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本編
篩いの森③
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「さあて、焼けたかな?」
パチパチ、パチパチ。火花が爆ぜる音がします。
焚き木を囲んで三巳がご飯の調理をしています。
三巳は串に刺したお肉をひっくり返し、両面がよく焼けている事を確認します。
「はい、リリ。もう一本はネルビーにな」
二本の串をリリに渡すと、反対側のロダにも渡し、最後に自分の分を取りました。
「「「いただきます」」」
お決まりの文句を言ってパクリ、ハフハフしながらお肉の味を堪能します。
「ふあ~、あふあふっ、うま!」
「はふはふっ、ふふっ、おいひい♪」
『んまんまんまんまっ』
熱々の出来立て串焼きを口の中で冷ましながら味わう二人に、熱さなんてものともしないでガツガツ食べるネルビー。それを三巳は嬉しそうに眺めながら自分もパクリと口に含みました。
「うーにゅ。ビールが欲しくなる味なんだよ」
「ダメだよ三巳。いくら歳は大人でも体は子供なんだから」
前世からほぼお酒断ちせざるを得ない三巳は、無いものねだりで架空の缶ビールを仰ぎます。
それに冷めた目でツッコミを入れるロダに、リリとネルビーが快活に笑ってなんとも楽し気です。
「ジュースも好きだけどなー。
まぁ、ロダも大人になってあの味を覚えたら三巳の気持ちもわかる様になるんだよ」
「えー?僕は別にいらないけどな」
「そうか……。好きな人と二人、グラスを合わせて呑む酒の味は……そうか、いらないのか……」
眉根を寄せて口を尖らせるロダに、三巳はワザと可哀想な目を作って隠し、チラチラ見ながら溜息を吐きました。
隣でリリが「好きな人とかー」と顎に指を当てて空に想いを馳せます。
それを見たロダがさらに大人になったリリ(美人化美化百%)と二人、大人っぽく呑み交わす図を想像します。
「やっぱいる。滅茶苦茶いる。早く大人になりたい」
そして素直に真顔で祈る様に手を組みジッとリリを見つめました。
正直者なロダに三巳が大爆笑をすると、どうやら山にその声が響いた様です。
「あ、やば。冒険者達に気付かれた」
そこそこ近くにいた冒険者達の耳に入り、何やら騒ぎ出してしまいました。
その声があまりにも大きいので、リリはビクリと肩を震わせます。
「大丈夫だよ。ここには来れないから」
『ていうか化け物の咆哮って思われてるぞ。冒険者達、怖くなって逃げ出したぞ』
「むー。失礼な冒険者達だな。三巳の笑い声は普通だ、普通っ」
心外だとプンスコ怒る三巳があまりに可愛らしくて、リリもすっかり緊張を解いてクスクス笑い出します。
「ふふふっ、そうよね、三巳が笑うと私もとっても楽しくなるから好きよ」
「だよなっだよなっ。ほらぁ、三巳の笑い声変くないっ」
三巳がドヤ顔で胸を反らすので、ロダとネルビーまで笑い出しました。
篩いの森に少年少女特有の明るい笑い声が木霊します。
「ふー、あはっ、お腹苦しっ。ふふふ」
いっぱい笑ってお腹が痛くなったリリがお腹を抱えました。
三巳もロダも楽しそうなリリに満足気にニッコリ笑みを深めます。
『リリが楽しいの、おれ嬉しいぞ』
ネルビーも尻尾をブンブン振ってリリの顔をペロペロ舐めるものだから、リリの笑いはさらに深くなりました。
「あはははっ、ネルビー、ちょっ、今は止めて~っっ、あは、ふふふっ」
リリはネルビーの首周りのモフ毛に両手を差し入れ、モフ味を堪能しながらも制止を促しました。
勿論ワンコなネルビーはそんな事されたらもっと止まりません。乗り上げて舐め始めるものだから到頭リリは倒れ込んでしまいました。
リリが涙目で苦しそうに笑うので、三巳は仕方なくネルビーを抱えてリリから遠ざけました。顔は半笑いです。
ロダがリリを優しく起こします。そして濡れタオルを作って渡しました。
リリは有り難く受け取り顔中の涎を拭き取ります。
「ありがとう、ロダ」
綺麗になったのでタオルを返し、ロダは受け取ったタオルを水魔法で洗浄、風魔法で乾燥させて仕舞いました。
「それにしても。冒険者さん達帰ってしまったのは良いけど、ホロホロを欲しがってた依頼主さんは大丈夫なのかしら」
席に戻って腰を落ち着けたところでリリが心配そうに言いました。
「確かに。ホロホロが欲しいなんて、きっと大変な病気を持ってるんじゃないかな?」
ロダも心配になってきます。
そんな優しい二人に、三巳はホッコリ暖かい気持ちで「うん」と頷きました。
「それじゃあコッソリ鳥達に調べて貰おうか」
言うなり三巳は近くでカーカー鳴いてたカラスに声を掛けました。
「と言う訳なんだ。調べて貰っても良いかな?」
「カー」
「そうか、ありがとうな。お礼にこの串肉を食べるか?」
「カー♪」
どうやら交渉は上手くいった様です。
三巳は焼き立てのお肉を冷ましてカラスに差し出します。すると周りにいたカラス達が一斉に三巳の手元に集まって来ました。
「あや。流石に一本じゃ足らなそうだな。みんなの分も焼くから待てるか?」
「「「カー♪」」」
