あなたの隣で愛を囁く

ハゼミ

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人工呼吸器外れる

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 カズくんが人工呼吸器を装着してからも、私は毎日病院へ通いました。
 カズくんは、点滴やモニター、人工呼吸器の管と、管にたくさん繋がれて。
 中々触れられる所はありませんでしたが、なんとか手を触ったりして。
 それから声は寝ていても聞こえるとのことだったので、話しかけたりもしました。
 しかし、カズくんの反応は相変わらずありませんでした。

 外科の主治医の先生も時々会うと、
「今はできることをしています。」
と、説明をされたり、
「奥さん、大丈夫ですか?」
と、看護師さんから声をかけてもらったり。
 私は、その都度頷くことしかできませんでした。
 
 そして、1週間が過ぎた頃。
 私が病院に来ると、なんとカズくんの目が僅かではありますが開いていました。
私はすぐに駆け寄り、声をかけました。
「カズくん、分かる?ミエだよ!」
 カズくんは、ゆっくりと瞳を私の方に動かして、ジーッと見つめてきました。
「分かるんだね、よかった。今、人工呼吸器をつけていてね・・・」
 私は必死になってカズくんに話しかけます。
 しかしカズくんは、しばらく私を見つめていましたが、疲れたのか、スーッとまた眠りの中へと意識を沈めていってしまいました。
 丁度そこへ、看護師さんがやってきたので、話をすると、呼吸状態がよくなってきたので、眠くなる薬を医者が減らしたと言うのです。
 なるほど。
 そう思うと同時に、私は安心しました。
 少しずつ、カズくんは良い方に向かっている。

 『頑張れ、カズくん。』

 私は、カズくんの手を握りながらそう願いました。

 そして、そう願った事が現実となります。
 2019年12月25日。
 カズくんは人工呼吸器を外すこととなります。
 その日は丁度クリスマスの日でした。
 医師からも、
「胸の写真も良くなっているので、覚醒が良好だったら、ゼリーの食事も開始できると思います」
 とも言われました。
 カズくんは、数日で意識を取り戻し、まるで何事もなかったかの様に体を動かして、歩くところまで回復します。
 「なんだかよくわからないけど、よかった」
 と、カズくん本人は寝ていたこともあり、あまり苦しくはなかったみたいでした。
 何事もなく、元の状態に戻っている。もう安心。私はそう思いました。
 
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