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本編
年が明けたら
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クリスマスも見慣れない玩具達に子供達が喜び、お正月も大好きなレオと過ごす事が出来き。今の三巳はホクホクです。
それはもう
「いよいよ明日だねぇ」
「にゅはっ!?」
満月の日がいつかを忘れる程にです。
慌てて夜空を見上げれば、確かに大きくてほぼ真ん丸なお月様が顔を出しています。
雲も少なく、風も穏やかなので明日は天気に恵まれるだろうと予想されます。
「お、ぉぉぉき、緊張して来たんだよ」
「うん?今までも結婚式は緊張してたのかい?」
挙動不審になる三巳に、クロがキョトンとして訪ねます。
三巳はそれにフルフル首を振って否を伝え、バイブレーションが如く震える体のままクロの懐に飛び込みました。
「リリは、色々あって、頑張って克服してて、村が出来て初めての移住者で、兎に角色々あって、やっと穏やかに幸せな家庭を築けるんだなーって思うと、何か、もう。わー!ってなるんだよ」
言いたい事が纏まらない中で、三巳は何とか伝えます。
クロはそんな震える体をお腹に感じて、優しく、優しく撫でて落ち着かせてくれます。
「そうかい。それは沢山頑張ったんだねぇ。
それじゃあ明日はとびっきりお祝いしてあげようね」
お祝いという言葉にピクリと反応した三巳は、ガバリと顔を上げると天啓を得た様な顔をしました。そして直ぐにパァッと顔を輝かせます。
「うぬ!」
という訳で寝不足でお祝いに参加など以ての外だと、早々に就寝した次の日です。
この日は朝から村が賑やかでした。
「飾り付けが凄い」
家も、道も、広場も。至る所に山の民達が集まって華やかな飾り付けをしています。
冬なので生花はありませんが、この日の為に作っていたドライフラワーやフルーツに木の実など。それらが新緑の葉を模した細く長い布に取り付けられて飾られているのです。
三巳は近くの高い木の天辺に登って村の様子を見てみました。
「うにゅ。やっぱしだな」
飾り付けは村全体に行っている訳ではありません。
ロダの家とリリの家を結ぶ通りに沿って飾られているのです。
真っ白に積もる雪も、一本道を描く様に何時もよりずっと綺麗に平されています。その過程で出来た雪壁にも蝋燭が取り付けられたりと飾り付けがされています。
そしてその工程の何処にもロダとリリの姿はありません。
行っているのはロダとリリの家族や親戚達です。
三巳はお手伝いしたくてウズウズしましたが、リリがガッカリすると思ってお座り待機を頑張ります。
「見てると手伝いたくなるんだよ」
イベント事は殆どお手伝いしている三巳です。試合は応援するより選手として参加したい質です。ウズウズが体を揺らして危く木の上から転げ落ちそうになりました。
「っぶなっかっ……!」
寸での所で枝を掴んで難を逃れました。
とはいえこのままここに居ても同じ事を繰り返すだけでしょう。
三巳はそっと飾り付けの通りから遠ざかり、ミナミ達に合流する事にしました。
ミナミ達を見つけると直ぐにその背にバフリと抱き付きます。
「わっ、三巳。ビックリしたわ」
ちっともビックリして無さそうな雰囲気で言うのはミナミです。気配で後ろから来ていた事はお見通しです。
「にゅぅ~っ。もー直ぐなんだよ」
ミナミの背中に顔をグリグリ押し付ける三巳に、ミナミはクスクス笑って後ろ手に背中を撫でてあげます。
「そうね。私達の中で一番早いわ。ロダ良くやった!」
「うぬ。最初はヘタレてたけど、いっぱい頑張ったからな。リリには逆にそれが良かったのかな」
「さあねぇ。でもまあ、ロダは良い男になったわ」
「リリを選んだのが一番の手柄ね」
ミナミ達もリリが大好きなので、リリを幸せにするロダへの株は鰻登りです。
「お昼から始まるのよね」
リファラ式を知らないミナミが教えて貰った段取りを思い描きます。
「うぬ。リファラは家同士を繋げるって意味でも式が行われるから、結構大掛かりなんだよ。リファラだと雪深く無いし、冬でも草花はあるから花の香りの通り道が出来る」
