226 / 372
本編
チミッ子メイド道
しおりを挟む
ハンナは侍女としての自分に誇りを持っています。
そんなハンナにとって侍女の制服は一番やる気に満ち溢れる戦闘服です。気持ちがピシッとするのです。
「ハンナおねえちゃんカッコいい~」
いつも背筋を正して歩くハンナの制服姿に憧れる子がいました。
その子がいるのは四阿です。前から有ったものではなく、新たに作られた四阿です。
その四阿には大きな黒板が有りました。
そうです。ハンナが希望し、ロウ村長が叶えてくれた青空教室です。変わりやすい山の天気と黒板の耐久年数向上の為に専用の四阿をも作ってくれたのです。
校舎は建てる程子供達が集まるとは限らないので保留中です。
「ではリンゴが一個ありました。もう一個リンゴを買ったらいくつになるでしょう」
ハンナが黒板にリンゴの絵を一つ描き、そしてお店とリンゴを描き足します。
集まったチミっ子はうーんうーんと唸っています。もう少し大きい少年少女達は流石にわかりましたが黙っています。チミっ子に答える場を設けているのです。
「あっ!」
ハンナをカッコいいと言ったチミっ子が閃きました。
「はい!ハンナせんせー!」
元気良く手を上げてアピールです。
ハンナは直ぐに気付いてニコッとします。
「はいミンミさん」
名前を当てて貰ったチミっ子ことミンミはパァッと顔を輝かせて立ち上がりました。
「にこです!」
元気良く答えてマルかバツかの答えをワクワクして待ちます。
勿論合っていますし、少年少女達もうんうん頷いています。
けれども答えがわからなかったチミっ子達は本当に合っているのか不安顔です。
「はい正解です」
ハンナは頷き黒板に花丸を描きました。
これにミンミは顔を赤くして「きゃー♪」と喜びの声を上げます。
「はなまる!はなまるもらったー!」
花丸が嬉しかった様です。
見ていたチミっ子達は羨ましそうにミンミと花丸を見ました。
「それじゃあ次の問題です」
すかさずハンナが黒板に絵を描き足すと羨ましそうに見ていたチミっ子達は真剣に黒板と向き合います。今度は自分が花丸貰うんだと息巻いています。
ミンミもまた花丸貰おうと黒板を見ました。
こうしてチミっ子向けの問題を徐々に難しくしていき、最終的には少年少女達向けの問題へとシフトしていく方式で授業は進められていました。
授業が終われば解散です。思い思いに友達と語り合いながら授業の内容を反芻する子もいれば、この後何処に遊びに行くかと話す子まで様々です。
そんな中で一目散にハンナの元へ駆け寄る子がいました。ミンミです。
ミンミはキラキラのお目々でハンナを見上げ、メイド服の裾をきゅむっと握りました。
「ハンナせんせー」
「あらミンミ。どうしましたか?」
「あのねーんとねーミンミねー」
頭を撫でられ問われると、ミンミは恥ずかしそうにモジモジします。俯いたり、チラリと視線を上げたりしています。
ハンナはミンミが言うまで笑みを浮かべて待ってくれています。
ミンミは自分のペースで心を落ち着かせて勇気を出すと、勢いよくハンナを見上げました。
「ミンミもハンナせんせーみたいなめいどさんになりたい!」
ミンミは大きな声でハッキリと気持ちを伝える事が出来ました。言い切ったあとは興奮で頬が紅潮しています。
ハンナはビックリして両目を見開きます。そして嬉しそうに破顔するとミンミの視線に合わせて腰を落としました。
「ありがとうミンミ。わたくしもこの仕事に誇りを持っているのでその様に夢を語って貰えてとても嬉しいです」
正確には侍女なのですが、侍女になるにはメイドから始めます。勿論ハンナもメイドを経験してきました。
「メイドの道は厳しいですよ。それでも頑張れるなら、先ずは見習いとして教えましょう」
「ほんと!?ミンミがんばれるよ!」
「まあ!とても頼もしいですね。花丸です」
「あー!はなまるー!ミンミ!ミンミがんばる!」
こうしてハンナに小さな頼もしい部下が出来たのでした。
後にミンミが村の初代侍女頭に就任するのはまだ遠い未来のお話です。
そんなハンナにとって侍女の制服は一番やる気に満ち溢れる戦闘服です。気持ちがピシッとするのです。
「ハンナおねえちゃんカッコいい~」
いつも背筋を正して歩くハンナの制服姿に憧れる子がいました。
その子がいるのは四阿です。前から有ったものではなく、新たに作られた四阿です。
その四阿には大きな黒板が有りました。
そうです。ハンナが希望し、ロウ村長が叶えてくれた青空教室です。変わりやすい山の天気と黒板の耐久年数向上の為に専用の四阿をも作ってくれたのです。
校舎は建てる程子供達が集まるとは限らないので保留中です。
「ではリンゴが一個ありました。もう一個リンゴを買ったらいくつになるでしょう」
ハンナが黒板にリンゴの絵を一つ描き、そしてお店とリンゴを描き足します。
集まったチミっ子はうーんうーんと唸っています。もう少し大きい少年少女達は流石にわかりましたが黙っています。チミっ子に答える場を設けているのです。
「あっ!」
ハンナをカッコいいと言ったチミっ子が閃きました。
「はい!ハンナせんせー!」
元気良く手を上げてアピールです。
ハンナは直ぐに気付いてニコッとします。
「はいミンミさん」
