「強くてニューゲーム」で異世界無限レベリング ~美少女勇者(3,077歳)、王子様に溺愛されながらレベリングし続けて魔王討伐を目指します!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
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第3章 「私が魔王国内で大暴れする話」
119(2,999歳)「四天王が攻めてきた!!」
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「こちら、メール。ファイルも添付できますよ」
「ふぉぉぉおお!! 来ました! アリソン様からメールが届きましたよ!?」
『アリソン・コンサルティング』社のオフィスで、メールのデモンストレーション。
「とりあえずはこれが第1段階です。いちいちUSBメモリにデータを入れて、【瞬間移動】持ちに輸送させて、相手方でUSBメモリからデータを吸い出して、という工程は全カットできました」
「第1段階ということは……まだ次の手があるのですか!? さすがはアリソン様ですな!」
さすアリ!
「各ギルド支部から送られてくる収支報告書のフォーマットを統一します――というか最初から統一させてましたね。で、それらファイル群――これはデモ用のダミーファイルですが――をこのフォルダに格納し、マクロを仕込んだこのファイルのボタンをクリックすると!」
シュバババババっとフォルダ内のファイルが順次開いては閉じていき、ファイル内の収支データがコピペされて一覧化されていく。
ホントは画面の描画をオフった方が処理が速くなるんだけど、見た目重視であえてアニメーションさせている。
「な、ななななんという……!? 今まで手作業でコピペしていたというのに!」
「凄いでしょう? 良ければギルマスさんも覚えてみます? プログラミング」
「いやぁわたくしこれでも忙しい身ですが、こうも見事なものを見せて頂くと、覚えてみたくなりますな! 少なくとも手の空いた部下に覚えさせてみたい!」
「――どうぞ」
虚空からスッと取り出したるは、アフレガルド王国の製紙・製本屋アルフォートさんに頼んで刷っておいてもらったマクロ教本。書いたのは私。言語はもちろん魔王国語。
他にも、来るべきプログラミング時代に備えて、私&ディータ監修の各種プログラミング言語本を刷り始めている。
「おおっ、え? 頂けるのですか?」
「はい。いつもお世話になってるギルマスさんですもの、当然ですよ」
「かたじけない!」
オフィスの外では、
「アリソン・クエストIII ~そして伝説へ~ 本日発売です!!」
右隣の店舗、TVゲーム屋でクロエちゃんが声を張り上げている。
窓の外を見てみれば、本家本元を思わせるような大行列で王都の中央広場がごった返している。
いやぁ順調順調!
今日も経済・生活・娯楽面からの魔王国侵略は絶好調ですな!
なぁんて考えていると、
「あなたがアリソンね!?」
ばぁん! と入り口のドアが開かれて、美人なお姉さんがズカズカと入り込んできた。
「ば、ばばばバフォメット様!?」
商人ギルマスさんがソファから飛び上がって、その場で跪く。
バフォメット、バフォメット……あぁ、四天王最弱アデスさんの魔王国一般常識によると、四天王のひとりだ。
ってことはこの人が、間諜の女ことベルゼネ・ド・ラ・ベルゼビュートと一緒になってアフレガルド王国に隕石降らせまくってる元凶のひとりってことだな!?
