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始まりの声
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邪険な空気。いや喰う気、かな。
ストレスが溜まる。
教室という空間が、やけに、むさ苦しくて、目に入る人々の動きが視界に入るのでさえも嫌気がさしてくる。
ある男が教壇の前に立った。
ー 1発ギャグしまーす…
よく居る馬鹿な男が目立とうと馬鹿をしている。無駄な事を。
だが、その男の罰ゲームらしい行動でこの教室が柔らかい雰囲気になるのも事実だ。
気色悪い。そう思うのは自分だけなのだろうか?
だが、羨ましいのも、事実、お前みたいになれたらどんなに良かっただろうか。
よくわからない、恋愛話の古文で、ある女は詠んだ、
なかなかに 恋に死なずは 桑子にぞ なるべかりける 玉の緒ばかり
恋に焦がれて死ぬくらいなら蚕のように短命でも夫婦仲良く過ごしたい、という解釈らしい。
馬鹿な事を。
俺はこんな事は思わない。決して。
明日死ぬとしたら真っ先に彼女を作って、あわよくば…だろう。
あの男とは違って、クラスの中で男友達さえも怪しい俺には程遠い話だが。
鐘の音と共に始まり歓喜の声と共に終わる。
そんな1日にも飽き飽きした高2の冬。
俺が通っている高校は地元でも有名な"自称進学校"である。
大した進学率でも無い癖に、無駄に厳しい校則や、勉強への強制ばかり。
つい先日も集会が開かれ、前に立った教師が、
ー 高2の冬は高3の0学期。つまり、君達はもう受験生なんだから、勉強に対する姿勢を考え、気を引き締めて行動するように。
等と、受験だ受験だと事ある毎に追い立ててくる。
そんな高校でクラスに馴染めず、1年の時に仲が良かった奴とも、文理選択でクラスが離れ、放課後にシンシンと、1人で帰る。一応バスケ部に所属しているが、部活はサボる。
つまらない。楽しくない。辞めたい。
辞められない。
友達が居ないわけじゃない。
ただ、顔も言動も取り繕い、自分の形を"善"に変えて、にこやかに、明るい口調を捻り出し、無理にでも話に同調する程度の友達なら居る。
道化師か。
帰りのバスでスマホを開く。学校の校則ではスマホ持ち込み禁止、らしいが。この世の中で未だそんな事を言っていると思うと、害悪、と変わりないだろう。
SNSで時間を潰していると、さっきの1発ギャグ男の姿が載せられていた。
面白くは、ない。だがそのギャグの後にくるしらけた空気が、より笑みを誘う。結果、あの様になるのだ。
自分にはない、ある種の勇気が無ければこんな事は出来ないだろう。
羨望。自分には、ない。
突然、スマホのバイブ。
中学の頃の部活友達から、メッセージが来ていた。
それなりに、中学時代の思い出を共有してきた友達では、ある。
と言っても、お互い別々の高校に行ってからは、集まる機会も無く、街でたまにお互いを見かける事がある程度だが。
ー 「T!久しぶりやね!いきなりけどさ、夜練行かん?バスケしてえ笑」
夜練、とは中学の頃、外部コーチの力でやれていた、夜に体育館を借りて練習する事で、その時には卒業生や、高校生が来て、実戦形式の練習がメイン、つまり5対5のゲームだ。
ー 「おー、R、まじ久しぶりやん笑
いいね、行くか!」
ー 「お前部活は?笑」
ー「聞くな笑」
ー 「おう笑
とりま中学のメンツ皆に声掛けてくるわ!」
結局、自分を含めて、4人集まる事になったらしい。
夜練は19時30分から。集合は19時20分。
現在17時50分。
一先ず、準備する為、バスを降り、足早に帰路についた。
ストレスが溜まる。
教室という空間が、やけに、むさ苦しくて、目に入る人々の動きが視界に入るのでさえも嫌気がさしてくる。
ある男が教壇の前に立った。
ー 1発ギャグしまーす…
よく居る馬鹿な男が目立とうと馬鹿をしている。無駄な事を。
だが、その男の罰ゲームらしい行動でこの教室が柔らかい雰囲気になるのも事実だ。
気色悪い。そう思うのは自分だけなのだろうか?
だが、羨ましいのも、事実、お前みたいになれたらどんなに良かっただろうか。
よくわからない、恋愛話の古文で、ある女は詠んだ、
なかなかに 恋に死なずは 桑子にぞ なるべかりける 玉の緒ばかり
恋に焦がれて死ぬくらいなら蚕のように短命でも夫婦仲良く過ごしたい、という解釈らしい。
馬鹿な事を。
俺はこんな事は思わない。決して。
明日死ぬとしたら真っ先に彼女を作って、あわよくば…だろう。
あの男とは違って、クラスの中で男友達さえも怪しい俺には程遠い話だが。
鐘の音と共に始まり歓喜の声と共に終わる。
そんな1日にも飽き飽きした高2の冬。
俺が通っている高校は地元でも有名な"自称進学校"である。
大した進学率でも無い癖に、無駄に厳しい校則や、勉強への強制ばかり。
つい先日も集会が開かれ、前に立った教師が、
ー 高2の冬は高3の0学期。つまり、君達はもう受験生なんだから、勉強に対する姿勢を考え、気を引き締めて行動するように。
等と、受験だ受験だと事ある毎に追い立ててくる。
そんな高校でクラスに馴染めず、1年の時に仲が良かった奴とも、文理選択でクラスが離れ、放課後にシンシンと、1人で帰る。一応バスケ部に所属しているが、部活はサボる。
つまらない。楽しくない。辞めたい。
辞められない。
友達が居ないわけじゃない。
ただ、顔も言動も取り繕い、自分の形を"善"に変えて、にこやかに、明るい口調を捻り出し、無理にでも話に同調する程度の友達なら居る。
道化師か。
帰りのバスでスマホを開く。学校の校則ではスマホ持ち込み禁止、らしいが。この世の中で未だそんな事を言っていると思うと、害悪、と変わりないだろう。
SNSで時間を潰していると、さっきの1発ギャグ男の姿が載せられていた。
面白くは、ない。だがそのギャグの後にくるしらけた空気が、より笑みを誘う。結果、あの様になるのだ。
自分にはない、ある種の勇気が無ければこんな事は出来ないだろう。
羨望。自分には、ない。
突然、スマホのバイブ。
中学の頃の部活友達から、メッセージが来ていた。
それなりに、中学時代の思い出を共有してきた友達では、ある。
と言っても、お互い別々の高校に行ってからは、集まる機会も無く、街でたまにお互いを見かける事がある程度だが。
ー 「T!久しぶりやね!いきなりけどさ、夜練行かん?バスケしてえ笑」
夜練、とは中学の頃、外部コーチの力でやれていた、夜に体育館を借りて練習する事で、その時には卒業生や、高校生が来て、実戦形式の練習がメイン、つまり5対5のゲームだ。
ー 「おー、R、まじ久しぶりやん笑
いいね、行くか!」
ー 「お前部活は?笑」
ー「聞くな笑」
ー 「おう笑
とりま中学のメンツ皆に声掛けてくるわ!」
結局、自分を含めて、4人集まる事になったらしい。
夜練は19時30分から。集合は19時20分。
現在17時50分。
一先ず、準備する為、バスを降り、足早に帰路についた。
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