【完結】身勝手な婚約破棄をされたのですから復讐する道理はあるでしょう

asami

文字の大きさ
18 / 21

第十八話

しおりを挟む
 「はいはいすぐ行きますよ」

私達は現在森の中を歩き回っていた。というのも例の化け物について色々と調べるためだ。ちなみにアイリ達にはここで待機してもらっておりもしもの場合はすぐに逃げられるようにしてある。

(それにしても本当にどこにいるんだろう?)

いくら探してみても一向に見つかる気配がなく途方に暮れていると不意に声をかけられた。

「お兄様?どうなされたんですか?」

「ちょっと考え事をね……」

「もしかしてあの女のこと考えてたんですか?」

「あの女?あぁ違うよ。ほら前に話した魔物の事だよ」

「なんだ、そうなのですか……」

「もう、ユナってばまた拗ねてるの?」

「だってぇ~」

「全く仕方ない妹だなお前は」

そう言いながら頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めておりその姿はとても愛くるしかった。思わず抱き締めたくなって手を伸ばしかけたその時……

『グォオオオッ!!』

突如大きな雄叫びのようなものが聞こえ慌ててそちらの方を見ると巨大な熊のような姿をしたものがいたのだ。

私は咄嵯に逃げようとしたが足が震え動けなくなってしまいその場に座り込んでしまった。すると二人は慌てもせずに平然としておりむしろ嬉しそうな表情をしていたのである。

「あ、やっと見つかったみたいですね!」

「うんそうだね!じゃあさっそく……」

アイリは手に持っていた杖をかざすと私達の周りを囲むように魔法陣が現れそこから無数の鎖が現れた。それはまるで生き物のように動き回りあっという間に拘束されてしまったのだった。

「よしこれで大丈夫かな。それでは早速始めようか!!」

彼女は元気よく宣言すると同時に私の方を向いた。しかしその瞳は明らかに獲物を狙う肉食獣の目をしており本能的に危険を感じ取り体がガタガタと激しく震えだす。「いやいやいや待ってください!!流石にこんな状態で戦うなんて無理ですって!!」

全力で抗議したが聞き入れてもらえずゆっくりと近づいてきたかと思うとその手が頬に触れてきたので驚いてビクッとするとクスっと小さく笑い声がしたので恥ずかしくなってしまった。

「ふふっ、ごめんなさい驚かせちゃいましたよね?」

「うぅ~~~~~~!!!(赤面)」

何も言えず俯いていると今度は反対の手が伸びてきて優しく包み込むような感じで触れられたのである。

「でもこうしないとお兄様に怪我させてしまうかもしれませんし……だから我慢してくださいね?」

「そっか……分かったよ。だけど絶対に危なくなったら止めに入るからね?」

「はいっ!ありがとうございます♪」

(まぁ今回は完全に油断していた私が悪かったわけだしここは大人しくしておくか……)

内心溜息を吐きながら諦めて力を抜くとそれに気付いたのか微笑んできたのである。そしてそのまま顔を近づけてくるのを見てまさかと思った瞬間、唇に柔らかいものが触れてきたのだった。

突然の出来事に呆気に取られていたがハッとなり急いで引き剥がそうとしたが何故か力が入らずそのまま受け入れてしまったのである。

(なっ……何これ!?全然体に力入らないんだけど!!)

困惑している間にもどんどん深くなっていき口内に舌を入れられてしまい蹂躙されていった。やがて満足するまで堪能したあとようやく解放されたのだが、その際糸を引きつつ銀に輝くものが見えてしまい羞恥で顔から火が出そうになった。

一方アイリちゃんの方はと言うとこちらも同様にキスしてきたのだがこちらは触れるだけの軽いものだったのでホッとしたのだが、しばらくして離した後見せつけるかのように自分の口に付いたものを舐める姿を見て再びドキッとしてしまいそんな自分に嫌気がさしたのである。

「んん?どうされたんですかお兄様?」

わざとらしく聞いてくる彼女に若干イラッとしたがあえて無視することにした。すると今度は反対側からユナが甘えるように腕に絡みついてきて上目遣いをしながら見つめてきたのである。

「ねぇお兄様……あたしもして欲しい……」

その言葉を聞いてさらに頭が痛くなったがなんとか堪えて苦笑しながら宥めたのであった。

その後もしばらく二人による激しい戦いが繰り広げられたが何とか勝つことができたようでほっとしていた。そしてとどめとして放った二人の合体技により相手は跡形もなく消し飛んでしまったのである。

「やったー!!ついに倒したよ!!」

「えへへ、やりましたね!!」

二人は喜び合っていたがその光景を見た私はただただ唖然とすることしか出来なかった。

(いやいやいやいや!!おかしいだろこれは!!!いくら何でも強すぎないか?)