「良いわねぇ。私もリファラ式にしようかしら」
「うにゅっ!それは楽しみなんだよっ」
「ま。その前にロイドに振り向いて貰えないとダメなんだけどね」
「頑張れ!」
「勿論!諦めないわ!」
胸の前でガッツポーズを決めて気合十分のミナミです。皆もきゃいきゃい騒いで応援しています。
三巳も新しい恋を花咲かせたくておばちゃん心がニョッキリ出かけてウズウズしています。しかし応援に笑顔で応えていたミナミがふと気が付き、
「そういえばリリってお姫様なのよね」
と言い出したのでおばちゃん心は引っ込みました。
「そーだな。ヴィーナに移住はしたけど、王族の席は残すってリドルおいちゃん言ってたし。リリはもー違うって思ってるみたいだけど」
「あら。なら本物のお姫様として盛大にしなくて良かったのかしら」
「それなら春にリファラでもお披露目を兼ねてやるさ。ロダがその辺ほっとく訳無いしな」
「それはそうね。でもお姫様の結婚かぁ。見てみたいなぁ」
「王族流でやるかは知らないけど、行くなら皆で行けば良いんだよ」
三巳はまだ無理かなーと思いつつも提案しました。
しかしミナミ達は顔を輝かせて三巳を見ます。
「「「賛成!」」」
異口同音に肯定されて三巳は「およ?」とたじろぎます。
「結界の外だぞ?平気なのか?」
三巳の方がオロオロして両手を意味なくワキワキ動かしてしまいます。
そんな様子にミナミの方が目をパチクリさせます。そしてそういえば去年の春はまだ怖がっていたなと思い至りました。
「三巳がいない間に男女でペアになってウィンブルドンに行って来たのよ。最初が怖がってたのが馬鹿らしくなる位楽しかったわ」
どうやら女子会での提案は有言実行されていたようです。
とはいえ女子会の事も知らない三巳は、青天の霹靂と背中にピシャーン!と雷を落としました。
「三巳も参加したかったんだよ!」
勿論その頃クロの実家でへそ天寝していた三巳には出来ません。悔しいけれど里帰りも大事なので、「ぐぬぬ」と唸りながらも「仕方ないんだけどっ」と自分で自分を納得させます。
「んにゅぅぅーっ。後でどんなだったかお話してなっ」
「んふふ!勿論!それに今度は三巳も行きましょうね!」
次のお出掛けも決めた所で三巳達はこの後の結婚式に出る準備を始めるのでした。
それはもう
「いよいよ明日だねぇ」
「にゅはっ!?」
満月の日がいつかを忘れる程にです。
慌てて夜空を見上げれば、確かに大きくてほぼ真ん丸なお月様が顔を出しています。
雲も少なく、風も穏やかなので明日は天気に恵まれるだろうと予想されます。
「お、ぉぉぉき、緊張して来たんだよ」
「うん?今までも結婚式は緊張してたのかい?」
挙動不審になる三巳に、クロがキョトンとして訪ねます。
三巳はそれにフルフル首を振って否を伝え、バイブレーションが如く震える体のままクロの懐に飛び込みました。
「リリは、色々あって、頑張って克服してて、村が出来て初めての移住者で、兎に角色々あって、やっと穏やかに幸せな家庭を築けるんだなーって思うと、何か、もう。わー!ってなるんだよ」
言いたい事が纏まらない中で、三巳は何とか伝えます。
クロはそんな震える体をお腹に感じて、優しく、優しく撫でて落ち着かせてくれます。
「そうかい。それは沢山頑張ったんだねぇ。
それじゃあ明日はとびっきりお祝いしてあげようね」
お祝いという言葉にピクリと反応した三巳は、ガバリと顔を上げると天啓を得た様な顔をしました。そして直ぐにパァッと顔を輝かせます。
「うぬ!」
という訳で寝不足でお祝いに参加など以ての外だと、早々に就寝した次の日です。
この日は朝から村が賑やかでした。
「飾り付けが凄い」
家も、道も、広場も。至る所に山の民達が集まって華やかな飾り付けをしています。
冬なので生花はありませんが、この日の為に作っていたドライフラワーやフルーツに木の実など。それらが新緑の葉を模した細く長い布に取り付けられて飾られているのです。
三巳は近くの高い木の天辺に登って村の様子を見てみました。
「うにゅ。やっぱしだな」
飾り付けは村全体に行っている訳ではありません。
ロダの家とリリの家を結ぶ通りに沿って飾られているのです。
