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第21話 ゴブリン(後編)

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先ずはこちらにも背を向けている方のゴブリンの首を木の棒で全力で振り回す。

走る足音に気付いたのかこちらを振り向いていたのでちょうど喉仏辺りに当たりミシッと嫌な音がなり、ゴブリンは白目を向いて倒れる。

もう片方のゴブリンも初めは呆気にとられていたがやがて腰から短剣のような物を取り出す。

『短剣か……』

俺が短剣を見て動きを止めると

『グギャギャ』

ゴブリンは俺がびびったと思ったのか嬉しそうに声を上げる。

『まぁその短剣よりかはこっちの木の棒の方が長いんだぜ』

俺は持っていた木の棒を後ろに構えて身体を捻り、そのまま勢いを付けてゴブリンの首を狙い叩きつけた。

ボキッ!

しかし、木の棒は狙ったゴブリンの首ではなく肩に当たり折れてしまった。

そしてゴブリンは痛みに耐えながら俺に向かって来た。

俺は木の棒を叩きつけた体勢からゴブリンの方へ屈み込みながら走りゴブリンの短剣を躱す。

『あっぶな!まさか魔力を巡回させてたのに壊れるのか……流石にあの木の棒は細過ぎたか。よっと』

俺は振り向いたゴブリンの腹に折れて尖った木の棒の先端を突き刺した。

『グギーー!!』

ゴブリンは大声を出しながら倒れこむ。

思いの外、木の棒が深く突き刺さったのか声を上げながら苦しんでいるゴブリンを黙らせるため、俺はその辺に落ちてた大きい石を持ち上げゴブリンの顔に落とした。
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