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本編
リリもリドルとお話します
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トップ会談を終えた三巳は、お土産をいっぱい貰ってリリ達の元へ帰って来ました。
帰る場所は以前のログハウスではありません。何故なら観光地化した城跡に建つログハウスでは、人の出入りが激しくて落ち着いて住めないからです。
ログハウスそのものはその場に残っていますが、今はカフェ兼お土産屋さんとなっているのでした。
「ただいまなんだよー」
ふんふんと鼻歌を奏でて開けた玄関は、元々ハンナが住んでいたアパートの物です。ハンナが住んでいたのはワンルームですが、それでは狭いので2DKの広いお部屋を新たに借りています。
「おかえりなさい。ご飯出来てるけどお風呂を先にする?」
玄関開けたらリリがお出迎えしてくれました。
三巳はもういっぱい社食を食い尽くしましたが、
「出来立てご飯ー♪」
二つ返事で満面の笑みを浮かべてテーブルへレッツラゴーです。けれど途中で気付いて左向けー左!を急展開ですると、
「手洗いうがいが先なんだよっ」
と洗面台に向かうのでした。
綺麗になった三巳が改めてテーブルに着くと、もうすっかりメンバーも料理も全員集合していました。
「お待たせなんだよ」
「ふふふ、それじゃあみんないただきます」
「「『いただきます』」」
リリが手を合わせて言うと、皆も揃って手を合わせます。ネルビーもお顔を上げて言うと、尻尾を振りながらご飯を食べ始めました。
「帰ってくるの遅かったけど、話は進んだの?」
リリとハンナの手料理に舌鼓を打ちながら、ロダが聞いてきました。
三巳はロダに顔を合わせると、両の頬袋いっぱいに詰め込んだ料理を飲み込んで頷きました。
「うにゅ。ちゃんと国交が結べそうで一安心なんだよ。ウィンブルドン伯爵の事もお話したからそっちとも連携取ってくれるらしい。リドルおいちゃんとオーウェンギルド長は頼りになる大人なんだよ」
ほにゃんとした笑みに、ふわんふわんと揺れる尻尾が、三巳の幸せな気持ちを表しています。
「ふふふ、良かったわね三巳」
「うにゅん。ふへへへへっ」
リリにもニッコリと言われてご満悦に耳をピコピコする三巳です。そのもっふり感にリリはお食事中だからと、モフ撫でを我慢するのが大変なのでした。
「と言っても三巳はむつかしい話は苦手だから、今度ロウ村長連れて来る事になった。ほんで三国会談するらしい」
「ロウ村長か~。あの人の事だから嬉々としてやって来そうだね」
「うにゅ。ロウ村長は元来外出好きだからな」
ロダの言葉に皆がその様子を容易に想像出来て笑ってしまいました。
楽しい笑い声が食卓を囲い、和やかに食事の時間が過ぎるのでした。
明くる日、リリはネルビーとハンナを連れてリドルの元へ訪れました。
三巳とロダは山のお土産を知り合いに配って回っていて別行動です。
「お時間をとってくれてありがとうリドルおじ様」
リドルの家に招かれたリリは、リビングのソファに身を沈めています。
「大切なリリの為ならいくらでも時間を空けるよ」
「うふふ、無理はしないでね?」
ひとしきり挨拶程度の会話を和やかに済ますと、リリは背筋をピンと伸ばしてリドルを見ました。
「リドルおじ様、三巳のお話を受け入れてくれてありがとう」
「なんの、私達にとっても嬉しい話だからね」
「ええ、お陰で私もリファラに里帰りし易くなって嬉しいわ」
リリの「里帰り」という言葉に、リドルは柔和な目を細めました。
「矢張り行くのだね」
「ええ……。私達王家は、この国に大変な災厄を齎してしまった。でもこの国の人達は王家以外の多くの人達に助けられて立ち直る事が出来た。
