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間接キス、再び?
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マサオはルナのお尻、いや、背中を追いかけて走っていた。ルナはメリハリの付いた走りをマサオに教え込む様に視界が開けている所ではスピードを出す時は出し、ブラインドやヘアピンでは落とす時は落とした。もちろん安全マージンは十分に取った上でだ。また、ハルカとは違いマサオを試す様な事はせず、ゴールまでマサオとの距離を見ながらペースを調整し続けたのでペースは遅いながらもマサオは安全且つ快適にルナのお尻を堪能、いや、ダウンヒルを楽しむ事が出来た。
「あれっ、二人が居ないっすね」
ゴール地点の信号が見えた時、そこで待っているとばかり思っていたトシヤとハルカの姿が見え無い事に気付いたマサオが後ろから叫ぶが、ルナにとっては想定内だった様だ。
「ハルカちゃんったら待ちきれなかったのね。まあ、行き先は解ってるから私達も行きましょうか」
信号が青なのを確認したルナは左右にも気を配りながら交差点を少しだけスピードを落として通過し、マサオもルナに続いた。
一足先にコンビニに着いたトシヤとハルカはリアクトとエモンダを車止めに立て掛けてワイヤーロックをかけ、店内に入った。ハルカは「あっいすっ、あっいすっ」と鼻歌を歌いながら上機嫌で一直線にアイスクリームの入った冷凍ケースに向かった。
「奢ってくれるって言ったわよねー。どうせなら普段買えない様なヤツを……」
恐ろしい事を言いながら真剣な目でアイスを吟味するハルカの一挙一動をトシヤは恐怖を感じながら見ていた。
アイスを選ぶハルカの後ろ姿は中々刺激的だった。このコンビニの冷凍ケースは平型のオープンタイプだ。上から品物を見定める為に身を乗り出すと、どうしてもお尻を突き出す体制になる。ピッタリと肌に張り付いたビブショーツがハルカのお尻の丸みを強調し、膝上の裾からはスラリとした足が伸びている。もちろん踝あたりまでは生足だ。
「コレにしよーっと」
ハルカが選んだのは果汁感溢れるマンゴーのアイスバーだった。
「えっ、ソレで良いの?」
拍子抜けしたトシヤが思わず口にした。ハルカが選んだアイスバーは150円弱、選んでいる時の口振りからすると300円以上する大きなカップアイスや、小さいが有名ブランドのアイスを奢らされるのではないかとトシヤは覚悟していたのだ。
「うん、コレが良い!」
はちきれんばかりの笑顔で答えるハルカに「150円でこんな笑顔が見られるのなら安いものだ」と思ってしまうトシヤだった。
ハルカからアイスバーを受け取ったトシヤはドリンクのコーナーに足を向け、スポーツドリンクの500ミリペットボトルに手を伸ばした。その時、ハルカの声がトシヤを止めた。
「トシヤ君、それは買わなくても良いわよ」
言うとハルカは500ミリのペットボトルでは無く、1リットルのペットボトルを手に取った。トシヤはハルカに言われるままにアイスバーだけをレジに持って行き、お金を払うと、ハルカもスポーツドリンクのお金を払い、二人は店を出た。
「とりあえず、はい」
トシヤがアイスバーをハルカに渡すと、ハルカは嬉しそうな顔でそれを受け取り、袋を開けた。マンゴーの甘い匂いが立ち込め、一口齧ったハルカがうっとりした顔となった。
「美味しい! 本当にマンゴーを食べてるみたい」
幸せそうにアイスを食べるハルカの横顔を見るトシヤの視線に気付いたのか、ハルカはアイスバーをトシヤに差し出した。
「一口食べる?」
ほんの数十分前にボトルを巡って間接キスがどうとか騒いでいたとは思えない様な大胆な事を言うハルカに、トシヤはドキッとしながら差し出されたアイスバーを見た。ボトルの飲み口が仄かに濡れているどころでは無い。ハルカの歯型そのままに齧り取られた周囲は触れた唇の温かさで溶かされ、色が変わっている。
ここはどうすべきか? トシヤは悩んだ。真剣に悩んだ。もちろん本心は「ハルカが齧ったところを一口齧り付きたい」だ。しかし、そんなあからさまな事が出来るトシヤでは無い。普通ならハルカが口を付けていないところを一口いただくのが妥当な線だろう。しかし……
だが、悩む必要は瞬く間に無くなってしまった。
「あっ、ごめんなさい。変な事言っちゃって」
ハルカがバツが悪そうにアイスバーを引っ込めてしまったのだ。トシヤがほっとした様な、残念な様な複雑な思い(割合で言えばほっとしたのが2、残念なのが8ぐらいだろう)でいると、ハルカは肩を落として呟いた。
「だからダメなのよね、私って。男の子とか女の子とかすぐ忘れちゃうから……」
ハルカらしからぬ小さな声で嘆き、俯いてしまったハルカにトシヤはどんな言葉をかければ良いか解らなかった。だが、黙っている訳にもいかない。
「ダメな事なんて無いよ。だって、それがハルカちゃんなんだから」
