身分違いの恋はいけません?!そんなの知るか!だったらOKな国を私が作ってやるわよ!そこで結婚するからいいもんね!バーカ!

高岩唯丑

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第一章

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「ありがとう!」
 アルクは何事もないように「たいした事じゃない」と笑う。儲けないのに助けてくれる。聞いた通りだ。
「絶対国を作って見せる」
 私はそう宣言した。そう言う事が唯一の恩返しになると思う。
「じゃ、準備を始めねぇと……二日後に出発だ」
 そそくさとアルクが、店じまいを始めながらそう言った。
「わかったわ、二日後に!」
 確認する様に私が繰り返すと、アルクが右手をあげて、その場から走っていった。私とマークはそれを見送る。
「なんだかとてもとんとん拍子に話が進んでいきますね」
 呆然としたようでマークが言った。たぶんマークとしては、そうそう上手くはいかないだろう、と打算があったかもしれない。私に危険な事をさせるのは、やっぱり嫌なんだろう。
「私それだけ、この考えは支持されるって事じゃない?」
 二つ返事で協力してくれるのはやっぱり、みんな何かしら諦めているから。それが無くなるなら、そう思うのではないだろうか。危険な事をするのは私達だし、失敗しても、自分たちは安全で、上手くいけば、自分たちに良い方向に転ぶ。現実的にはそういう事なんだと思う。
「いろいろ考えても意味ないわ、私達も準備、するわよ」
 私はマークの手を取り歩き始める。



 準備を終えた私たちは二日後、アルクと合流して、街を出発した。途中で魔物に出くわしつつも、私のテイムとマークの魔法で、上手く切り抜けて、進んだ。実はアルクも相当の魔法の実力者で、普段は護衛を付けずに行商をしているらしい。自分で火の粉をはらえるから、護衛を雇うお金を節約できるとか。今回は楽が出来て、助かると笑っていた。
 そんな感じで私達の旅は順調に進んで、空白の地、ポイズンタイガーのいる半島までやってきた。
「初めて見たけどこんな状態なんだ」
 私はそれを見て少し驚く。普通の草地の場所の途中から、線を引いたように、毒によって枯れはてた地が広がっている。所々に毒がたまってできた水たまりのような所も見えた。こちら側は確かに朝で、爽やかな鳥の声が聞こえているのに、あちら側はなんとなく暗く陰鬱な印象を受ける。
「おそらくだが、毒が増えている方向に進んでいけば、ポイズンタイガーいる」
 アルクがそう言って、袋を渡してきた。
「なに?」
「毒消しポーションだ、ポイズンタイガーの毒にどこまで効くかわからねぇけどな、あんたらも用意してると思うが、多すぎて困る事も無いだろう」
「ありがとうございます!」
 マークが袋をアルクから受け取ると、そのままアルクが掌をマークに向ける。
「言っとくが、代金はいらねぇよ」
 当然のようにマークは、お金を出そうとしていたらしい。懐から手を出して「ありがとうございます」と頭を下げる。
「いいよ、一緒に旅をした仲だ」
 アルクは満面の笑みでそう言った。
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