無詠唱で【ふっかつのじゅもん・セーブ】ポイントを置きつつ、
「どちら様で?」
「なっ……あなた、魔王国にいて私のことを知らないの?」
「申し訳ございません、無学なもので……お姉さんくらいの美人さんなら、一度お会いしたら忘れようもないでしょうけど」
言うだけタダなので、とりあえずお世辞は言っておく。
「あらやだ……ってそうではなくて!」
なかなかノリのいいお姉さんのようだった。
「我が名はフォーメ・ド・ラ・バフォメット! 四天王の3番手よ!」
ふむ。
ってことはベルゼネ・ド・ラ・ベルゼビュートより魔力は低い、と。
――勝てるな。
「で、【流星】要員の最弱さんが、いったいぜんたい何の御用で?」
「なっ……あなた、誰に向かって口をきいていると――」
「だから、【流星】要員の最弱さんでしょう? 私的には、【流星】撃つしか能がないただの魔力タンクさんよりも、剣に優れたアスモデウスさんの方がユーモアがあって好印象なくらいですけど」
「き、貴様――」
「で、何の御用です? 見ての通り忙しいんですけど」
「あっ、そうだった!」
はっとなる四天王フォーメ・ド・ラ・バフォメット。
「フォーメ・ド・ラ・バフォメットの名において命じます! 今すぐ『ピコピコ』の販売を取り止めなさい!」
「はぁ……いったいどうして?」
「あなたが1週間ほど前から売り出している『ピコピコ』にハマってしまい、職場に出てこない者が出て来て社会現象になっているからよ!」
「いえ、そっちの理由ではなく」
「…………は?」
いぶかしげなフォーメ・ド・ラ・バフォメットに向けて、私は挑戦的な笑みを浮かべて見せる。
「いったいぜんたい、何の権能があって、あなたにそんなことを命じられなければならないのですか?」
「私は四天王よ!? 四天王の判断に従えないっていうの!?」
「【流星】撃つしか能がない、それも四天王3名の中で最弱の魔力持ちさんなんでしょう?」
「言わせておけば! 不敬罪で逮捕してあげましょうか!?」
「だから、あなたが偉ぶることのできる根拠は何ですかって聞いてるんですよ」
「あなたの魔力がどれほどのものか知らないけれど、四天王たる私に敵うわけがないでしょう!」
「本当に?」
「…………………………………………あ?」
とたん、とてつもない【威圧】が【闘気】の波とともに私に襲いかかる! 凄まじい突風と一緒に。
あらかじめ【物理防護結界】と【魔法防護結界】を張っていなければ、部屋の調度品が吹っ飛ばされるを通り越して粉微塵になっていたかもしれない。
そして店の外では、
「「「「「ぎゃぁぁぁあああああ!?」」」」」
並んでいた人たちがフォーメ・ド・ラ・バフォメットの殺気に当てられて恐慌状態となり、ほうほうの体で逃げ出している。
あと私の隣では、商人ギルマスさんが泡食って気絶してる。
私? 私ゃ余裕のよっち○んイカだよ。
フォーメ・ド・ラ・バフォメットに向かって微笑みかけながら、提案する。
「あはは、じゃあ……決闘、しましょっか」
***********************************************
追記回数:26,042回 通算年数:2,999年 レベル:5,100
次回、四天王との『魔法決闘』開始!
アリス「デュエルスタンバイ!」
「ふぉぉぉおお!! 来ました! アリソン様からメールが届きましたよ!?」
『アリソン・コンサルティング』社のオフィスで、メールのデモンストレーション。
「とりあえずはこれが第1段階です。いちいちUSBメモリにデータを入れて、【瞬間移動】持ちに輸送させて、相手方でUSBメモリからデータを吸い出して、という工程は全カットできました」
「第1段階ということは……まだ次の手があるのですか!? さすがはアリソン様ですな!」
さすアリ!
「各ギルド支部から送られてくる収支報告書のフォーマットを統一します――というか最初から統一させてましたね。で、それらファイル群――これはデモ用のダミーファイルですが――をこのフォルダに格納し、マクロを仕込んだこのファイルのボタンをクリックすると!」
シュバババババっとフォルダ内のファイルが順次開いては閉じていき、ファイル内の収支データがコピペされて一覧化されていく。
ホントは画面の描画をオフった方が処理が速くなるんだけど、見た目重視であえてアニメーションさせている。
「な、ななななんという……!? 今まで手作業でコピペしていたというのに!」
「凄いでしょう? 良ければギルマスさんも覚えてみます? プログラミング」
「いやぁわたくしこれでも忙しい身ですが、こうも見事なものを見せて頂くと、覚えてみたくなりますな! 少なくとも手の空いた部下に覚えさせてみたい!」
「――どうぞ」
虚空からスッと取り出したるは、アフレガルド王国の製紙・製本屋アルフォートさんに頼んで刷っておいてもらったマクロ教本。書いたのは私。言語はもちろん魔王国語。
他にも、来るべきプログラミング時代に備えて、私&ディータ監修の各種プログラミング言語本を刷り始めている。
「おおっ、え? 頂けるのですか?」
「はい。いつもお世話になってるギルマスさんですもの、当然ですよ」
「かたじけない!」
オフィスの外では、
「アリソン・クエストIII ~そして伝説へ~ 本日発売です!!」
右隣の店舗、TVゲーム屋でクロエちゃんが声を張り上げている。
窓の外を見てみれば、本家本元を思わせるような大行列で王都の中央広場がごった返している。
いやぁ順調順調!
