ありそうでない話

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 2ヶ月と少しぶりに、陸が出て行く前の日常が戻ってきた。しかし、しばらくは陸の監禁されていた件の事後処理に追われ忙しい日々が続いた。

 例の最低野郎は、栗原が色々と素早く手を回したため、窃盗罪で逮捕された後、病院からは解雇され、看護士の資格も剥奪された。

 病院から毒薬を盗み、患者の個人情報を勝手に持ち出した上、その本人を監禁したのだから当然だ。

 毒薬については、陸からこのことを聞いたあの日、哲也がすぐに栗原に連絡し、栗原が男の部屋から証拠品として薬物を探し出して警察に通報したため、すぐに窃盗の疑いで逮捕されたのだ。その際、陸が監禁されていたことも公になり、陸が被害届を出したので監禁罪で再逮捕された。

 ただ監禁罪に関しては、陸がその男ともう関わりたくないことと、陸のもともとの優しい性格が相まって示談成立となり、不起訴になっている。

 正直言えば哲也(と栗原)はこの結末に不満があったが、陸がもう忘れたいと言うので、陸の気持ちを尊重した形でこの件は終止符を打った。

 示談の条件として、今後陸には接触しないこと、遠くへと引っ越すことなどを約束させた(示談金もできる限り取ってやったが)。

 哲也にも元のキレッキレの仕事振りが戻ってきて、社員たちを内心ほっとさせたようだった。

 陸は、元のバイト先へ戻りまた働き始めた。事件を知った周りの人たちは陸に対して同情していたが、陸自身は別段この件を引きずる様子もなく飄々と生活を送っていた。

 今まで幾度となく辛い思いをしてきた陸だからこその強さだった。そんな一面も哲也が陸に惚れているところの1つだった。
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