ある晴れた日に

はじまり

空がね凄く近くなるの。 
上と下も分かんなくなっちゃって来てね、
自然と幸せな気持ちになってくるの。
記憶もほとんどなくなってるの。
でも、いくつか覚えてることがある。
最後まで一緒にいてくれたあの子のこと。
いつもニコニコしてた、あの人のこと。
これから、ちょっとだけ私の話を聞いて欲しい。

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その日は、いつも通りの朝だった。
朝食のトーストを頬張って、家を出た。
｢由樹ゆきー！｣
向かいから遙はるが走ってきた。
私の名前は山本由樹。中2。
私の親友、堀内遙。同じく中2。
元気よく挨拶を交わし、駄弁りながら歩いていた。
私は学校につくなり、図書室に向かった。
遙と私は、読書が趣味だ。

図書室へ向かう階段を降りる。
あれ………。視界が歪む。
コーヒーカップに回った後みたいにクラクラする。
足がもつれる。
遙の顔が見えたのを最後に、
あの日の記憶はなくなった。