今日も経済・生活・娯楽面からの魔王国侵略は絶好調ですな!
なぁんて考えていると、
「あなたがアリソンね!?」
ばぁん! と入り口のドアが開かれて、美人なお姉さんがズカズカと入り込んできた。
「ば、ばばばバフォメット様!?」
商人ギルマスさんがソファから飛び上がって、その場で跪く。
バフォメット、バフォメット……あぁ、四天王最弱アデスさんの魔王国一般常識によると、四天王のひとりだ。
ってことはこの人が、間諜の女ことベルゼネ・ド・ラ・ベルゼビュートと一緒になってアフレガルド王国に隕石降らせまくってる元凶のひとりってことだな!?
無詠唱で【ふっかつのじゅもん・セーブ】ポイントを置きつつ、
「どちら様で?」
「なっ……あなた、魔王国にいて私のことを知らないの?」
「申し訳ございません、無学なもので……お姉さんくらいの美人さんなら、一度お会いしたら忘れようもないでしょうけど」
言うだけタダなので、とりあえずお世辞は言っておく。
「あらやだ……ってそうではなくて!」
なかなかノリのいいお姉さんのようだった。
「我が名はフォーメ・ド・ラ・バフォメット! 四天王の3番手よ!」
ふむ。
ってことはベルゼネ・ド・ラ・ベルゼビュートより魔力は低い、と。
――勝てるな。
「で、【流星】要員の最弱さんが、いったいぜんたい何の御用で?」
「なっ……あなた、誰に向かって口をきいていると――」
「だから、【流星】要員の最弱さんでしょう? 私的には、【流星】撃つしか能がないただの魔力タンクさんよりも、剣に優れたアスモデウスさんの方がユーモアがあって好印象なくらいですけど」
「き、貴様――」
「で、何の御用です? 見ての通り忙しいんですけど」
「あっ、そうだった!」
はっとなる四天王フォーメ・ド・ラ・バフォメット。
「フォーメ・ド・ラ・バフォメットの名において命じます! 今すぐ『ピコピコ』の販売を取り止めなさい!」
「はぁ……いったいどうして?」
「あなたが1週間ほど前から売り出している『ピコピコ』にハマってしまい、職場に出てこない者が出て来て社会現象になっているからよ!」
「いえ、そっちの理由ではなく」
「…………は?」
いぶかしげなフォーメ・ド・ラ・バフォメットに向けて、私は挑戦的な笑みを浮かべて見せる。
「いったいぜんたい、何の権能があって、あなたにそんなことを命じられなければならないのですか?」
「私は四天王よ!? 四天王の判断に従えないっていうの!?」
「【流星】撃つしか能がない、それも四天王3名の中で最弱の魔力持ちさんなんでしょう?」
「言わせておけば! 不敬罪で逮捕してあげましょうか!?」
「だから、あなたが偉ぶることのできる根拠は何ですかって聞いてるんですよ」
「あなたの魔力がどれほどのものか知らないけれど、四天王たる私に敵うわけがないでしょう!」
「本当に?」
「…………………………………………あ?」
とたん、とてつもない【威圧】が【闘気】の波とともに私に襲いかかる! 凄まじい突風と一緒に。
あらかじめ【物理防護結界】と【魔法防護結界】を張っていなければ、部屋の調度品が吹っ飛ばされるを通り越して粉微塵になっていたかもしれない。
そして店の外では、
「「「「「ぎゃぁぁぁあああああ!?」」」」」
並んでいた人たちがフォーメ・ド・ラ・バフォメットの殺気に当てられて恐慌状態となり、ほうほうの体で逃げ出している。
あと私の隣では、商人ギルマスさんが泡食って気絶してる。
私? 私ゃ余裕のよっち○んイカだよ。
フォーメ・ド・ラ・バフォメットに向かって微笑みかけながら、提案する。
「あはは、じゃあ……決闘、しましょっか」
***********************************************
追記回数:26,042回 通算年数:2,999年 レベル:5,100
次回、四天王との『魔法決闘』開始!
アリス「デュエルスタンバイ!」
応援ありがとうございます!
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