一気に大人数になったキャンプは、終始和やかに日を閉じたのでした。
パチパチ、パチパチ。火花が爆ぜる音がします。
焚き木を囲んで三巳がご飯の調理をしています。
三巳は串に刺したお肉をひっくり返し、両面がよく焼けている事を確認します。
「はい、リリ。もう一本はネルビーにな」
二本の串をリリに渡すと、反対側のロダにも渡し、最後に自分の分を取りました。
「「「いただきます」」」
お決まりの文句を言ってパクリ、ハフハフしながらお肉の味を堪能します。
「ふあ~、あふあふっ、うま!」
「はふはふっ、ふふっ、おいひい♪」
『んまんまんまんまっ』
熱々の出来立て串焼きを口の中で冷ましながら味わう二人に、熱さなんてものともしないでガツガツ食べるネルビー。それを三巳は嬉しそうに眺めながら自分もパクリと口に含みました。
「うーにゅ。ビールが欲しくなる味なんだよ」
「ダメだよ三巳。いくら歳は大人でも体は子供なんだから」
前世からほぼお酒断ちせざるを得ない三巳は、無いものねだりで架空の缶ビールを仰ぎます。
それに冷めた目でツッコミを入れるロダに、リリとネルビーが快活に笑ってなんとも楽し気です。
「ジュースも好きだけどなー。
まぁ、ロダも大人になってあの味を覚えたら三巳の気持ちもわかる様になるんだよ」
「えー?僕は別にいらないけどな」
「そうか……。好きな人と二人、グラスを合わせて呑む酒の味は……そうか、いらないのか……」
眉根を寄せて口を尖らせるロダに、三巳はワザと可哀想な目を作って隠し、チラチラ見ながら溜息を吐きました。
隣でリリが「好きな人とかー」と顎に指を当てて空に想いを馳せます。
それを見たロダがさらに大人になったリリ(美人化美化百%)と二人、大人っぽく呑み交わす図を想像します。
「やっぱいる。滅茶苦茶いる。早く大人になりたい」
そして素直に真顔で祈る様に手を組みジッとリリを見つめました。
正直者なロダに三巳が大爆笑をすると、どうやら山にその声が響いた様です。
「あ、やば。冒険者達に気付かれた」
そこそこ近くにいた冒険者達の耳に入り、何やら騒ぎ出してしまいました。
その声があまりにも大きいので、リリはビクリと肩を震わせます。
「大丈夫だよ。ここには来れないから」
『ていうか化け物の咆哮って思われてるぞ。冒険者達、怖くなって逃げ出したぞ』
「むー。失礼な冒険者達だな。三巳の笑い声は普通だ、普通っ」
心外だとプンスコ怒る三巳があまりに可愛らしくて、リリもすっかり緊張を解いてクスクス笑い出します。
「ふふふっ、そうよね、三巳が笑うと私もとっても楽しくなるから好きよ」
「だよなっだよなっ。ほらぁ、三巳の笑い声変くないっ」
三巳がドヤ顔で胸を反らすので、ロダとネルビーまで笑い出しました。
篩いの森に少年少女特有の明るい笑い声が木霊します。
「ふー、あはっ、お腹苦しっ。ふふふ」
いっぱい笑ってお腹が痛くなったリリがお腹を抱えました。
三巳もロダも楽しそうなリリに満足気にニッコリ笑みを深めます。
『リリが楽しいの、おれ嬉しいぞ』
ネルビーも尻尾をブンブン振ってリリの顔をペロペロ舐めるものだから、リリの笑いはさらに深くなりました。
「あはははっ、ネルビー、ちょっ、今は止めて~っっ、あは、ふふふっ」
リリはネルビーの首周りのモフ毛に両手を差し入れ、モフ味を堪能しながらも制止を促しました。
勿論ワンコなネルビーはそんな事されたらもっと止まりません。乗り上げて舐め始めるものだから到頭リリは倒れ込んでしまいました。
リリが涙目で苦しそうに笑うので、三巳は仕方なくネルビーを抱えてリリから遠ざけました。顔は半笑いです。
ロダがリリを優しく起こします。そして濡れタオルを作って渡しました。
リリは有り難く受け取り顔中の涎を拭き取ります。
「ありがとう、ロダ」
綺麗になったのでタオルを返し、ロダは受け取ったタオルを水魔法で洗浄、風魔法で乾燥させて仕舞いました。
「それにしても。冒険者さん達帰ってしまったのは良いけど、ホロホロを欲しがってた依頼主さんは大丈夫なのかしら」
席に戻って腰を落ち着けたところでリリが心配そうに言いました。
「確かに。ホロホロが欲しいなんて、きっと大変な病気を持ってるんじゃないかな?」
ロダも心配になってきます。
そんな優しい二人に、三巳はホッコリ暖かい気持ちで「うん」と頷きました。
「それじゃあコッソリ鳥達に調べて貰おうか」
言うなり三巳は近くでカーカー鳴いてたカラスに声を掛けました。
「と言う訳なんだ。調べて貰っても良いかな?」
「カー」
「そうか、ありがとうな。お礼にこの串肉を食べるか?」
「カー♪」
どうやら交渉は上手くいった様です。
三巳は焼き立てのお肉を冷ましてカラスに差し出します。すると周りにいたカラス達が一斉に三巳の手元に集まって来ました。
「あや。流石に一本じゃ足らなそうだな。みんなの分も焼くから待てるか?」
「「「カー♪」」」
一気に大人数になったキャンプは、終始和やかに日を閉じたのでした。
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