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ウルティア国戦役編
187 カナタ、名付ける
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「イータ、どうしたの?」
驚いたカナタは抱き着いて来たイータを剥がして正面で見つめ合った。
「マスターの気持ちが嬉しいの。
私たちを機械ではなく人として扱ってくれるから」
「それは当然じゃないか」
「でも、よく考えて?
貴石ゴーレムや鉄ゴーレム、それこそオリハルコンゴーレムなんかは、マスターも素材として見られるよね?」
「確かに」
肉の身体か、石や金属の身体かでカナタはゴーレムを差別していた。
血が出る肉ゴーレムは可愛そうだが、金属ならそうではないというのは、カナタのエゴだった。
「肉ゴーレムも残念ながら、魔石に刻まれた動作が出来るだけの機械、しかも魔物なの。
肉ゴーレムには魂は無いの。このまま売られれば、役立たずの囮として消費されるだけ。
でも、砢システムを与えれば、この子は砢を得られるの。
それはこの子の救いになるんじゃなくて?」
謎の組織の被害者だったイータだからこそ、そこらへんのことには敏感だった。
カナタは今気付いたが、イータも神様により元の人格を残されていたのだ。
それは辛い記憶だっただろうから、リセットされた方が楽だったのかもしれない。
でも、その経験を持つが故に、肉ゴーレムに砢システムを与え欲しいと懇願したのだ。
「わかったよ。イータ。
これがこの子を助けることになるんだね?」
イータはそれには言葉で答えずに満面の笑みで返した。
カナタはその笑顔に後押しされ、肉ゴーレムを愛砢人形とすることに、もう躊躇いはなかった。
「【麻痺】」
カナタは肉ゴーレムに【麻痺】をかけ、作業台に寝かせた。
「【痛覚遮断】」
肉ゴーレムに痛覚があるのかは不明だったが、続けて【痛覚遮断】をかけた。
そして元々ただののっぺりした凹凸の無い人体の模倣的な身体を見つめると、その胸にナイフを入れる。
「そこに魔石がありますので、取り出してください。
その場所に砢システムを嵌めれば第一段階終了です」
ニクの指示により肉ゴーレムの胸を開け、あばら骨にあたる板状の骨を剥がして魔石を取り出した。
その取り出した隙間に砢システムを嵌め、あとは逆の手順で胸を閉じた。
「ああ、肉ゴーレムって回復魔法が効くのかな?
ニクたちに効くのは、素体が人体だからだよね?」
「そこは砢システムに任せましょう。
第二段階はマスターの【ガチャオーブ化】スキルで素体に砢を紐づけてください」
「こうか」
カナタが肉ゴーレムをガチャオーブ化すると、そこには山吹色のゴーレムオーブが出来上がった。
つまり、中身が愛砢人形であるという証拠だった。
「どうやら成功のようです。
素体に砢が宿りました」
「早く開けてあげて」
イータが急かす。
「うん、行くよ」
ガチャガチャ ポン!
Nアイテム 肉ゴーレム
肉で出来たゴーレム
手に入れた者が他人に譲渡しない限りその者に従属する
主に魔物から逃亡する際の囮として使われる
そこに出現したのは、元のままの胸を開かれた肉ゴーレムだった。
しかし、その肉ゴーレムの身体には砢が宿っているのだ。
「【フルリカバー】」
カナタは砢システムの生体スイッチを修復することで入れた。
これにより砢システムの起動が始まる。
砢システムの外殻から液体化オリハルコンとそれを運ぶヒヒイロカネの微細ゴーレムが飛び出す。
微細ゴーレムが全身に行きわたると、骨格と肉体を愛砢人形のものへと変化させる。
顔や身体が人と同じように変化するのだ。
開かれた胸もその肉体変化とともに修復された。
そして骨格や関節の軟骨に液体化オリハルコンが鍍金のように薄く覆い被さり強化される。
砢システムからのエネルギーが微細ゴーレムにより体内を循環し、肉ゴーレムは愛砢人形となった。
「所有権登録が完了いたしました。
α-は、マスターの指揮下に入ります」
「は?」「え?」「なんで?」
彼女は実験機の低級愛砢人形ではなくαの試作品、α-として蘇った。
「マスターの愛が加わったため、愛砢システムとして起動したのです。
そのため、プロテクトのかかっていた機能が解放されてこうなりました」
α-は元ただの肉ゴーレムとは思えないほどのはっきりした口調でそう言った。
カナタは、この異常事態にニクが何かやらかしたと確信した。
「にーぃくーぅ?」
カナタがニクの方を振り向き問い質すと、ニクは表情も変えずに答えた。
「実験体なので、私のシステムをコピーしてみました」
一見無表情モードに見えるが口元がヒクヒクしている。
どうやら感情が戻っているのに誤魔化そうとしているようだ。
カナタは溜め息を一つつくとスルーしてあげる優しさを発揮した。
「何がどうなったんだろう」
ニクの説明では、実験機として本来ならば限定した基本機能しか実現しないはずだったらしい。
それが機能解放で、ニクに次ぐ性能になってしまったのだ。
カナタは頭を抱えたが、あることが大事だとはたと気付いた。
「名前が長いから、これからはマイでいいかな?」
新たな愛砢人形の名前が決まった瞬間だった。
彼女の顔はニクと全く違うタイプの美人さんだった。
驚いたカナタは抱き着いて来たイータを剥がして正面で見つめ合った。
「マスターの気持ちが嬉しいの。
私たちを機械ではなく人として扱ってくれるから」
「それは当然じゃないか」
「でも、よく考えて?