そう思いながらも疑問を口にしようとした時急に強い眠気に襲われ意識を失いその場に倒れ込んだ。

「あれ?お兄様どうされ……」

「ちょっとしっかりして!!」

二人が心配そうに声をかけてきたが反応できず瞼が落ちていき視界が完全に真っ暗になったあとそこで記憶も途切れたのだった。

次に目が覚めて最初に目に入ってきたものは見知らぬ天井だった。一瞬何処にいるのだろうと戸惑ったがすぐに思い出した。

その後ゆっくり起き上がり周りを見渡すとやはり先程まで居たところとは違い綺麗に整えられていたのだった。

「やっぱり夢じゃなかったんだな……」

はぁっと深いため息をつくとお腹がぐぅ~となったことに驚き時計を見ると既に昼を過ぎており時間的にもちょうどいい頃合いだったのでとりあえず何か食べようと部屋を出てリビングに向かった。

ドアを開けるといい匂いが漂ってきておりキッチンの方を見るとそこにはエプロン姿の三人が料理を作っていた。

「あ、やっと起きたみたいだね!」

「おはようございます、旦那さま!」

「やっとって事はずっと寝てたんですか?」

「うん、そうだよ。あ、でも安心してくれて良いよ!別に変なこととかはしていないから!!」

「そうですか、なら良かったです!」

そう言って安堵のため息をついた私はテーブルにつくと早速出された食事を食べ始めた。どれもとても美味しかったのだが特に卵焼きが一番お気に入りだった。

「あの、ところでここに住んでる人っているんですか?」

「いえ、今は誰も住んでいないはずですよ。ここは昔アリさんのお父様が住んでいたところらしいのですけど病気で亡くなられた後、空き家になってしまっていたのをお母様が譲り受けたので私達が暮らしているんですよ」

「ちなみに私達の親ってどんな人達なんでしょうか……?全く知らないので教えて欲しいなと思って」

するとみんな一斉に黙り込んでしまい重苦しい空気が流れてきたのである。それを感じ取った私は慌てて謝った。

「す、すみません余計な事聞いちゃいましたよね?」

「いやいや違うんだよ!!むしろ逆なんだ!!あまりにも君が可愛すぎて僕達どう接すれば良いのか分からなくて悩んでいるだけなんだよ!!」

「はい……それに今まで男性とあまり関わってこなかったのでどのように振る舞えばよいのか分からないんです」

「そうなんですか……でもそんな風に思ってくれてるなんて嬉しいです!ありがとうございます♪」

そう言うと何故かみな頬を赤く染めながら俯いていたので不思議に思ったがまぁ気にしないことにした。

(ふむ、しかしこの子達は本当に可愛いよな。見た目はもちろんだが性格もいいし、将来間違いなく美人になるだろう)

などと考えているうちにいつの間にかたべ終わっていたようなので再びお礼を言い自室に戻るとベッドの上で横になり考え事をしていた。

(さっきの話を聞く限りだと多分この世界では一夫一妻制じゃないようだな。しかも全員俺のことを好いているという始末……)

そこまで考えた所で頭を抱えてしまったのである。

(うわっ……マジかこれ。ハーレムルートまっしぐらじゃないか。てことはいずれ誰か一人を選ばないといけないわけだよな?どうしよう、まだ全然実感湧かないんだけど……あっ、そういえば昨日キスされたんだった。やばいめっちゃ恥ずかしくなってきた!!よし、もう忘れよう!!今すぐ脳内から抹消するんだ!!あんなこと二度とあってたまるか!!とにかく今日は疲れているから何もせずに早く休まないと…………zZZ 翌朝起きると見慣れない天井が目に入り一瞬混乱したがすぐに自分が異世界に来たことを思い出して納得したのである。そして軽く伸びをしてそのまま体を起こし洗面所に向かうとその途中で廊下でばったりユナと遭遇したのであった。

「お兄様おはようございます!」

元気よく挨拶してきたのを見て微笑みつつ頭を撫でると嬉しくなったようで抱きついてきたのである。

「んん?お兄様なんか雰囲気変わりました?」

「え!?そ、そうかな?」

まさか気付かれるとは思ってもいなかった為動揺してしまったのだがなんとか誤魔化そうとした。しかしそこでさらに追い討ちをかけるようにアイリちゃんが現れこう言ってきたのである。

