入れ替わるようになりまして。

天野 奏

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入れ替わり攻略法…そんなの出来るか!!

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「あー、めんどくさ!」

場所は屋上。

あくびをかくジャージ姿の亜貴(オレの身体)に、イラッとする。

何が、めんどくさっだ。

あれから1週間は経った。

今日は新学期最初の親睦会……体育祭だ。

夏休み前に球技大会があるが、それとは別に、学年関係無しに組ごとでチーム分けされた運動会のようなものだ。

うちの高校は理系が多いから、1から6が理系で、7から8が文系。

オレは7組でこともあろうに鈴菜先輩と同じ紫チームだ。

……オレの身体であれば。


「……呼び出したのは、やっとオレの身体返す気になったんだよな?」

「ん?」

と、とぼけた返事をする亜貴に、ムカッとする。

あの日以降、亜貴は全く連絡を取り合ってくれなかった。
丸一日なら、まぁ、相当キレてるんだなぁと思った。
そりゃ話しかけるのもちょっと恐いし、諦めた。
けど、それ2日、3日と日にちが過ぎると、ただ事じゃ無くなる。
が、教室に行けばほとんどいないし、会ってもシカトされた上に健斗に追い払わせる始末。
部活ももちろん亜貴として頑張るしかなかった。
亜貴は部活に一応出てたけど、終わるとすぐに帰ってしまった。
そんなのが、1週間。
しかも、体育祭当日になってやっと連絡してくるわけだから、腹立つ。

オレはすっかり亜貴としてやるつもりでいたから、好きな科目選んでしまったし。

「怒んなよ。
寂しかった?」

「ちげーよ!
もう身体帰ってこないと思ってたわ!」

「んなことするかよ。
俺も男の方がいいからな」

「じゃあなんで……っ!」

グッと片手を引かれて、ギュッと抱き付かれた。

「どう?1週間心も身体も男になった?」

「なるわけ……っ……」

グラッと、視界が歪む。

久々過ぎて、急すぎて、焦った。

晴天の空が視界に入り、目を閉じる。

だから、このままだと頭……。



「っと、成功」

「……はっ!」


頭に声が降ってきたと思えば、オレ(純の身体)はしっかり受け止められていた。

顔を上げると、先ほどの晴天の中に、最近ずっと見てきた亜貴の顔が、少し微笑んでいる。

「入れ替わりにかかる時間、結構短いから、起きるさえ早ければ受け止められるんじゃないかと思ってたけど、やっぱりな」

「っ………あぶねーから試すなよ!!」

「どうせぶつかんのは俺だろ?
何?心配?」

ニヤッと笑う亜貴に、顔が熱を帯びた。

「なわけねーだろ!
お、オレの身体でもあるんだからな。
何かあったら、困る」

「おー、俺が言った時は否定したくせにな」

「う、うるさい!
離せよ!」

離れようと亜貴を押すと、ギュッと手首を掴まれた。

「で、俺の身体は毎日抜いてくれたのか?」

目を細め、口角を上げた亜貴。

「は、はぁ!?
抜くわけ無いだろ…!」

「は、なんで?
俺の健全な身体は毎日抜くぐらいじゃないと」

「や、やるわけ……/////!」

「おー、ムッツリさん」

「そ、そんなんじゃ/////!」

「じゃあさ、朝起きてビックリしなかった?」

っ………!

耳に顔を近づけられる。

「夢精ってやつ」

「!!バカ/////!」

なんなんだよ!
久しぶりに話しかけてきて、やっと許してくれたと思ったら下ネタ連発か!!

そして、力が強くて離れない。

「あったんだ。
じゃあホントに抜いてないんだね。
今抜いてくれても構わないけど」

「誰が抜くかよ……バカ亜貴!」

「フッ……これ、よく見とけよ」

「……何これ」

後ろのポケットから何やら紙が引き抜かれ、手渡された。

「お前体育委員だろ?
時間ごとに準備物の割り当てがあるらしいよ。
お前は二回。
朝一と、午後一」

「ってこれ…もうすぐのヤツじゃん!!」

「あーそうだった」とのんびり答える亜貴に、また更に腹が立った。

「まぁ体育祭ぐらい、自分の身体で楽しませてやろうと思ったからさ。
早く行ってこいよ」

ムッ……なんだその上から目線!

かといって機嫌悪くするとマズイか。

いつまた元に戻るか、分かんねーしな。

「……じゃあな」

「待って」

離れようとしたところを、また片手を取られて引き戻された。

「ちょっ……!」

ギュッと後ろから抱き締められる。

も……もう!

懲りないヤツ……!

「……ん、おけ」

そのまま何か変なことをいうでもなく、オレを離した。

「じゃあな」

「あ……うん」

煮え切らない思いのまま、オレは屋上を出た。

なんか、ずっと、亜貴がおかしい。
(いや、亜貴のことなんてあんまり知らないけど)
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