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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
6 聖女さん達、休日の終わり
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しーちゃんのお店を出た後、私達は再び王都の中を巡る事にした。
「じゃあこの日のこの時間帯に、この住所に配達お願いっす」
先程の楽器屋さんに戻り、しばらく物色した後に軽く試奏したりした後にシルヴィとステラがそれぞれ購入。
とりあえずそれは後日シズクの家に配達される事になり、それから私の家へと運ぶ手筈になってる。
これで別にスタジオを借りなくてもセッションできるね。
そしてそれからは午前中と同じように色々な所を見て回って、そして半ば無理矢理シルヴィの枕も買いにも行った。
「さあ果たしてこの枕で怪奇現象が止まるのかどうか」
「実際それ使って寝た訳じゃないっすからね……正直効果は未知数っす」
「場合によっちゃ今後長い戦いになりそうだな」
「そろそろ私このイジり方に怒っても良いんじゃないですかね」
いや、駄目でしょ。
良い訳が無いよ。
……まあそんな感じで効果があるかは分からないけど、今日手に入れるべき最重要アイテムは獲得した後、晩御飯を食べてその日は解散という流れに。
「じゃあ次は四日後だな。今度は無茶苦茶な事に巻き込まれたりしねえといいけど」
別れ際、ステラがそう言う。
皆で晩御飯を食べている時に次に集まる日……即ち冒険者として活動する日を決めたんだけど、それが四日後。
明日明後日明々後日とステラが仕事だしね。
私達四人での初陣はその日になる。
……しっかし無茶苦茶な事、か。
「でも逆にうまくもう一度巻き込まれて、詳しい話聞きたいってのもあるよね」
私達は現状、何かが起きているかもしれないという事しか分からないけど、向こうも本当に元聖女みたいな感じなら多分私達以上の情報を持って居る筈で。
正直話が聞けるなら聞いてみたいとは思う。
「まあ話聞けるような相手じゃないと思いますけどね」
「普通に殺されかけたからな」
「確かに……話聞ける状況には持っていきにくいかもね」
自分で言っておいてなんだけど、結構キツいか。
……まああの黒装束の男は、結構話しかけたら会話はしてくれる感じあったけども。
「いや、でも今は四人っすから。その気になればうまく鎮圧して話聞けるんじゃないっすかね」
「「「確かに!」」」
そうだ今シズクが居る!
なんかこう、今なら……この四人なら全然負ける気しないよね。
「じゃあそんな訳で、無茶苦茶な事に巻き込まれろ! って感じでいいんすかね」
「うん、それでいいかな……いや、いいのかなそれで? んん?」
まあ何だか良く分からなくなってきたけど、出たとこ勝負。
私達ならなんとかなるでしょ。
「まあ何起きるか分かんねえけど、四日後の仕事頑張ろうな……ところで」
ステラが今更気付いたように言う。
「シルヴィは今日の寝床どうするんだ?」
そういえば今日も不動産で物件決めるような事はしてないから、継続して住所不定だよ。
「えーっと……アンナさん、今日も泊めて貰って良いですか?」
「ああ、うん。私は別に何泊して貰っても良いけど……」
良いけど続くと泊るというより居候みたいな感じになるよね。
「と、とりあえず二、三日の内に部屋決めるんで」
「ゆっくりで良いよゆっくりで……というかその枕で大丈夫かどうか確認しないと、外の世界に送り出せない……」
「確かにそうっすね……」
「最重要項目だなそこ」
「よし、明日にも新居探しますよ私」
とまあこの日はそんな感じで解散となった。
まずステラと別れ、一旦シズクの家に。
「素通りになるけどお邪魔します」
「お、お邪魔します」
「どうぞっす」
シズクの家と私の家が繋がっているから、不思議な感じだけどまずはお邪魔しますだ。
「あ、そうだ。アンナさん、これ持ってくっすよ」
シズクは棚から鍵を取り出し、こちらに手渡してくる。
「これは?」
「この部屋の合鍵っすとりあえずしばらくボクの家から出入りするんだったら要るっすよね?」
「ああ、確かに」
普通に必須アイテムだよこれ。
「なんかシェアハウスやってるみたいですね。鍵の貸し借りしてるのって」
