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第7話
しおりを挟む私ー零斗の本当の名前はMO-18。
未菜様のご両親である大宮哲也様、大宮楓様によって作られた正真正銘のアンドロイドだ。
彼らは世界を代表する大発明家であり、ほとんどイギリスで生活していた。
しかし、国家機密の場所で働いているため、身内ー例えそれが幼い我が子であっても側で共に過ごすことは出来ない。
そこで、彼らは将来2人の間に出来る子供のために、超高性能執事型アンドロイド作成に着手した。
そうして出来た最初のアンドロイドが初代MO-1。未菜様が誕生なさるとすぐに使われたこのアンドロイドだが、すぐに決定的な弱点が見つかる。
ーどうしても人間らしく思えないー
仕事はオムツを替えることから食事、お風呂、掃除に至るまで完璧にこなすがやはり機械。
動作の滑らかさや言葉の抑揚なども念入りにプログラミングしたにもかかわらず、どこか言動面で違和感が拭い去れなかったのだ。
未菜様はまさか彼等がアンドロイドだとは思わなかったが、言いようのない違和感が余計に彼女を追い詰めた。
人間らしい愛情を感じることなく育った未菜様は、よく情緒不安定を起こすようになっていた。
それからご両親は何とか頼み込んで休みを作り、交代で日本とイギリスを往復しながらデータを集め、改良に改良を重ねて様々なアンドロイドを作っていく。
しかし、未菜様を完璧に守るものや未菜様を溺愛しているもの、送り込まれた様々なアンドロイド達をことごとく未菜様は受け入れなかった。
そんな中送り込まれた18番目のアンドロイドが私である。
…どこの改良が良かったのかは、つくった本人達もわからないらしい。
何やともあれ、何故かあの日、私は未菜様に人として受け入れてもらえ、晴れて執事として認められたのである。
そして私は「成功作」と呼ばれ、今日までずっと未菜様に仕え続けている。
・未菜様を1番に守ること
・未菜様を決して裏切らないこと
・未菜様の周りで起こったことを毎日全て報告すること
・アンドロイドだということを未菜様を含め全ての人に気づかれないこと
・自分のデータが周囲に漏れることは最優先で阻止すること。
これが私の軸となっている主要なプログラムである。
……しかし、私は時々不安になるのだ。
私の未菜様を大事に思う気持ちに変わりはない。
それは何があっても、例え未菜様が豹変して私を惨虐な方法で壊そうとしても変わりようがない。
だけど、私がアンドロイドだと知ったら。
大切な人がただのプログラムされた機械だったら。
私の存在自体、正体自体が1番彼女を傷つけると知っていながら、何食わぬ顔でそばにいる私は?
そもそも、私は何故アンドロイドのはずなのに、命令に背いているのか。
ーそして。自分の未菜様への愛情は、自分の意思なのか。
それとも全て
ープログラムナノカ
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