貴石ゴーレムや鉄ゴーレム、それこそオリハルコンゴーレムなんかは、マスターも素材として見られるよね?」
「確かに」
肉の身体か、石や金属の身体かでカナタはゴーレムを差別していた。
血が出る肉ゴーレムは可愛そうだが、金属ならそうではないというのは、カナタのエゴだった。
「肉ゴーレムも残念ながら、魔石に刻まれた動作が出来るだけの機械、しかも魔物なの。
肉ゴーレムには魂は無いの。このまま売られれば、役立たずの囮として消費されるだけ。
でも、砢システムを与えれば、この子は砢を得られるの。
それはこの子の救いになるんじゃなくて?」
謎の組織の被害者だったイータだからこそ、そこらへんのことには敏感だった。
カナタは今気付いたが、イータも神様により元の人格を残されていたのだ。
それは辛い記憶だっただろうから、リセットされた方が楽だったのかもしれない。
でも、その経験を持つが故に、肉ゴーレムに砢システムを与え欲しいと懇願したのだ。
「わかったよ。イータ。
これがこの子を助けることになるんだね?」
イータはそれには言葉で答えずに満面の笑みで返した。
カナタはその笑顔に後押しされ、肉ゴーレムを愛砢人形とすることに、もう躊躇いはなかった。
「【麻痺】」
カナタは肉ゴーレムに【麻痺】をかけ、作業台に寝かせた。
「【痛覚遮断】」
肉ゴーレムに痛覚があるのかは不明だったが、続けて【痛覚遮断】をかけた。
そして元々ただののっぺりした凹凸の無い人体の模倣的な身体を見つめると、その胸にナイフを入れる。
「そこに魔石がありますので、取り出してください。
その場所に砢システムを嵌めれば第一段階終了です」
ニクの指示により肉ゴーレムの胸を開け、あばら骨にあたる板状の骨を剥がして魔石を取り出した。
その取り出した隙間に砢システムを嵌め、あとは逆の手順で胸を閉じた。
「ああ、肉ゴーレムって回復魔法が効くのかな?
ニクたちに効くのは、素体が人体だからだよね?」
「そこは砢システムに任せましょう。
第二段階はマスターの【ガチャオーブ化】スキルで素体に砢を紐づけてください」
「こうか」
カナタが肉ゴーレムをガチャオーブ化すると、そこには山吹色のゴーレムオーブが出来上がった。
つまり、中身が愛砢人形であるという証拠だった。
「どうやら成功のようです。
素体に砢が宿りました」
「早く開けてあげて」
イータが急かす。
「うん、行くよ」
ガチャガチャ ポン!
Nアイテム 肉ゴーレム
肉で出来たゴーレム
手に入れた者が他人に譲渡しない限りその者に従属する
主に魔物から逃亡する際の囮として使われる
そこに出現したのは、元のままの胸を開かれた肉ゴーレムだった。
しかし、その肉ゴーレムの身体には砢が宿っているのだ。
「【フルリカバー】」
カナタは砢システムの生体スイッチを修復することで入れた。
これにより砢システムの起動が始まる。
砢システムの外殻から液体化オリハルコンとそれを運ぶヒヒイロカネの微細ゴーレムが飛び出す。
微細ゴーレムが全身に行きわたると、骨格と肉体を愛砢人形のものへと変化させる。
顔や身体が人と同じように変化するのだ。
開かれた胸もその肉体変化とともに修復された。
そして骨格や関節の軟骨に液体化オリハルコンが鍍金のように薄く覆い被さり強化される。
砢システムからのエネルギーが微細ゴーレムにより体内を循環し、肉ゴーレムは愛砢人形となった。
「所有権登録が完了いたしました。
α-は、マスターの指揮下に入ります」
「は?」「え?」「なんで?」
彼女は実験機の低級愛砢人形ではなくαの試作品、α-として蘇った。
「マスターの愛が加わったため、愛砢システムとして起動したのです。
そのため、プロテクトのかかっていた機能が解放されてこうなりました」
α-は元ただの肉ゴーレムとは思えないほどのはっきりした口調でそう言った。
カナタは、この異常事態にニクが何かやらかしたと確信した。
「にーぃくーぅ?」
カナタがニクの方を振り向き問い質すと、ニクは表情も変えずに答えた。
「実験体なので、私のシステムをコピーしてみました」
一見無表情モードに見えるが口元がヒクヒクしている。
どうやら感情が戻っているのに誤魔化そうとしているようだ。
カナタは溜め息を一つつくとスルーしてあげる優しさを発揮した。
「何がどうなったんだろう」
ニクの説明では、実験機として本来ならば限定した基本機能しか実現しないはずだったらしい。
それが機能解放で、ニクに次ぐ性能になってしまったのだ。
カナタは頭を抱えたが、あることが大事だとはたと気付いた。
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