「居住スペース国境超える位離れてるけどね」
……まあ鍵は一旦ありがたく頂いておくとして。
「まあ私も近々どこか部屋を借りて、自分の家と繋ぐよ。流石にこのままだとシズクに迷惑掛かるだろうし」
「ああ、別に良いっすよ。気軽に友達の家行けて良いなとも思うっすから」
あ、でも、とシズクは言う。
「できればその、そっちの押し入れの下の段使ってないんで、そっちにこの魔法陣移動してくれると助かるっす。この布団敷くんで」
「ああ、うんごめん。今すぐやるよ」
そして転移の魔法陣を消して、押し入れの中に設置。
……気を付けておかないと、出てきた時頭打ちそうだね。
「ところでシズクは今日どうする? 折角だし今日もウチに来たりする?」
「ああ、いや。今日は遠慮しとくっす。昨日サボっちゃったんで今日はちょっとこの後資格の勉強でもしようかなって思ってたっすから」
「資格……ちなみになんのですか?」
「簿記っす」
「すっごい地に足が付いてるね……」
うん、履歴書持って面接受けて就職して、今簿記の資格取る為に試験勉強してるって、なんというかこう……凄いまともだよね。
「が、頑張ってね」
「応援してます」
「絶対一発で合格するっす」
そして試験勉強をする為に家に残るシズクと別れて、私達は私の家へと帰ってくる。
「しかし三日目ともなると、自宅感出てきますね」
「うん、完全に居候だね」
「さっき明日にも新居見付けるって言ってましたけど、もし見つからなかったらまたお願いします」
「いいよ、いつでも」
……さて。この日はこの後シャワーを浴びて就寝。
そして翌日のシルヴィの寝相はというと、とても健やかそうにベッドの上で眠っていて、体に合った枕の力ってすげーって思ったよ。
……とまあ、場合によっては事件性がありそうなシルヴィの寝相の件はこれにて一旦解決。
そしてそれによって何の心配もなく送り出せる状態になったシルヴィの新居も、翌日シズクの手を借りながら不動産屋で見付けて色々と一安心して。
そんな風に私達の新しい日常は、順調に良い感じな物になっていってる。
そしてそんな中で事件が起きたのは四人で遊んだ日の三日後。
四人での初仕事の前日の事になる。
「じゃあこの日のこの時間帯に、この住所に配達お願いっす」
先程の楽器屋さんに戻り、しばらく物色した後に軽く試奏したりした後にシルヴィとステラがそれぞれ購入。
とりあえずそれは後日シズクの家に配達される事になり、それから私の家へと運ぶ手筈になってる。
これで別にスタジオを借りなくてもセッションできるね。
そしてそれからは午前中と同じように色々な所を見て回って、そして半ば無理矢理シルヴィの枕も買いにも行った。
「さあ果たしてこの枕で怪奇現象が止まるのかどうか」
「実際それ使って寝た訳じゃないっすからね……正直効果は未知数っす」
「場合によっちゃ今後長い戦いになりそうだな」
「そろそろ私このイジり方に怒っても良いんじゃないですかね」
いや、駄目でしょ。
良い訳が無いよ。
……まあそんな感じで効果があるかは分からないけど、今日手に入れるべき最重要アイテムは獲得した後、晩御飯を食べてその日は解散という流れに。
「じゃあ次は四日後だな。今度は無茶苦茶な事に巻き込まれたりしねえといいけど」
別れ際、ステラがそう言う。
皆で晩御飯を食べている時に次に集まる日……即ち冒険者として活動する日を決めたんだけど、それが四日後。
明日明後日明々後日とステラが仕事だしね。
私達四人での初陣はその日になる。
……しっかし無茶苦茶な事、か。
「でも逆にうまくもう一度巻き込まれて、詳しい話聞きたいってのもあるよね」
私達は現状、何かが起きているかもしれないという事しか分からないけど、向こうも本当に元聖女みたいな感じなら多分私達以上の情報を持って居る筈で。
正直話が聞けるなら聞いてみたいとは思う。
「まあ話聞けるような相手じゃないと思いますけどね」
「普通に殺されかけたからな」
「確かに……話聞ける状況には持っていきにくいかもね」
自分で言っておいてなんだけど、結構キツいか。
……まああの黒装束の男は、結構話しかけたら会話はしてくれる感じあったけども。
「いや、でも今は四人っすから。その気になればうまく鎮圧して話聞けるんじゃないっすかね」
「「「確かに!」」」
そうだ今シズクが居る!
