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オズワルド王国の章
47 捕らわれた者たち
しおりを挟むオズワルド王国・オーサ辺境伯領。
ここでは、魔界でのサタン封印と同時に闇使いグレゴリーによる結界がとけ、マシュ・フルーム団長率いる千人の第2魔法騎士団員が攻め込んでいた。
しかし、戦いは魔法騎士団の劣勢、いや、敗北に終わった。
険しい岩山の上に建つグレゴリーの居城は、常に雷を落とす黒い雲を戴き、ダークな雰囲気を漂わせている。
今、この不気味な居城の地下にある牢獄に、魔法騎士団員たちは皆一人残らず捕えられていた。
牢獄の見張り番は、3つ頭を持つ魔犬ケルベロスである。
下手に脱獄しようものならケルベロスの餌食になることは、一目瞭然だった。
♦︎
団長マシュ・フルームは、他の団員とは別に、この城の地上階にいた。
重装備に手足を拘束をされ、敵の目の前に晒されている。
「……っ!!くそっ」
マシュは、この状況にひどく耐えがたい屈辱を感じていた。
「くっ、ふふふっ」
そんなマシュの痴態に笑いを漏らしたのは、
悪の権化たるサタンとの契約者グレゴリー・オーサー――では、なかった。
「どういうことだっ、貴様は何者だ!!」
そうマシュが吠える相手は、ロドリゴ・ダースという闇使いの男だ。
「あなたに名乗る必要あります?」
そう言って、よそよそしい敬語をつかう彼は、悪魔ベルゼブブと契約した闇使いだ。ベルゼブブから授かった怪物「ケルベロス」の使い手でもある。
ひょろりと細長い体。ハイエナのような灰色の髪の毛と黄色い瞳を持ち、気怠くマシュを見下ろしている。
「ギャンギャン、ギャンギャン。
あなたみたいに、うるさい犬は嫌いなんですよ。
どうせ無力なんですから、黙っててください」
と、不快感をあらわにしたロドリゴは面倒くさそうに耳をふさいだ。
♦︎
一方、サタンの力を失ったグレゴリーは今、死んだように意識を失っている。
厳重に拘束され、檻に入れられ、身動きが取れない状態でこの城の天上階に捕らえられているのだった。
そしてグレゴリーは、闇使いの少女シシィ・スカラーにより見張られている。
「はあ……早く帰りたいよ」
そうつぶやき、使い魔の白兎を撫でるシシィは、白く長い髪と赤い瞳を持つまだ13歳の美少女だ。
しかし彼女はその実、魂を悪魔アスモデウスに捧げている闇使いである。
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