葉に魔力を乗せて心で話してます)

 シャルルは驚いた、この魔法を知る者は少ない、シャルルも魔女だった時に習得した魔法で普通は習得出来ない、簡単にセリアが言うが実際は難しい魔法であり二人のセンスにシャルルは驚くばかりであった。


そしてその日から、セリアとセリエのアーティファクト作り見習い生活が始まった。
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