初恋のキミ

天野 奏

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熱の幻想

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ピンポーン……

玄関のチャイムが鳴った。

目を開くと、オレンジの夕焼けが外から入ってきている。

「はーい………」

ベッドから降りると、体がクラクラッとして、置いてあるカラーボックスにぶつかってしまった。
玄関まで行くと、「宅急便でーす!」との声。

なんで、今日に限って………

はぁ……とため息をつきつつ、鍵を開けて荷物を受け取った。

「失礼致します!」

元気良く出ていく人。

何が届いたんだろう……?

おばさんからだ……。

久々だなぁ………。


そうして玄関に座ったところで、ふと、思考が止まる。

あれ、今、男の人だった、よね?

顔見た………よね? 


あれ…………



……………。




『おい!咲來!!』

先輩の、声がした。
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