私を愛しすぎた殺人鬼

まぁ

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ゆうき

ゆうき

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シャワシャワシャワシャワシャワ
開けっ放しの窓から響く、虫の声と上の階の避難はしごを踏む音が耳につく。
だるい身体を持ち上げてベットから這い出る。
キッチンに向かい冷蔵庫を開けると、私の好きなデパ地下のケーキの箱。
その箱を取り出しぐしゃりとゴミ箱に放り投げた。

「鍵変えるかぁ。」

家に小山内の形跡が2度もでたならば変えなければならない。引っ越して2ヶ月で鍵を変える女なんて管理会社に要注意人物に指定されそうだ。
自分で変えて出ていくときにまたもとの鍵に戻してもらうか。と頭を掻き、ミネラルウォーターを飲み干す。

タバコに火をつけパソコンを起動し、カウンセリングメールフォルダを開く。
古い順番に目を通し、返信はせずにただ脳みそに刻んでいく。
一番新着の知らないアドレスからのメールを開くとそこにうつしだされた文章に眉を寄せた。

『はじめまして。金蔵彩海さん。
   突然ですが、川上勲に近づくのをやめていただきたくご連絡させていただきました。
   彼は私だけのご主人様です。
   この連絡で、近づくことがなくなりましたら光栄です。』

わけのわからない、日本語の使い方もおかしい気もするが、そもそも川上勲という人物に心当たりがなかった。
そのメールを自分の携帯に転送し、そのままトークアプリで神成に送るとすぐにピコンとなった。

『1時にゆっきーのお店』

『おけ』

とりあえず仕事をしよう。とパソコンに向かいその謎のメール以外の返信を進めた。
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