なんかこう、今なら……この四人なら全然負ける気しないよね。
「じゃあそんな訳で、無茶苦茶な事に巻き込まれろ! って感じでいいんすかね」
「うん、それでいいかな……いや、いいのかなそれで? んん?」
まあ何だか良く分からなくなってきたけど、出たとこ勝負。
私達ならなんとかなるでしょ。
「まあ何起きるか分かんねえけど、四日後の仕事頑張ろうな……ところで」
ステラが今更気付いたように言う。
「シルヴィは今日の寝床どうするんだ?」
そういえば今日も不動産で物件決めるような事はしてないから、継続して住所不定だよ。
「えーっと……アンナさん、今日も泊めて貰って良いですか?」
「ああ、うん。私は別に何泊して貰っても良いけど……」
良いけど続くと泊るというより居候みたいな感じになるよね。
「と、とりあえず二、三日の内に部屋決めるんで」
「ゆっくりで良いよゆっくりで……というかその枕で大丈夫かどうか確認しないと、外の世界に送り出せない……」
「確かにそうっすね……」
「最重要項目だなそこ」
「よし、明日にも新居探しますよ私」
とまあこの日はそんな感じで解散となった。
まずステラと別れ、一旦シズクの家に。
「素通りになるけどお邪魔します」
「お、お邪魔します」
「どうぞっす」
シズクの家と私の家が繋がっているから、不思議な感じだけどまずはお邪魔しますだ。
「あ、そうだ。アンナさん、これ持ってくっすよ」
シズクは棚から鍵を取り出し、こちらに手渡してくる。
「これは?」
「この部屋の合鍵っすとりあえずしばらくボクの家から出入りするんだったら要るっすよね?」
「ああ、確かに」
普通に必須アイテムだよこれ。
「なんかシェアハウスやってるみたいですね。鍵の貸し借りしてるのって」
「居住スペース国境超える位離れてるけどね」
……まあ鍵は一旦ありがたく頂いておくとして。
「まあ私も近々どこか部屋を借りて、自分の家と繋ぐよ。流石にこのままだとシズクに迷惑掛かるだろうし」
「ああ、別に良いっすよ。気軽に友達の家行けて良いなとも思うっすから」
あ、でも、とシズクは言う。
「できればその、そっちの押し入れの下の段使ってないんで、そっちにこの魔法陣移動してくれると助かるっす。この布団敷くんで」
「ああ、うんごめん。今すぐやるよ」
そして転移の魔法陣を消して、押し入れの中に設置。
……気を付けておかないと、出てきた時頭打ちそうだね。
「ところでシズクは今日どうする? 折角だし今日もウチに来たりする?」
「ああ、いや。今日は遠慮しとくっす。昨日サボっちゃったんで今日はちょっとこの後資格の勉強でもしようかなって思ってたっすから」
「資格……ちなみになんのですか?」
「簿記っす」
「すっごい地に足が付いてるね……」
うん、履歴書持って面接受けて就職して、今簿記の資格取る為に試験勉強してるって、なんというかこう……凄いまともだよね。
「が、頑張ってね」
「応援してます」
「絶対一発で合格するっす」
そして試験勉強をする為に家に残るシズクと別れて、私達は私の家へと帰ってくる。
「しかし三日目ともなると、自宅感出てきますね」
「うん、完全に居候だね」
「さっき明日にも新居見付けるって言ってましたけど、もし見つからなかったらまたお願いします」
「いいよ、いつでも」
……さて。この日はこの後シャワーを浴びて就寝。
そして翌日のシルヴィの寝相はというと、とても健やかそうにベッドの上で眠っていて、体に合った枕の力ってすげーって思ったよ。
……とまあ、場合によっては事件性がありそうなシルヴィの寝相の件はこれにて一旦解決。
そしてそれによって何の心配もなく送り出せる状態になったシルヴィの新居も、翌日シズクの手を借りながら不動産屋で見付けて色々と一安心して。
そんな風に私達の新しい日常は、順調に良い感じな物になっていってる。
そしてそんな中で事件が起きたのは四人で遊んだ日の三日後。
四人での初仕事の前日の事になる。
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