俺の弟は世界一可愛い

粉物

文字の大きさ
上 下
5 / 13
1

04.春哉視点《授業風景》

しおりを挟む
可愛い可愛いなつと別れてから自分の教室へと向かう。
俺が一人になった途端、先程まで少し距離をおいていた女子たちが一斉に周りに群がってくる。毎日毎日飽きないなこいつらと思うが、まぁなつに被害がいかないなら別に構わないか、といつも通り放っておく。

「なつ~これなつがこの前欲しいって言ってたピアス!私からのプレゼント!」「これ今朝焼いたクッキーなんだけど食べて!甘いの苦手ななつくんのために砂糖少なめにしてみたの!」「なつくん、この前の授業のノート良かったら貸そうか?なつくん休んでたよね?」なつくん!なつくん!
あぁうっとおしい。化粧は濃いし香水は鼻につくし媚びるようなたくさんの声が耳にこびりつく。

昔から俺の周りには女が群がってきた。どうでもよくてそのままにしていたら中学の頃にはファンクラブなんてものが出来ていると小耳に挟んだこともある。
そのうち適当に何人かの女と、なつへぶつけられないこの高ぶりを沈めたくて寝たこともあるが、その後が彼女面したり使用済みのコンドームを持って帰ろうとしたり責任を取れと家まで押しかけてきたりと、死ぬほど面倒くさかったから、今では身体だけの関係と割り切れるやつだけをなつの身代わりに抱いていた。
それでも、可愛い弟を、なつを目の前にしたらまるで自分が野生の肉食動物にでもなってしまったかのように理性がなくなってしまうから本当、手に負えない。

「お、はるぴおはようさん!今日も大名行列ごくろうさん!」
「はるぴ言うな、殺すぞ」
こいつは小学校からの腐れ縁の辻。俺が気を許している数少ない友人のうちの一人だ。
「おっかないわぁ」と自分の身体を抱き締め震えるふりをする辻を睨みつけてからどかっと自分の席に座る。窓の外を眺めてから「そういえば・・・なつの体育は1・2限目だったな」と思い出しニヤリとした。なんで知ってるのかって?可愛い弟の時間割を暗記するのくらい当たり前だろう。

窓縁に肘をついてじーっと外を眺める。教室の一番後ろの窓際にあるこの席は丁度なつがいつも体育を見学する特等席がよく見えるためお気に入りだ。お、きたきた・・・あぁ、何回見てもなつの体操着姿は相変わらずそそる。いますぐ食べてしまいたい・・・、とまた肉食動物的思考に陥りそうになりチッと舌打ちを打った。ん?なつの横にいるのは、確か『斎藤』ってやつだったか。少しムカムカしたが、あいつには少し離れた女子校に可愛い彼女がいるらしいし、いつもなつのことを気にかけてくれているらしいから特別になつにちょっかいをかけるのを俺の中で許可している奴だった。
なんでそんなに詳しいのかって?なつのまわりをうろちょろするやつを調べるなんて兄として当然だろ。

そんなことを考えていると教室に教師が入ってくる。適当に授業開始の挨拶を済ませまた窓の外へと視線を向ける。木陰で三角座りをしながら体育を眺めるなつ、可愛い・・・。
ハーフパンツから伸びる白くて滑らかな白い足を凝視する。あぁ触りたい。撫で回したい。じーっと見続けたせいで自分の中の邪な感情がむくむくと膨れ上がる。こういうとき、俺は本能に忠実だ。こんな退屈な授業なんて抜け出してなつを存分に可愛がりに行こう!
思い立ったら即行動だ。すっと席を立つと隣の席の辻に「いってらっしゃ~い」と手を降って見送られた。辻は俺の弟溺愛っぷりを間近で何年も見ているせいで俺の考えていることが結構分かるらしい。俺はそんな辻を無視して愛しのなつが待つグラウンドへ駆け出した。

階段を飛ばし飛ばしで降りていき上履きのまま玄関を抜ける。中庭の花壇の脇をするりと抜けて近道するとなつの姿が目に入った。どうやら眠たくなっているらしくうとうとと船を漕いでいる。
せっかくだから気付かれないようにそっと背後から近付き・・・ガバッ!!と抱き締めたら思った通りに飛び上がり悲鳴を上げそうになった為、口を塞ぐことで押さえ込んだ。

なつの耳元で「授業をサボってる悪い子見ーつけた♪」と呟くと、抱き締めてきたのが俺だと分かったなつが、「ぷはっ!はる!?ど、どうしたの??授業中じゃ・・・」と驚いた表情で見つめてくる。あぁ上目遣い可愛い。
「教室の窓から体育を見学してる可愛い弟を見つけたからこっそり抜け出してきちゃった」
そういいながらなつを抱えるように座ると、俺が来たのが嬉しかったのかふにゃっと顔をほころばせるもんだから可愛すぎて思い切り抱き締めてしまった。これは不可抗力だ仕方ない。
少しするとなつのうぅっといううめき声が聞こえて咄嗟に腕の力を緩めた。


「体育休んでるの、はるにも原因あるんだからね!体育ある日は軽いキスだけって約束だったのに!」
「えぇ~敏感ななつが悪いんでしょ。それに、朝俺がちょっかい掛けなくてもどうせサボるくせに」
「・・・それとこれとは別です」図星だったのか、目線を泳がせる。
「まぁ、俺としてもこんな可愛い姿で走り回ってるなつを見せびらかすこともなくなるから大歓迎だけどねぇ」
そう呟きながら、先程遠くから舐め回すように見つめた白く滑らかな足に指を滑らせた。16歳の男子の足とは思えないほど綺麗で官能的な生足をゆっくり堪能する。

背中を俺のほうにもたれさせてM字開脚のようなポーズを取らせると、立てられた膝を左手の数本の指先を使ってくるくると撫でた後ゆっくりと太ももに向かってスライドさせていく。ハーフパンツの裾のなかに少しづつ手を滑り込ませながら捲り上げていくと、先程までハーフパンツの下に隠されていた艶めかしい太ももが姿を表した。
「はぅんっ・・・んんっはる、くすぐったいよ」
「んー?くすぐったいだけ?」
そういいながら太ももの内側をやわやわと揉んでいく。俺の手が少しづつ足の付根に近づくのに比例してはるの息がだんだん荒くなっていくのを敏感に感じ取る。
空いていた右手で体操着の上から胸の尖りをピンっと弾くと「ひゃあんっ」と予期せぬ刺激に身体が跳ね上がった。

なつの中心が緩くハーフパンツの生地を押し上げているのを確認すると、計画通りに進んでいることにはるはニヤリと口角をあげた。もどかしい愛撫に悶ているなつの耳元でそっと囁く。

「ねぇなつ、2限続けて体育でしょ?まだ時間はたっぷりあるし折角だからお兄ちゃんとイイことしよ?」
「イイこと・・・」
俺を見返すなつの色っぽい瞳が期待に揺れた。
しおりを挟む

処理中です...