魔剣拾った。同居した。

山外大河

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2-1 招かれざる客

28 配慮と連絡先

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 手荷物も車も北陸第一の方に置いて来てある事もあり、杏の車でそこまでは乗せて行って貰った。
 そして車を下りてから、鉄平は一応赤坂に問いかける。

「ところでご存じの通り俺達帰るんですけど……赤坂さんは?」

「勿論ユイの監視……と言いたい所だけど、今日の所は止めとくわ。今は駄目でしょ」

「……俺がこんな事言うのもアレですけど、監査官役的に良いんですかそれ」

「当然あまり良くは無いわ。だけど、今無理矢理ってのは人として良くないと思うけど」

 そこまで言ってハッとしたように表情を変えて言う。

「言っとくけどもし万が一まともな奴だったらって場合の事を考えて気を使ってるだけで、何も信用なんてしてないから! そこだけは勘違いしないで」

「こてこてのツンデレって感じだね伊月ちゃん」

「誰がツンデレですか! ていうか一切デレてないです! とにかく分かった? 二人共!」

「ええ、気ぃ使ってくれてありがとうございます」

「ありがとうなのじゃ」

「いや別に礼を言われるような事はしてないんだけど」

「赤坂さん」

 ユイは赤坂に言う。

「多分今日は着いて来ないってだけで明日とかはそうじゃないかもしれないじゃろ? だからとりあえずまた明日じゃ」

 赤坂に言ったのは普通に別れの挨拶だ。
 そしてそれを聞いた赤坂は小さく溜息を吐いてからスマホを取り出した。

「……アンタ、ラインやってる? 少し落ち着いたら連絡しなさい。そしたらそのタイミングで会いに行くから」

「分かったのじゃ。あ、これQRコード」

 そんな感じで連絡先を交換する二人。

(絶対監査しに来た人間とされる側の人間のやり取りじゃねえな)

 そう思いながら鉄平は安堵した。
 半ば杏子が冗談のように言ったツンデレという言葉がとても馴染む。

 馴染みながら改めて思った。

 流石にこの人は味方だと。
 余程の事が無ければ味方であってくれる人だと。
 そんな事を本人に言ったら文句を言われるだろうけどそう思った。

 だからこそ。

(……赤坂さんですら味方してくれてんだ。だからあんまり悪い方にばかり考えなくて良いんだよ)

 ユイが何を考えて沈んでいるのかを察しつつそう考えながら、二人の連絡先交換を見守った。

「とりあえずこれで友達登録完了じゃな」

「言っとくけど私アンタの友達って訳じゃ無いからね!」

 それはそれとして、事が終わればユイと良い感じに仲良くやってくれそうで良いなと思いました。
 もうそれなりに友達って感じである。
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