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本編
真ん中はパレードとかで楽しいテーマパークなんだよ?
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三巳達はダンジョンの真ん中の道を歩いています。
今回は残ったチームの捜索がメインなので隠し通路も念入りに調べています。
「うーにゅ。メルヘン」
「来た時とは全く様相が違うなぁ」
テクテク歩く道は、2色に色違いの真っ平で四角い石畳が隙間なく敷き詰められています。三巳が歩けばペタペタ、ロダが歩けばトコトコ音がします。
そして壁は動物をモチーフにした彫像が並び、天井は光苔がビッシリと生い茂っていました。言われなければ此処がダンジョンだとは誰も思わないことでしょう。
「ガーゴイルじゃないよね」
「がーごいる?」
ロダの警戒した呟きに、三巳はキョトンとします。神族としての本能がそれが何か知っている気がしますが、三巳本人にはそれがわかりません。
「動く彫像、かな。攻撃性が高くて、知能も無く、その場所を守る為だけに存在してるってロウ村長が言ってたけど」
勿論山にはガーゴイルはいません。ダンジョンどころか遺跡すら今まで無かったのです。
ロダの知識は口伝で伝えられたものや、ロウ村長の冒険譚、それに最近はリファラやウィンブルドンから教わったものだけです。ガーゴイルの学術的知識はあっても経験は皆無なのです。
「最難関じゃないし、可愛いし、三巳の怖いのレーダーにも引っかからないし、多分大丈夫なんだよ。もし動いてもきっと楽しいやつ」
三巳の言った通り、ロダの心配を他所に特に危ない事も無く別れ道に来ました。
「左の道は登ってる」
「こっちは下っているよ」
其々別の道を観察して報告し合うと、一旦小休止をしながらどちらに行くか相談です。
「あれからこっちの道は変化をしてないし、順番に見て行かない?」
「にゅーむ。確かにこっちは変化しないなー。変化しちゃうと難易度上がっちゃうからかな」
「うん。かもしれないね」
という訳で一応まだ変化には警戒しつつも、迷路の法則に従って左手周りで全て見る事にしました。
左の道に進むと緩やかにカーブを描いて、徐々に壁も天井も丸みを帯びて床を除いて一つの円になりました。
「?地味になった?」
三巳がつまらなそうに口を尖らせた時です。
カチリ。
足元で何かを踏んだ感触と音がしました。
三巳は直ぐに耳をピンと立てて身構えます。そして先ずは壁だとばかりに左右に素早く視線を移し、何も無いと判断するや耳を側立てます。
……ゴ……ロ……ゴロ……。
すると遠くから微かに音が聞こえました。
その音に喜色満面の笑みになった三巳は、全身の毛という毛を歓喜に膨らみ震わせ両足に力を込めます。
果たして音は徐々に大きくなり、また地面も振動を感じる様になって来ました。
その様子をロダは魔法の準備だけ済ませて見守ります。三巳には何も起きないとわかっていますが、だからと言って何もせずにはいられないのです。
ゴロゴロゴロッ。
ほんの少しの時間で音は間近に聞こえました。そして一際大きく振動を感じた次の瞬間、
ゴロロロロロロ!
カーブで見えなかった死角から、大きな大きな丸岩が大きな音を立てて転がって来ました。
「たま――――♪」
待ち望んだ大好きな玉に、けれども先の失敗を活かしてその場に足を縫い付けます。
ドビタ―――ン!!