「確かに言われてみると少し違いますね?具体的には何か分かりませんけど……」

「き、きっと気のせいだと思うよ!!それよりもほら、急がないと学校に遅れてしまうんじゃないかい?」

二人共首を傾げていたがこれ以上追求されるとボロが出そうだったので話を切り上げてその場を離れようとした。するとその時後ろから声をかけられたのである。

「あー!!ずるい!!あたしも混ぜて!!」

その言葉と同時に勢い良く飛び付いてきたので何とか受け止めたがバランスを崩してしまいその場で尻餅をついて倒れこんでしまったのだった。

「ちょ、いきなり何をしているんだ君は!!」

「だってあたしもお兄様に甘えたかったんだもん!!」

「だからと言って普通こんな事はしないだろう!!」

「嫌だ!絶対に離れないぞ!!このままずっと一緒にいるんだ!!」

まさに駄々っ子のような状態だったのである。

結局それからしばらく説得を試みたが全く効果はなく困り果てていたのだがそこで救世主が現れたのである。

「あら、朝っぱらから騒々しいと思ったらやっぱりあなた達の仕業ね……」

「あ、ママおはよう!」

「おはようございます、お母さん!」

「おはようございます、お義母さん!」

「はい、おはよう。それで一体何があったの?」

「実はですね……」

そう言ってこれまでの経緯を話し始めたのだ。するとみるみると表情が変化していき最終的に笑顔になった。

「へぇ~、なるほどねぇ~……いい度胸をしているじゃない。うちの娘達に手を出そうなんて」

「あの、何か勘違いされてませんか?」

「いいえ、私は至って正常よ。そもそも最初に手を出したのはこの子でしょう?」

「はい、それは間違いありません」

「なら、それ相応の責任を取ってもらうのが筋というものよね?そういう訳でこれからは私達の家族として過ごしてもらうわよ」

「ちょっと待ってください!いくらなんでも話が飛躍しすぎじゃ!!」

しかしその反論にも耳を傾けることなく二人は私を引きずってリビングへと連れていったのである。そこでは既に他の三人が集まっており朝食を食べようとしていた。

「皆さん揃っていますね……それでは早速いただきましょう♪はい、お義兄さんはこれですよ!!」

そう言いながら箸を差し出してきたが当然のことながら戸惑ってしまった。

「いやいやいや!!流石にこれはおかしいだろう!!」

「どうしてですか?」

「だって明らかに自分の分があるじゃないか!わざわざ俺の分を用意しなくても良いと思うんだけど?」

「ダメです!それにお姉さんの分も用意してあるんですよ?」

「そうなのかい?」

「うん!それにお兄ちゃんと一緒に食べたいし……だめ……かな?」

上目遣いで見つめてくる姿を見てしまい思わず了承してしまうと隣にいたユナが頬を膨らませながら文句を言ってきた。

「むぅ……またそうやってお兄様を独り占めしようとするんですか?」

「別にそんなつもりはないよ。ただ単にお世話になっている身としてはなるべく要望に応えたいと思ってるだけだしね」

「でも私はそんな事望んでいないんです!!私はもっと純粋に仲良くなりたいと願っているだけですのに……」

だんだん泣きそうになる姿を見てしまい慌てて宥めた。

「分かった、ごめんな?お前の気持ちに気付かなくて。そうだな、俺も皆と本当の意味で親しくなれたら嬉しいと思っているんだよ。もちろん君とも……な?だから泣くんじゃないぞ?」

そう言うと涙を拭いながら微笑んできたのである。

「はい♪ありがとうございます♪大好きなお兄様!!」

「ああ、ありがとう……んんっ!?ちょ、なんで突然抱きついてきたんだ!?というかいつの間にこっちに来てたの!?さっきまで向こうに座っていたじゃないか!!」

「細かいことは気にしないで下さい。それより早く食べないと時間が無くなってしましますよ?」

「それもそうだが……まあいいか。よし、それじゃあ食べるとするかな!」

こうして賑やかな食事が始まったのであった。ちなみにユナだけは不満そうだったがアリちゃんがフォローしてくれたおかげでなんとかなったようである。そして学校に行く時間がやってきたので玄関先で全員を見送ることにしたのである。

「はい、これ弁当だよ。あとお金も渡しておくからこれで適当に買ってきてくれ。それとこの鍵はここの鍵だから失くさないように気をつけてね?」

「分かりました。ところで今日は一緒に行けないのでしょうか?」

「悪いけど今日は休みなんだ。昨日色々とあったからね……」

「なるほど……了解しました。では行ってきますね?」

「気を付けてね?いってらっしゃーい!」

そうして四人を見送った後自室に戻りベッドの上で横になっていた。

「ふぁ~あ、なんか疲れちゃったしもうひと眠りしようっと……」

そのまま目を閉じて再び夢の中へと誘われていったのだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~

スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」 王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。 伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。 婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。 それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。 ――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。 「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」 リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。 彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。 絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。 彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

天宮有
恋愛
「貴様のような醜い者とは婚約を破棄する!」  婚約者バハムスにそんなことを言われて、侯爵令嬢の私ルーミエは唖然としていた。  婚約が決まった際に、バハムスは「お前の見た目は弱々しい。なんとかしろ」と私に言っていた。  私は独自に作成した魔法により太ることで解決したのに、その後バハムスは婚約破棄を言い渡してくる。  もう太る魔法を使い続ける必要はないと考えた私は――魔法を解くことにしていた。

どうぞお好きになさってください

みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。 婚約者の第一王子殿下は言った。 「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」 公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。 「好きになさればよろしいわ」

さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~

阿里
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」 婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。 けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。 セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。 「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。 ――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。

救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~

スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。 しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。 「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」 泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。 数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。 「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

処理中です...