真っ白に積もる雪も、一本道を描く様に何時もよりずっと綺麗に平されています。その過程で出来た雪壁にも蝋燭が取り付けられたりと飾り付けがされています。
そしてその工程の何処にもロダとリリの姿はありません。
行っているのはロダとリリの家族や親戚達です。
三巳はお手伝いしたくてウズウズしましたが、リリがガッカリすると思ってお座り待機を頑張ります。
「見てると手伝いたくなるんだよ」
イベント事は殆どお手伝いしている三巳です。試合は応援するより選手として参加したい質です。ウズウズが体を揺らして危く木の上から転げ落ちそうになりました。
「っぶなっかっ……!」
寸での所で枝を掴んで難を逃れました。
とはいえこのままここに居ても同じ事を繰り返すだけでしょう。
三巳はそっと飾り付けの通りから遠ざかり、ミナミ達に合流する事にしました。
ミナミ達を見つけると直ぐにその背にバフリと抱き付きます。
「わっ、三巳。ビックリしたわ」
ちっともビックリして無さそうな雰囲気で言うのはミナミです。気配で後ろから来ていた事はお見通しです。
「にゅぅ~っ。もー直ぐなんだよ」
ミナミの背中に顔をグリグリ押し付ける三巳に、ミナミはクスクス笑って後ろ手に背中を撫でてあげます。
「そうね。私達の中で一番早いわ。ロダ良くやった!」
「うぬ。最初はヘタレてたけど、いっぱい頑張ったからな。リリには逆にそれが良かったのかな」
「さあねぇ。でもまあ、ロダは良い男になったわ」
「リリを選んだのが一番の手柄ね」
ミナミ達もリリが大好きなので、リリを幸せにするロダへの株は鰻登りです。
「お昼から始まるのよね」
リファラ式を知らないミナミが教えて貰った段取りを思い描きます。
「うぬ。リファラは家同士を繋げるって意味でも式が行われるから、結構大掛かりなんだよ。リファラだと雪深く無いし、冬でも草花はあるから花の香りの通り道が出来る」
「良いわねぇ。私もリファラ式にしようかしら」
「うにゅっ!それは楽しみなんだよっ」
「ま。その前にロイドに振り向いて貰えないとダメなんだけどね」
「頑張れ!」
「勿論!諦めないわ!」
胸の前でガッツポーズを決めて気合十分のミナミです。皆もきゃいきゃい騒いで応援しています。
三巳も新しい恋を花咲かせたくておばちゃん心がニョッキリ出かけてウズウズしています。しかし応援に笑顔で応えていたミナミがふと気が付き、
「そういえばリリってお姫様なのよね」
と言い出したのでおばちゃん心は引っ込みました。
「そーだな。ヴィーナに移住はしたけど、王族の席は残すってリドルおいちゃん言ってたし。リリはもー違うって思ってるみたいだけど」
「あら。なら本物のお姫様として盛大にしなくて良かったのかしら」
「それなら春にリファラでもお披露目を兼ねてやるさ。ロダがその辺ほっとく訳無いしな」
「それはそうね。でもお姫様の結婚かぁ。見てみたいなぁ」
「王族流でやるかは知らないけど、行くなら皆で行けば良いんだよ」
三巳はまだ無理かなーと思いつつも提案しました。
しかしミナミ達は顔を輝かせて三巳を見ます。
「「「賛成!」」」
異口同音に肯定されて三巳は「およ?」とたじろぎます。
「結界の外だぞ?平気なのか?」
三巳の方がオロオロして両手を意味なくワキワキ動かしてしまいます。
そんな様子にミナミの方が目をパチクリさせます。そしてそういえば去年の春はまだ怖がっていたなと思い至りました。
「三巳がいない間に男女でペアになってウィンブルドンに行って来たのよ。最初が怖がってたのが馬鹿らしくなる位楽しかったわ」
どうやら女子会での提案は有言実行されていたようです。
とはいえ女子会の事も知らない三巳は、青天の霹靂と背中にピシャーン!と雷を落としました。
「三巳も参加したかったんだよ!」
勿論その頃クロの実家でへそ天寝していた三巳には出来ません。悔しいけれど里帰りも大事なので、「ぐぬぬ」と唸りながらも「仕方ないんだけどっ」と自分で自分を納得させます。
「んにゅぅぅーっ。後でどんなだったかお話してなっ」
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