玉は両手を大きく広げた三巳に大激突しました。
大きな衝突音にロダは思わず魔法を放ちそうになって、寸でで止まります。ちょっぴしビクッとしたのはリリには内緒の所存です。格好悪い所は見せたく無いですものね。
「……大丈夫?」
丸岩に張り付いて、共々に微動だにしなくなった三巳にロダがそっと声を掛けます。
三巳はその声に耳をピピクッと動かして、
「にゅふ♪にゅほほほほ♪」
とっても愉快な笑い声を上げます。
めり込んだ丸岩から顔を放して丸岩を見上げると、ニマーッと口端が大きく弧を描きました。
「丸岩捕まーえた!」
「うん。良かったね」
「うにゅ!にゅふふー♪持って帰って父ちゃんに見ーせよっと」
言うが早いか三巳はサッと尻尾を前に出して大きな大きな丸岩を収納しちゃいました。
「今は良いの?」
「うぬ。今は皆を探すののが大事だからな。三巳ちゃんと我慢できるんだよ」
「はははっ、そっか。なら早く見つけて早く帰ろう」
「うにゅ!」
嬉しそうにブンブカ尻尾を振りまくる三巳に、何だかダンジョンも満足そうにしているのでした。
今回は残ったチームの捜索がメインなので隠し通路も念入りに調べています。
「うーにゅ。メルヘン」
「来た時とは全く様相が違うなぁ」
テクテク歩く道は、2色に色違いの真っ平で四角い石畳が隙間なく敷き詰められています。三巳が歩けばペタペタ、ロダが歩けばトコトコ音がします。
そして壁は動物をモチーフにした彫像が並び、天井は光苔がビッシリと生い茂っていました。言われなければ此処がダンジョンだとは誰も思わないことでしょう。
「ガーゴイルじゃないよね」
「がーごいる?」
ロダの警戒した呟きに、三巳はキョトンとします。神族としての本能がそれが何か知っている気がしますが、三巳本人にはそれがわかりません。
「動く彫像、かな。攻撃性が高くて、知能も無く、その場所を守る為だけに存在してるってロウ村長が言ってたけど」
勿論山にはガーゴイルはいません。ダンジョンどころか遺跡すら今まで無かったのです。
ロダの知識は口伝で伝えられたものや、ロウ村長の冒険譚、それに最近はリファラやウィンブルドンから教わったものだけです。ガーゴイルの学術的知識はあっても経験は皆無なのです。
「最難関じゃないし、可愛いし、三巳の怖いのレーダーにも引っかからないし、多分大丈夫なんだよ。もし動いてもきっと楽しいやつ」
三巳の言った通り、ロダの心配を他所に特に危ない事も無く別れ道に来ました。
「左の道は登ってる」
「こっちは下っているよ」
其々別の道を観察して報告し合うと、一旦小休止をしながらどちらに行くか相談です。
「あれからこっちの道は変化をしてないし、順番に見て行かない?」
「にゅーむ。確かにこっちは変化しないなー。変化しちゃうと難易度上がっちゃうからかな」
「うん。かもしれないね」
という訳で一応まだ変化には警戒しつつも、迷路の法則に従って左手周りで全て見る事にしました。
左の道に進むと緩やかにカーブを描いて、徐々に壁も天井も丸みを帯びて床を除いて一つの円になりました。
「?地味になった?」
三巳がつまらなそうに口を尖らせた時です。
カチリ。
足元で何かを踏んだ感触と音がしました。
三巳は直ぐに耳をピンと立てて身構えます。そして先ずは壁だとばかりに左右に素早く視線を移し、何も無いと判断するや耳を側立てます。
……ゴ……ロ……ゴロ……。
すると遠くから微かに音が聞こえました。
その音に喜色満面の笑みになった三巳は、全身の毛という毛を歓喜に膨らみ震わせ両足に力を込めます。
果たして音は徐々に大きくなり、また地面も振動を感じる様になって来ました。
その様子をロダは魔法の準備だけ済ませて見守ります。三巳には何も起きないとわかっていますが、だからと言って何もせずにはいられないのです。
ゴロゴロゴロッ。
ほんの少しの時間で音は間近に聞こえました。そして一際大きく振動を感じた次の瞬間、
ゴロロロロロロ!
カーブで見えなかった死角から、大きな大きな丸岩が大きな音を立てて転がって来ました。
「たま――――♪」
待ち望んだ大好きな玉に、けれども先の失敗を活かしてその場に足を縫い付けます。
ドビタ―――ン!!
玉は両手を大きく広げた三巳に大激突しました。
大きな衝突音にロダは思わず魔法を放ちそうになって、寸でで止まります。ちょっぴしビクッとしたのはリリには内緒の所存です。格好悪い所は見せたく無いですものね。
「……大丈夫?」
丸岩に張り付いて、共々に微動だにしなくなった三巳にロダがそっと声を掛けます。
三巳はその声に耳をピピクッと動かして、
「にゅふ♪にゅほほほほ♪」
とっても愉快な笑い声を上げます。
めり込んだ丸岩から顔を放して丸岩を見上げると、ニマーッと口端が大きく弧を描きました。
「丸岩捕まーえた!」
「うん。良かったね」
「うにゅ!にゅふふー♪持って帰って父ちゃんに見ーせよっと」
言うが早いか三巳はサッと尻尾を前に出して大きな大きな丸岩を収納しちゃいました。
「今は良いの?」
「うぬ。今は皆を探すののが大事だからな。三巳ちゃんと我慢できるんだよ」
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