名前を当てて貰ったチミっ子ことミンミはパァッと顔を輝かせて立ち上がりました。
「にこです!」
元気良く答えてマルかバツかの答えをワクワクして待ちます。
勿論合っていますし、少年少女達もうんうん頷いています。
けれども答えがわからなかったチミっ子達は本当に合っているのか不安顔です。
「はい正解です」
ハンナは頷き黒板に花丸を描きました。
これにミンミは顔を赤くして「きゃー♪」と喜びの声を上げます。
「はなまる!はなまるもらったー!」
花丸が嬉しかった様です。
見ていたチミっ子達は羨ましそうにミンミと花丸を見ました。
「それじゃあ次の問題です」
すかさずハンナが黒板に絵を描き足すと羨ましそうに見ていたチミっ子達は真剣に黒板と向き合います。今度は自分が花丸貰うんだと息巻いています。
ミンミもまた花丸貰おうと黒板を見ました。
こうしてチミっ子向けの問題を徐々に難しくしていき、最終的には少年少女達向けの問題へとシフトしていく方式で授業は進められていました。
授業が終われば解散です。思い思いに友達と語り合いながら授業の内容を反芻する子もいれば、この後何処に遊びに行くかと話す子まで様々です。
そんな中で一目散にハンナの元へ駆け寄る子がいました。ミンミです。
ミンミはキラキラのお目々でハンナを見上げ、メイド服の裾をきゅむっと握りました。
「ハンナせんせー」
「あらミンミ。どうしましたか?」
「あのねーんとねーミンミねー」
頭を撫でられ問われると、ミンミは恥ずかしそうにモジモジします。俯いたり、チラリと視線を上げたりしています。
ハンナはミンミが言うまで笑みを浮かべて待ってくれています。
ミンミは自分のペースで心を落ち着かせて勇気を出すと、勢いよくハンナを見上げました。
「ミンミもハンナせんせーみたいなめいどさんになりたい!」
ミンミは大きな声でハッキリと気持ちを伝える事が出来ました。言い切ったあとは興奮で頬が紅潮しています。
ハンナはビックリして両目を見開きます。そして嬉しそうに破顔するとミンミの視線に合わせて腰を落としました。
「ありがとうミンミ。わたくしもこの仕事に誇りを持っているのでその様に夢を語って貰えてとても嬉しいです」
正確には侍女なのですが、侍女になるにはメイドから始めます。勿論ハンナもメイドを経験してきました。
「メイドの道は厳しいですよ。それでも頑張れるなら、先ずは見習いとして教えましょう」
「ほんと!?ミンミがんばれるよ!」
「まあ!とても頼もしいですね。花丸です」
「あー!はなまるー!ミンミ!ミンミがんばる!」
こうしてハンナに小さな頼もしい部下が出来たのでした。
後にミンミが村の初代侍女頭に就任するのはまだ遠い未来のお話です。
11
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
黄金の魔族姫
風和ふわ
恋愛
「エレナ・フィンスターニス! お前との婚約を今ここで破棄する! そして今から僕の婚約者はこの現聖女のレイナ・リュミエミルだ!」
「エレナ様、婚約者と神の寵愛をもらっちゃってごめんね? 譲ってくれて本当にありがとう!」
とある出来事をきっかけに聖女の恩恵を受けれなくなったエレナは「罪人の元聖女」として婚約者の王太子にも婚約破棄され、処刑された──はずだった!
──え!? どうして魔王が私を助けてくれるの!? しかも娘になれだって!?
これは、婚約破棄された元聖女が人外魔王(※実はとっても優しい)の娘になって、チートな治癒魔法を極めたり、地味で落ちこぼれと馬鹿にされていたはずの王太子(※実は超絶美形)と恋に落ちたりして、周りに愛されながら幸せになっていくお話です。
──え? 婚約破棄を取り消したい? もう一度やり直そう? もう想い人がいるので無理です!
※拙作「皆さん、紹介します。こちら私を溺愛するパパの“魔王”です!」のリメイク版。
※表紙は自作ではありません。
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
『まて』をやめました【完結】
かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。
朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。
時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの?
超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌!
恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。
貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。
だから、もう縋って来ないでね。
本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます
※小説になろうさんにも、別名で載せています
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる