入れ替わるようになりまして。

天野 奏

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入れ替わりマニュアル…って、こんなの無理!!

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「……はぁ………」

やっと、午前中の授業が終わった。


………何にも分かんねえ!

ただでさえ勉強出来ないのに、なんでこんな難しいの!?

物理とか……そもそも俺文系だから取ってないし!!


「なんか、今日は散々だね……」

武田先輩がクスクス笑っている。

今日に限って毎回授業で指されたからだ。


「……ほっとけ」

ムッとなって、恥ずかしくて顔を反対側に向けて机に突っ伏した。

「なんか、亜貴じゃないみたい」


ドキッ……


「亜貴って、昔からなんでも出来るしねぇ。
今日の亜貴はなんか、可愛いっていうか……」


か……可愛い!?

え、まさかだけど!
武田先輩、そっち系なんじゃ……!?


「亜貴~~~!」


後ろから、誰かに抱き締められる。

高い女の声。

背中に柔らかいのが当たってる。

なんだか、嫌な予感がした。

「……誰?」

恐る恐る顔を上げると、女は「嫌だなぁ~」と声を上げた。

綾瀬 鈴菜アヤセ スズナ
亜貴の彼女でしょ~?」

か、か、彼女ぉー!?

え、何それ、聞いてない!!

教えてもらってない!ってか、マニュアルにも無かった!!


「お弁当作ってきたの!
屋上で一緒に食べよ♪
あ、武田くん、亜貴借りるねー!」

「どうぞ」と聞こえるか否や、爆乳女の綾瀬鈴菜はオレの腕を強引に引っ張って連れ出した。


ええーー!!!
どうすんのこれー!!!



***


場所変わって、屋上。

「どぉー?
鈴菜特性卵焼きはー?」

「……うまい」


普通に、弁当食べてます。

ぶっちゃけ言うとアニキが作ってくれる弁当より美味い。
(ごめんアニキ)

これが女子力のある女が作る弁当か……!

オレ、こんなの作れるのかな?

……いや、オレに女子力を求めちゃダメだ。


「ごちそうさま!」

手を合わせて完食すると、彼女は満足そうだった。

「よかった!
亜貴がそんなに美味しそうに食べてくれるなんて思わなかったよ」

………はっ!

しまった!
メシが美味すぎて、つい亜貴のキャラを忘れてしまっていた!!

「……そう?
いつもと変わらないけど」

慌ててそれっぽく振る舞うと、鈴菜はクスクスと笑う。

「だって、何も言わないじゃない。
なんか、こんなに食べてくれるなら、また作っちゃおうかな♪」

片付けながら、彼女は笑う。

うわー、なんて可愛い子なんだろう?

純粋に、亜貴が好きなんだなぁ……。

亜貴は、どうなんだろう?

どう見ても巨乳だし、身長もそこそこあるし、ばっちりタイプなんだろうなぁ。

てか、亜貴も意外とイケメンだし、お似合いカップルじゃね?

いいなぁ、イケメンイケ女は。

すぐにお似合いの人と付き合えて。


それに比べたらオレは……武田先輩と全然釣り合わない。


キュッと、手を握った。


『武田先輩が好きなのに……!』

『それ以上になりたくなる』

あんな風に思ったのは、好きだと思ったからだけど。

付き合うのとは違って、ただの、片思いで。

こんな風に、相思相愛になんて、なれない。


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