この国にはもう王家の庇護は必要無いのよ」
「……民達は王家に守って貰おうとは元々思っていなかったよ。
王家が齎してきたのはいつだって癒しだった。そしてこれからも君の存在は我々に癒しと希望を与えてくれる」
「ええ……。皆が良くしてくれているのは私も感じているわ。私も、三巳に、山の民に……」
リリはそこまで言ってから目を瞑り、胸の中に映し出された存在を優しく抱く様に両手で押さえました。
「……ロダに出会えなければ此処から離れるなんて思わなかった……」
リリの心はもう既に、ロダと共にあったのです。
それでも国が落ち着かなければロダの事は諦める積りでした。ロダは山に必要な存在だと思っているからです。
でもこの国はリリが戻る前から復興を始めていて、そして自分達の力で立て直せました。
リリはもうずっと、この国で自分が出来る事は他の誰でも出来る事だと理解していたのです。
「ずっといなくなる訳じゃないわ。お墓参りには毎年帰るし、山の民にもこの国をいっぱい紹介したいもの」
少し寂しい気持ちも有るけれど、心が軽くなった様なスッキリとした笑みで窓から街並みを見ました。
リドルも同じく外の景色を見ました。
窓から見えるリファラは、災厄なんて無かったかの様に明るく生き生きとしています。
通りを走る子供達は皆笑顔で、それを見守る大人達も皆穏やかに笑っています。
リドルは目を瞑り頷くと、とても嬉しいと書いてある笑みで、リリの未来を夢見て輝く瞳を見つめます。
「そうだね。私も大切なリリがお世話になった山の民にお礼が言いたいねぇ」
リドルが言うと、リリは花が咲いた満面の笑顔で振り返りました。
「ありがとうリドルおじ様!皆とっても良い人達なのよ!」
幼かった少女のリリはもう直ぐ成人を迎えます。リリの笑顔は大人の女性のものですが、それでも昔のリリを思い起こさせてくれるものでした。
リドルはその時の流れを感じ、
(この姿を両陛下にお見せしたかったな)
と内心でしんみりするのでした。
帰る場所は以前のログハウスではありません。何故なら観光地化した城跡に建つログハウスでは、人の出入りが激しくて落ち着いて住めないからです。
ログハウスそのものはその場に残っていますが、今はカフェ兼お土産屋さんとなっているのでした。
「ただいまなんだよー」
ふんふんと鼻歌を奏でて開けた玄関は、元々ハンナが住んでいたアパートの物です。ハンナが住んでいたのはワンルームですが、それでは狭いので2DKの広いお部屋を新たに借りています。
「おかえりなさい。ご飯出来てるけどお風呂を先にする?」
玄関開けたらリリがお出迎えしてくれました。
三巳はもういっぱい社食を食い尽くしましたが、
「出来立てご飯ー♪」
二つ返事で満面の笑みを浮かべてテーブルへレッツラゴーです。けれど途中で気付いて左向けー左!を急展開ですると、
「手洗いうがいが先なんだよっ」
と洗面台に向かうのでした。
綺麗になった三巳が改めてテーブルに着くと、もうすっかりメンバーも料理も全員集合していました。
「お待たせなんだよ」
「ふふふ、それじゃあみんないただきます」
「「『いただきます』」」
リリが手を合わせて言うと、皆も揃って手を合わせます。ネルビーもお顔を上げて言うと、尻尾を振りながらご飯を食べ始めました。
「帰ってくるの遅かったけど、話は進んだの?」
リリとハンナの手料理に舌鼓を打ちながら、ロダが聞いてきました。
三巳はロダに顔を合わせると、両の頬袋いっぱいに詰め込んだ料理を飲み込んで頷きました。
「うにゅ。ちゃんと国交が結べそうで一安心なんだよ。ウィンブルドン伯爵の事もお話したからそっちとも連携取ってくれるらしい。リドルおいちゃんとオーウェンギルド長は頼りになる大人なんだよ」