とりあえずはハルカを肯定するところからスタートするがハルカは俯いたまま、首を横に振った。
「でも、こんなだから私、女の子として見てもらえないんだよね」
ハルカも面倒臭い、いや、可愛い事を言うものだ。こういう時に男の子がかけるべき言葉は? 彼女居ない歴=年齢のトシヤにとっては恐ろしく難しい問題だ。
「あれっ、二人が居ないっすね」
ゴール地点の信号が見えた時、そこで待っているとばかり思っていたトシヤとハルカの姿が見え無い事に気付いたマサオが後ろから叫ぶが、ルナにとっては想定内だった様だ。
「ハルカちゃんったら待ちきれなかったのね。まあ、行き先は解ってるから私達も行きましょうか」
信号が青なのを確認したルナは左右にも気を配りながら交差点を少しだけスピードを落として通過し、マサオもルナに続いた。
一足先にコンビニに着いたトシヤとハルカはリアクトとエモンダを車止めに立て掛けてワイヤーロックをかけ、店内に入った。ハルカは「あっいすっ、あっいすっ」と鼻歌を歌いながら上機嫌で一直線にアイスクリームの入った冷凍ケースに向かった。
「奢ってくれるって言ったわよねー。どうせなら普段買えない様なヤツを……」
恐ろしい事を言いながら真剣な目でアイスを吟味するハルカの一挙一動をトシヤは恐怖を感じながら見ていた。
アイスを選ぶハルカの後ろ姿は中々刺激的だった。このコンビニの冷凍ケースは平型のオープンタイプだ。上から品物を見定める為に身を乗り出すと、どうしてもお尻を突き出す体制になる。ピッタリと肌に張り付いたビブショーツがハルカのお尻の丸みを強調し、膝上の裾からはスラリとした足が伸びている。もちろん踝あたりまでは生足だ。
「コレにしよーっと」
ハルカが選んだのは果汁感溢れるマンゴーのアイスバーだった。
「えっ、ソレで良いの?」
拍子抜けしたトシヤが思わず口にした。ハルカが選んだアイスバーは150円弱、選んでいる時の口振りからすると300円以上する大きなカップアイスや、小さいが有名ブランドのアイスを奢らされるのではないかとトシヤは覚悟していたのだ。
「うん、コレが良い!」
はちきれんばかりの笑顔で答えるハルカに「150円でこんな笑顔が見られるのなら安いものだ」と思ってしまうトシヤだった。
ハルカからアイスバーを受け取ったトシヤはドリンクのコーナーに足を向け、スポーツドリンクの500ミリペットボトルに手を伸ばした。その時、ハルカの声がトシヤを止めた。
「トシヤ君、それは買わなくても良いわよ」
言うとハルカは500ミリのペットボトルでは無く、1リットルのペットボトルを手に取った。トシヤはハルカに言われるままにアイスバーだけをレジに持って行き、お金を払うと、ハルカもスポーツドリンクのお金を払い、二人は店を出た。
「とりあえず、はい」
トシヤがアイスバーをハルカに渡すと、ハルカは嬉しそうな顔でそれを受け取り、袋を開けた。マンゴーの甘い匂いが立ち込め、一口齧ったハルカがうっとりした顔となった。
「美味しい! 本当にマンゴーを食べてるみたい」
幸せそうにアイスを食べるハルカの横顔を見るトシヤの視線に気付いたのか、ハルカはアイスバーをトシヤに差し出した。
「一口食べる?」
ほんの数十分前にボトルを巡って間接キスがどうとか騒いでいたとは思えない様な大胆な事を言うハルカに、トシヤはドキッとしながら差し出されたアイスバーを見た。ボトルの飲み口が仄かに濡れているどころでは無い。ハルカの歯型そのままに齧り取られた周囲は触れた唇の温かさで溶かされ、色が変わっている。
ここはどうすべきか? トシヤは悩んだ。真剣に悩んだ。もちろん本心は「ハルカが齧ったところを一口齧り付きたい」だ。しかし、そんなあからさまな事が出来るトシヤでは無い。普通ならハルカが口を付けていないところを一口いただくのが妥当な線だろう。しかし……
だが、悩む必要は瞬く間に無くなってしまった。
「あっ、ごめんなさい。変な事言っちゃって」
ハルカがバツが悪そうにアイスバーを引っ込めてしまったのだ。トシヤがほっとした様な、残念な様な複雑な思い(割合で言えばほっとしたのが2、残念なのが8ぐらいだろう)でいると、ハルカは肩を落として呟いた。
「だからダメなのよね、私って。男の子とか女の子とかすぐ忘れちゃうから……」
ハルカらしからぬ小さな声で嘆き、俯いてしまったハルカにトシヤはどんな言葉をかければ良いか解らなかった。だが、黙っている訳にもいかない。
「ダメな事なんて無いよ。だって、それがハルカちゃんなんだから」
とりあえずはハルカを肯定するところからスタートするがハルカは俯いたまま、首を横に振った。
「でも、こんなだから私、女の子として見てもらえないんだよね」
ハルカも面倒臭い、いや、可愛い事を言うものだ。こういう時に男の子がかけるべき言葉は? 彼女居ない歴=年齢のトシヤにとっては恐ろしく難しい問題だ。
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