ほにゃんとした笑みに、ふわんふわんと揺れる尻尾が、三巳の幸せな気持ちを表しています。
「ふふふ、良かったわね三巳」
「うにゅん。ふへへへへっ」
リリにもニッコリと言われてご満悦に耳をピコピコする三巳です。そのもっふり感にリリはお食事中だからと、モフ撫でを我慢するのが大変なのでした。
「と言っても三巳はむつかしい話は苦手だから、今度ロウ村長連れて来る事になった。ほんで三国会談するらしい」
「ロウ村長か~。あの人の事だから嬉々としてやって来そうだね」
「うにゅ。ロウ村長は元来外出好きだからな」
ロダの言葉に皆がその様子を容易に想像出来て笑ってしまいました。
楽しい笑い声が食卓を囲い、和やかに食事の時間が過ぎるのでした。
明くる日、リリはネルビーとハンナを連れてリドルの元へ訪れました。
三巳とロダは山のお土産を知り合いに配って回っていて別行動です。
「お時間をとってくれてありがとうリドルおじ様」
リドルの家に招かれたリリは、リビングのソファに身を沈めています。
「大切なリリの為ならいくらでも時間を空けるよ」
「うふふ、無理はしないでね?」
ひとしきり挨拶程度の会話を和やかに済ますと、リリは背筋をピンと伸ばしてリドルを見ました。
「リドルおじ様、三巳のお話を受け入れてくれてありがとう」
「なんの、私達にとっても嬉しい話だからね」
「ええ、お陰で私もリファラに里帰りし易くなって嬉しいわ」
リリの「里帰り」という言葉に、リドルは柔和な目を細めました。
「矢張り行くのだね」
「ええ……。私達王家は、この国に大変な災厄を齎してしまった。でもこの国の人達は王家以外の多くの人達に助けられて立ち直る事が出来た。
この国にはもう王家の庇護は必要無いのよ」
「……民達は王家に守って貰おうとは元々思っていなかったよ。
王家が齎してきたのはいつだって癒しだった。そしてこれからも君の存在は我々に癒しと希望を与えてくれる」
「ええ……。皆が良くしてくれているのは私も感じているわ。私も、三巳に、山の民に……」
リリはそこまで言ってから目を瞑り、胸の中に映し出された存在を優しく抱く様に両手で押さえました。
「……ロダに出会えなければ此処から離れるなんて思わなかった……」
リリの心はもう既に、ロダと共にあったのです。
それでも国が落ち着かなければロダの事は諦める積りでした。ロダは山に必要な存在だと思っているからです。
でもこの国はリリが戻る前から復興を始めていて、そして自分達の力で立て直せました。
リリはもうずっと、この国で自分が出来る事は他の誰でも出来る事だと理解していたのです。
「ずっといなくなる訳じゃないわ。お墓参りには毎年帰るし、山の民にもこの国をいっぱい紹介したいもの」
少し寂しい気持ちも有るけれど、心が軽くなった様なスッキリとした笑みで窓から街並みを見ました。
リドルも同じく外の景色を見ました。
窓から見えるリファラは、災厄なんて無かったかの様に明るく生き生きとしています。
通りを走る子供達は皆笑顔で、それを見守る大人達も皆穏やかに笑っています。
リドルは目を瞑り頷くと、とても嬉しいと書いてある笑みで、リリの未来を夢見て輝く瞳を見つめます。
「そうだね。私も大切なリリがお世話になった山の民にお礼が言いたいねぇ」
リドルが言うと、リリは花が咲いた満面の笑顔で振り返りました。
「ありがとうリドルおじ様!皆とっても良い人達なのよ!」
幼かった少女のリリはもう直ぐ成人を迎えます。リリの笑顔は大人の女性のものですが、それでも昔のリリを思い起こさせてくれるものでした。
リドルはその時の流れを感じ、
(この姿を両陛下にお見せしたかったな)
と内心でしんみりするのでした。
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